著者
和崎 春日 上田 冨士子 坂井 信三 田中 重好 松田 素二 阿久津 昌三 三島 禎子 鈴木 裕之 若林 チヒロ 佐々木 重洋 田渕 六郎 松本 尚之 望月 克哉
出版者
中部大学
雑誌
基盤研究(A)
巻号頁・発行日
2007

「グローバル化時代における中下層アフリカ人の地球的移動と協力ネットワーク」現代社会において、グローバライゼーションを生きるのは、北側社会や特別なアフリカ人富裕層だけではなく、「普通の」アフリカ人たちが、親族ネットワーク等を駆使して、地球を広く縦横に生き抜いている姿が、本共同研究から析出された。その事実を基礎にした外交上の政策立案が必用になってくることを、本共同研究は明らかにした。
著者
松本 尚之
出版者
日本文化人類学会
雑誌
日本文化人類学会研究大会発表要旨集
巻号頁・発行日
vol.2015, 2015

本発表では 、在日アフリカ人の間で2000年を前後して隆盛を極めた服飾ビジネスについて、特にナイジェリア出身者の事例を通して報告する。対象とするビジネスは、アメリカのポピュラー文化(ヒップホップ)の流行を背景として生まれたもので、彼らが携わるエスニック・ビジネスのなかでも日本人を対象とした点に特徴がある。服飾ビジネスの概要と変遷を論じ、ポピュラー文化のグローカル化と移民の関係について考察を行いたい。
著者
森川 康之 四井 資隆 松本 尚之
出版者
大阪歯科学会
雑誌
歯科医学 (ISSN:00306150)
巻号頁・発行日
vol.71, no.1, pp.35-48, 2008-03-25
被引用文献数
1

歯列矯正装置が磁気共鳴画像装置(以下,MRIと略す)に及ぼす影響について,多岐の材料の組み合わせを実験的に検討した.試料および方法として,プラスチック製歯列模型にブラケット3種類(スチール,セラミック,レジン)とワイヤー4種類(スチール, NiTi,ヒートアクチベートNiTi,ベータTi),リガチャー2種類(スチール,エラスチック)を組み合わせた装置を作製の上,1.5Tesla MRI装置を使用し,6種類の撮像シーケンス(以下,撮像法と略す)で撮像した.得られた画像で障害について,信号強度の変化と信号欠損の大きさ,信号欠損直近のひずみ,3次元構築像でのゆがみの計測を行い,以下の結果を得た.すべての部品がスチール製の矯正装置を装着した場合にGR-T2法で極端な信号強度の低下を示し,画像の表示が困難となった.同じ組み合わせで最大の信号欠損を形成し,磁場方向で160mm,左右方向で145mm,上下方向では137mmに達した.セラミック・ブラケットにスチール以外のワイヤ一をエラスチック・リガチャーで結紮した場合は障害像を発生しなかった.スチール・ブラケットを装着した場合,MRIのすべての撮像で磁場方向に100mm以上の信号欠損を形成し,特にSE-T1法で広範囲に影響した.信号欠損周囲では縮小傾向で0.62倍,膨張傾向で1.58倍のひずみを示し,影響は広範囲に及んだ.3次元像ではスチール・ブラケットを装着した場合には,他の材料に関わらずほぼ10mm以上のゆがみを示し,その最大値は13.7mmであった.スチール製歯列矯正装置を用いた場合に最大の金属障害が発生するのはスチールが常磁性体であり,磁場断面積が大きいためである.しかし,スチール・ブラケット単独の場合でも大きな金属障害を生み出し,ブラケット相互間の電気的短絡がない状態でも障害を生ずる.したがって,磁力線に対する影響は相乗効果かあるものと考えられる.MRI検査を用いる可能性のある歯科矯正治療患者には,スチール製矯正装置を避け,他の材料の装置作製が必要である.また,撮像法はFSE法やFGR法を用いるべきであると考えられる.
著者
川口 幸大 松本 尚之
出版者
日本文化人類学会
雑誌
日本文化人類学会研究大会発表要旨集 日本文化人類学会第54回研究大会 (ISSN:21897964)
巻号頁・発行日
pp.D18, 2020 (Released:2020-09-12)

