著者
原田 明子
出版者
北海道大学留学生センター = Hokkaido University International Student Center
雑誌
北海道大学留学生センター紀要
巻号頁・発行日
vol.2, pp.157-168, 1998-12

近年、外国語教育の目的はコミュニケーション能力、特に口頭表現能力を身につけることに置かれるようになってきた。初期の段階からこの口頭表現能力をつけさせるために、日本語研修コースでは会話で教えるべき項目の抽出と会話シラバスの構築を行い、その教材化を進めている。更にロールカードを作成し、これを用いて会話の授業を行い、口頭能力試験にも取り入れている。しかし、一連の教材化の作業や試験の評価の基準は日本語教師の内省にのみ委ねられており、一般の日本人による視点・評価が反映されていないのではないかとの思いから、今回、一般の日本人は外国人の日本語をどのように評価するかについて調査をした。具体的には、研修コースの6人の学生のロールプレイをビデオに撮り、それを一般の日本人2人に見せて、どんな点に注目するのか、またどんな要素がプラス、或いはマイナスの評価につながるのかを調べた。その結果、1)一般の日本人は学習者の悪かった点よりも良かった点に目を向ける傾向があること、2)「文法・語彙の正確さ」といった言語規則に関する要素より、あいづちや問い返し、話の切り出し方などの円滑なコミュニケーションの遂行に関する要素に注目していること、3)半分強のコメントが同一の項目であることから、評価の対象になりやすい項目があること、などがわかった。以上のことから、学習者のパフォーマンスのどこに注目するのかは各要素ごとに独立して決まるものではなく、互いに関連性を持つと考えられるので、目につきやすい項目の抽出とそれらの相互関係の記述が今後の課題として示唆される。In the Japanese intensive course at Hokkaido University, we have been developing conversation materials for beginners, with role-play being used as a test of conversational ability. However, both the materials and the evaluation of this test are based solely on the viewpoints of Japanese language teachers, and it is possible that these do not reflect the viewpoints of ordinary Japanese speakers. In this study, we showed video recordings of six role-plays to two Japanese native speakers and asked them what points of learners' performance particularly caught their attention. As a result, we found that Japanese native speakers tended to pay attention to (1) good points rather than bad points of learers' Japanese, and (2) conversational strategies such as aizuchi, and opening and closing devices, rather than the accurate use of grammar or vocabulary.
著者
原田 明子 Akiko Harada 作新学院大学人間文化学部 The Faculty of Human and Culture Sciences Sakushin Gakuin University
出版者
作新学院大学人間文化学部
雑誌
作新学院大学人間文化学部紀要 = Bulletin of The Faculty of Human and Cultural Sciences Sakushin Gakuin University (ISSN:13480626)
巻号頁・発行日
vol.5, pp.77-90, 2007-03-01

以下は平成16年度後期から平成18年度前期にかけて、作新学院大学人間文化学部の必修科目「キャップストーンコース」において行われた、児童英語活動「英語であそぼう」の取り組みについての報告である。受講者の活動を、担当教員の視点からまとめたものである。
著者
磯崎 豊 鈴木 建太朗 松山 竜三 松本 尚之 長尾 泰考 石川 剛 原田 明子 松本 貴弘 谷 知子 辰巳 嘉英 今本 栄子 安藤 貴志 小山田 裕一
出版者
一般社団法人 日本消化器内視鏡学会
雑誌
日本消化器内視鏡学会雑誌 (ISSN:03871207)
巻号頁・発行日
vol.51, no.8, pp.1707-1713, 2009 (Released:2012-07-26)
参考文献数
13

クラミジア直腸炎を3例経験した.全例無症状で,便潜血反応陽性の精査の際に直腸の均一な半球状小隆起の集簇像という特徴的な内視鏡所見と直腸擦過診のChlamydia trachomatis抗原検索によって診断された.治療としてazithromycin hydrateを投与した.クラミジア直腸炎は自覚症状の乏しい症例も多く,画像所見から本疾患を疑い,適切な検査で診断・治療することが必要である.