- 著者
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山田 文雄
杉村 乾
阿部 慎太郎
半田 ゆかり
- 出版者
- 日本熱帯生態学会
- 雑誌
- Tropics (ISSN:0917415X)
- 巻号頁・発行日
- vol.10, no.1, pp.87-92, 2000
- 被引用文献数
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アマミノクロウサギPentalaglls fllrnessi は琉球列島の中部の奄美大島と徳之島だけに生息する固有種である。本種の保護を目的に,現存個体数の推定,活動性の時間的・空間的パターンの解明,及び本種の生存を脅かす移入種(とくに移入マングース)の影響の解明について研究を行った。アマミノクロウサギの生息域は縮小化と断片化が進み,生息数も減少傾向にあり, 1995 年現在の生息数は両島で2700~6500 頭と推定された。本種の行動圏面積は比較的狭く(雄1.3 ha ,雌1. 0 ha) ,夜間,森林に覆われた谷などにある巣穴から出て100-200 m 移動し,林縁部で採食と脱糞を行っていた。奄美大島では,移入捕食者であるマングースがアマミノクロウサギや生態系に及ぼす影響の大きいことが明らかになり,その対策が緊急に求めらている。