著者
南條 浩輝
出版者
日本新生児看護学会
雑誌
日本新生児看護学会誌 (ISSN:13439111)
巻号頁・発行日
vol.16, no.2, pp.2-5, 2010-10
被引用文献数
1

われわれは平成21年度「母と子のすごやか基金」研究助成により, 「医療的ケアを要する子どもの在宅療養支援体制の整備に関する基礎調査」を実施した. その一環として, 子どもの在宅療養支援に先進的に取り組んでいる施設見学を行った. その中から, あおぞら診療所新松戸(千葉県松戸市), NPO法人レスパイト・ケアサービス萌(神奈川県横浜市), 重症障がい児者レスパイトケア施設うりずん(栃木県宇都宮市)の3カ所について報告する.あおぞら診療所新松戸では, 多くの小児を含む訪問診療, 訪問看護に同行した. 成人では介護保険によりある程度整備されている在宅サポートシステムが, 小児ではきわめて未整備なこと, 訪問診療や訪問看護は, 子ども・家族と病院側の両方の負担軽減につながることを認識した.NPO法人レスパイト・ケアサービス萌では, レスパイト目的の訪問看護・訪問介護に同行した. 同じ看護師が訪問看護の後, そのままヘルパーとして数時間滞在することで, 長時間のレスパイトを可能にしていた. 在宅レスパイトは, 施設不足などの問題を解決する一つの方法になり得ると感じた.重症障がい児者レスパイトケア施設うりずんでは, 在宅人工呼吸を含む医療的ケアを要する子どもの日中預かりレスパイトを見学した. 預かりレスパイトに対する家族のニーズや, それに応える側の工夫や配慮について知ることができた.なお, 調査全体の報告書は, 「http://hirokinanjo.com/doc/report_01.pdf」よりダウンロード可能である.
著者
南條浩輝 山本 祐司 吉見 毅彦
雑誌
情報処理学会論文誌 (ISSN:18827764)
巻号頁・発行日
vol.53, no.6, pp.1644-1653, 2012-06-15

機械翻訳(MT)の品質向上のための翻訳前の書き換え(前編集)について述べる.これまでの前編集は主にルールに基づくものであるため,MTシステムに依存し,かつシステム構築に労力を要した.これに対し,本論文では,MTシステムに依存しない統計的前編集システムの自動構築手法を提案する.具体的には,対象とするMTシステムに適した前編集システムを,当該MTシステムを含む複数のMTシステムおよび対訳コーパスから自動構築する手法を提案する.本手法の最も重要な特徴は,前編集によって翻訳品質の向上が得られる学習データを自動生成できる点にある.ロイター日英記事の対応付けデータを用いて4種類の日英MTシステム用前編集システムを構築したところ,3種類のMTシステムについて,多くの文に対して翻訳品質を向上させる前編集システムが構築できた.提案手法である前編集システムの学習データの自動生成は,3種類のMTシステムの前編集システム構築に効果的であったこと,および他の1種類のMTシステムの前編集システム構築に悪影響がなかったことを示し,提案手法の有効性を示した.
著者
西浦 敬信 南條 浩輝 森勢 将雅 中山 雅人
出版者
立命館大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2011

危機的状況を的確に検知して周囲に報知するシステムは,安全安心な社会基盤の構築には必要不可欠である.特に人は危機的状況下では叫ぶ習性があることから,本研究では叫び声や異常音などの危機情報を検知し周囲に報知する危機検知・警報システムの基盤形成を試みた.具体的には(1)音環境における叫び声や異常音など危機情報の検知(2)検知した危機情報の構造化と理解(3)危機情報を報知するための警報音の設計(4)上記を統合した危機情報の検知・警報システムの構築に対して研究を実施し,その有効性を確認した.
著者
南條 浩輝
出版者
龍谷大学
雑誌
若手研究(B)
巻号頁・発行日
2009

同じ内容の発話が複数の言語(本課題では日・英で実験)でなされている多言語コンテンツ(ニュースの主・副音声など)に着目し,それらの音声を,情報を互いに補って音声認識する方法を研究した.音声認識時に他言語の発話(のテキスト)との対応度(翻訳モデルスコア)を利用することが必要であるため, (1)翻訳モデル, (2)スコア計算の近似(高速化), (3)英日同時通訳音声における英・日発話中の同一内容部分の自動対応付けについて研究を行った.適した翻訳モデルおよび自動対応付けの有効性と課題を明らかにした.スコア計算の高速化を達成した.