著者
世古口 悟 廣瀬 瞳 池田 佳奈美 山根 慧己 濱田 聖子 堀田 祐馬 山田 展久 磯崎 豊 長尾 泰孝 小山田 裕一 松林 宏実
出版者
一般社団法人 日本肝臓学会
雑誌
肝臓 (ISSN:04514203)
巻号頁・発行日
vol.61, no.4, pp.184-190, 2020-04-01 (Released:2020-04-03)
参考文献数
19
被引用文献数
1

針刺し事故の現状およびワクチン接種の問題点を検証する目的で,2012年1月から2019年7月までに当院で報告のあった,針刺し切創・皮膚粘膜曝露138症例の検討を行った.職種は看護師52.9%,常勤医師23.9%の順で,事務職は1.4%(2例)であった.経験年数1年未満が23.2%で,汚染に伴う感染例はなかった.曝露時のHBs抗体価が10 mIU/ml未満の割合は23.7%で,HBs抗体の自然低下41.9%,ワクチン接種終了前の曝露35.5%,ワクチン不応9.7%,ワクチン接種非対象者6.5%であった.針刺し事故は,事務職にも発生しており,全ての医療従事者を対象としたワクチン接種が必要である.また就業開始前のワクチン接種による抗体獲得および抗体価の定期的な測定を検討する必要がある.
著者
大阿久 達郎 山田 展久 池田 佳奈美 山根 慧己 竹村 圭祐 堀田 祐馬 世古口 悟 磯崎 豊 長尾 泰孝 小山田 裕一
出版者
一般財団法人 日本消化器病学会
雑誌
日本消化器病学会雑誌 (ISSN:04466586)
巻号頁・発行日
vol.117, no.1, pp.72-77, 2020-01-10 (Released:2020-01-15)
参考文献数
15

症例は76歳男性.粘血便を主訴に受診し,下部消化管内視鏡検査および便汁鏡検でアメーバ性大腸炎と診断した.メトロニダゾール静注開始24時間後より手袋靴下型の感覚低下が出現し,投与開始2日後からは足部の疼痛が出現した.同薬中止により徐々に症状は改善し3カ月後には消失した.長期間投与で発症するとされてきたメトロニダゾールによる末梢神経障害が投与開始後早期に発症したまれな症例であり,報告する.
著者
磯崎 豊 鈴木 建太朗 松山 竜三 松本 尚之 長尾 泰考 石川 剛 原田 明子 松本 貴弘 谷 知子 辰巳 嘉英 今本 栄子 安藤 貴志 小山田 裕一
出版者
一般社団法人 日本消化器内視鏡学会
雑誌
日本消化器内視鏡学会雑誌 (ISSN:03871207)
巻号頁・発行日
vol.51, no.8, pp.1707-1713, 2009 (Released:2012-07-26)
参考文献数
13

クラミジア直腸炎を3例経験した.全例無症状で,便潜血反応陽性の精査の際に直腸の均一な半球状小隆起の集簇像という特徴的な内視鏡所見と直腸擦過診のChlamydia trachomatis抗原検索によって診断された.治療としてazithromycin hydrateを投与した.クラミジア直腸炎は自覚症状の乏しい症例も多く,画像所見から本疾患を疑い,適切な検査で診断・治療することが必要である.