アフリカ有数の都市ラゴスに暮らす中国系移住者と地元住民は、必ずしも互いに好印象を抱いているとは言い難いが、その関わりの端緒から双方の必要性は織り込み済みであった。よってそこでは、好むと好まざるとに関わらず両者の交わりを伴わざるをえず、手放しで称揚するほどの美談はないが、喧伝されているほど悲惨ではない、必要に迫られたやりとりが交わされている。
著者
前田 達郎 松本 尚之 須藤 昌吉 中原 良樹 上野 邦明 中山 英 森田 啓介 丹羽 雄紀
雑誌
第79回全国大会講演論文集
巻号頁・発行日
vol.2017, no.1, pp.523-524, 2017-03-16

電力システム改革に伴う計画値同時同量制度の導入により、発電事業者は30分毎のゲートクローズ(需給計画の提出締切)やインバランス回避のために、定期点検等の運用上の制約のほか、気温等環境要因による発電能力の補正、燃料ガス導管の流量や燃料在庫管理等の複雑な制約も加味した緻密な発電計画を迅速に作成する必要がある。これらの制約のもとで、最大100台の発電機群の運転状態を決める大規模な最適化計算を、ヒューリスティック計算およびソルバー計算を併用することで、実用的な時間で解くことのできるハイブリッド最適化手法を東京電力フュエル&パワー株式会社と共同開発したので報告する。
著者
森川 康之 四井 資隆 松本 尚之
出版者
大阪歯科学会
雑誌
歯科医学 (ISSN:00306150)
巻号頁・発行日
vol.71, no.1, pp.35-48, 2008-03-25 (Released:2017-05-29)
参考文献数
12
被引用文献数
1

歯列矯正装置が磁気共鳴画像装置(以下,MRIと略す)に及ぼす影響について,多岐の材料の組み合わせを実験的に検討した.試料および方法として,プラスチック製歯列模型にブラケット3種類(スチール,セラミック,レジン)とワイヤー4種類(スチール, NiTi,ヒートアクチベートNiTi,ベータTi),リガチャー2種類(スチール,エラスチック)を組み合わせた装置を作製の上,1.5Tesla MRI装置を使用し,6種類の撮像シーケンス(以下,撮像法と略す)で撮像した.得られた画像で障害について,信号強度の変化と信号欠損の大きさ,信号欠損直近のひずみ,3次元構築像でのゆがみの計測を行い,以下の結果を得た.すべての部品がスチール製の矯正装置を装着した場合にGR-T2法で極端な信号強度の低下を示し,画像の表示が困難となった.同じ組み合わせで最大の信号欠損を形成し,磁場方向で160mm,左右方向で145mm,上下方向では137mmに達した.セラミック・ブラケットにスチール以外のワイヤ一をエラスチック・リガチャーで結紮した場合は障害像を発生しなかった.スチール・ブラケットを装着した場合,MRIのすべての撮像で磁場方向に100mm以上の信号欠損を形成し,特にSE-T1法で広範囲に影響した.信号欠損周囲では縮小傾向で0.62倍,膨張傾向で1.58倍のひずみを示し,影響は広範囲に及んだ.3次元像ではスチール・ブラケットを装着した場合には,他の材料に関わらずほぼ10mm以上のゆがみを示し,その最大値は13.7mmであった.スチール製歯列矯正装置を用いた場合に最大の金属障害が発生するのはスチールが常磁性体であり,磁場断面積が大きいためである.しかし,スチール・ブラケット単独の場合でも大きな金属障害を生み出し,ブラケット相互間の電気的短絡がない状態でも障害を生ずる.したがって,磁力線に対する影響は相乗効果かあるものと考えられる.MRI検査を用いる可能性のある歯科矯正治療患者には,スチール製矯正装置を避け,他の材料の装置作製が必要である.また,撮像法はFSE法やFGR法を用いるべきであると考えられる.
著者
松本 尚之
出版者
日本文化人類学会
雑誌
日本文化人類学会研究大会発表要旨集 日本文化人類学会第49回研究大会 (ISSN:21897964)
巻号頁・発行日
pp.F08, 2015 (Released:2015-05-13)

本発表では 、在日アフリカ人の間で2000年を前後して隆盛を極めた服飾ビジネスについて、特にナイジェリア出身者の事例を通して報告する。対象とするビジネスは、アメリカのポピュラー文化(ヒップホップ)の流行を背景として生まれたもので、彼らが携わるエスニック・ビジネスのなかでも日本人を対象とした点に特徴がある。服飾ビジネスの概要と変遷を論じ、ポピュラー文化のグローカル化と移民の関係について考察を行いたい。
著者
松本 尚之
出版者
日本アフリカ学会
雑誌
アフリカ研究 (ISSN:00654140)
巻号頁・発行日
vol.2014, no.85, pp.1-12, 2014-12-31 (Released:2015-02-06)
参考文献数
30
被引用文献数
1

本論文では,在日ナイジェリア人のライフストーリーを,特に来日から現在に至る就業の変遷に注目しながら詳述する。特に,在日ナイジェリア人のなかでも多数派であるイボ人を事例とし,彼らの経済活動の多角化,トランスナショナル化の傾向を明らかにする。それによって,日本に暮らすアフリカ系移民の定住化とトランスナショナルな移動の関係性について論じたい。来日したイボ人たちの多くが,工場や建設現場で働く非正規労働者として日本での就業を開始する。しかし,「出稼ぎ外国人労働者」としての生活は,ナイジェリアから日本にやってきた移民たちの一面を表すに過ぎない。本論で取り上げるどの事例からも,在日イボ人たちの就業が一種に集約することなく,複数業種を跨いで多角化していく傾向が見て取れる。さらに,就業の多角化は,日本国内だけでなく複数のローカリティにまたがってトランスナショナルに展開していく。本論文では,経済活動の多角化,トランスナショナル化の傾向が,在日イボ人たちの滞在期間の長期化,高齢化と結びついた現象であることを論じる。それによって,日本人配偶者との結婚や永住権の取得といった,一見すると「定住化」ともとれる現象が,トランスナショナルな移動を促す契機となっていることを明らかにしたい。
著者
松本 尚之
出版者
Japan Association for African Studies
雑誌
アフリカ研究 (ISSN:00654140)
巻号頁・発行日
vol.2014, no.85, pp.1-12, 2014
被引用文献数
1

本論文では,在日ナイジェリア人のライフストーリーを,特に来日から現在に至る就業の変遷に注目しながら詳述する。特に,在日ナイジェリア人のなかでも多数派であるイボ人を事例とし,彼らの経済活動の多角化,トランスナショナル化の傾向を明らかにする。それによって,日本に暮らすアフリカ系移民の定住化とトランスナショナルな移動の関係性について論じたい。<br>来日したイボ人たちの多くが,工場や建設現場で働く非正規労働者として日本での就業を開始する。しかし,「出稼ぎ外国人労働者」としての生活は,ナイジェリアから日本にやってきた移民たちの一面を表すに過ぎない。本論で取り上げるどの事例からも,在日イボ人たちの就業が一種に集約することなく,複数業種を跨いで多角化していく傾向が見て取れる。さらに,就業の多角化は,日本国内だけでなく複数のローカリティにまたがってトランスナショナルに展開していく。本論文では,経済活動の多角化,トランスナショナル化の傾向が,在日イボ人たちの滞在期間の長期化,高齢化と結びついた現象であることを論じる。それによって,日本人配偶者との結婚や永住権の取得といった,一見すると「定住化」ともとれる現象が,トランスナショナルな移動を促す契機となっていることを明らかにしたい。
著者
磯崎 豊 鈴木 建太朗 松山 竜三 松本 尚之 長尾 泰考 石川 剛 原田 明子 松本 貴弘 谷 知子 辰巳 嘉英 今本 栄子 安藤 貴志 小山田 裕一
出版者
一般社団法人 日本消化器内視鏡学会
雑誌
日本消化器内視鏡学会雑誌 (ISSN:03871207)
巻号頁・発行日
vol.51, no.8, pp.1707-1713, 2009 (Released:2012-07-26)
参考文献数
13

クラミジア直腸炎を3例経験した.全例無症状で,便潜血反応陽性の精査の際に直腸の均一な半球状小隆起の集簇像という特徴的な内視鏡所見と直腸擦過診のChlamydia trachomatis抗原検索によって診断された.治療としてazithromycin hydrateを投与した.クラミジア直腸炎は自覚症状の乏しい症例も多く,画像所見から本疾患を疑い,適切な検査で診断・治療することが必要である.
著者
松本 尚之 山本 靖人 西田 迪雄
出版者
一般社団法人日本機械学会
雑誌
日本機械学會論文集. B編 (ISSN:03875016)
巻号頁・発行日
vol.62, no.600, pp.3058-3063, 1996-08-25

This paper describes numerical results of a thermal and chemical nonequilibrium plume of high-temperature air. The gas is expanded from an orifice into low-density stationary air as a free jet. The gas considered here is high-temperature air composed of N_2, O_2, N, O, NO, NO^+and e^-, and translational-rotational and vibrational-electron temperatures are treated in a two-temperature model. In addition to this model, a six-temperature model using a multi-vibrational temperature model is adopted. The governing equations for computation are axisymmetric Navier-Stokes equations coupled with species vibrational energy, electron energy and species mass conservation equations. The equations have been numerically solved using the second-order upwind TVD scheme of the Harten-Yee type.
著者
松本 尚之
出版者
横浜国立大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2014-04-01

本研究では、民政移管後のナイジェリアを事例とし、アフリカにおける民主主義の実践について、政治人類学の視点から考察した。特に、民族・宗教・地域対立を乗り越え政治参加の平等性を保証する方策として、同国において重要視されている「輪番制」と「均等配分制」という2つの政治慣習について、フィールドワークに基づく分析を行った。連邦政治から地方政治に至るまで、2つの政治慣習の実際の運用を調査するとともに、それら運用に対する人々の解釈・言説を収集した。それによって、国民の融和を目的とした政治慣習の可能性と問題点を分析し、「輪番制」と「均等配分制」が政治的競合における秩序産出に果たす役割について論じた。
著者
松本 尚之
出版者
横浜国立大学
雑誌
若手研究(B)
巻号頁・発行日
2010-04-01

本研究では、民政移管から10年目を迎えたナイジェリアにおいて、諸民族の伝統的権威者(王や首長)が国家行政のなかで持つ役割や影響力について調査研究を行った。特に三大民族の一つであるイボ人を事例とし、小規模地域集団を単位として選ばれる王(エゼ)が、地方集団を越えて行使する影響力を考察した。調査では、州政府や地方政府が、各集団の王制に対して与える影響力を把握するとともに、各政府が組織する伝統的権威者の助言会議の実態について把握することを目指した。それによって、今日のナイジェリアにおいて伝統的権威者が果たす媒介者としての役割を明らかにし、アフリカにおいて王位や首長位が持つ現代的な意味を考察した。
著者
和崎 春日 松田 素二 鈴木 裕之 佐々木 重洋 田渕 六郎 松本 尚之 上田 冨士子 三島 禎子 若林 チヒロ 田中 重好 嶋田 義仁
出版者
名古屋大学
雑誌
基盤研究(A)
巻号頁・発行日
2004

科研共同研究の最終年度にあたり、報告書に向けての総括的なまとめ討論をおこなった。とくに、日本における第1位人口をしめるナイジェリア人と第2位人口のガーナ人の生活動態については、この分野の熟成した研究を共同討論のなかから育てることができた。日本への来住ガーナ人のアフリカ-日本-アフリカという、今まであまり報告されていない新しい移民動態の理論化(若林ちひろ)や、日本に来住したナイジェリア人の大企業従業員になろうとするのではない、起業活動に向かう個人的・野心的なアントルプルヌーシップについての新規な理論化(川田薫)と、まったく情報のなかった、その日本における協力扶助と文化維持のアソシエーション活動の詳細な記述報告(松本尚之)、さらには、アフリカ-日本-アメリカという地球規模のネットワーク形成がナイジェリア人によってなされている動態を、アフリカ移民論のまったく新しい指摘として提示しえた。また、アフリカ人の芸能活動についても、ギニア、マリ、セネガルといった西アフリカ・グリオ音楽文化の「本場」とされる地域からの日本への来住アフリカ人の活動調査と、そのアフリカの母村での活動状況の調査の両方を行い、それをめぐる、やはり新規性に富む、日本ーアフリカ間の何層からもなる往来活動を抽出し、指摘・一般化することができた(鈴木裕之、菅野淑)。こうしたポジティブな活動側面のほかに、ネガティブなHIVをはじめとする病気の実情とそれにむけるホスト社会側からの協力の可能性についても重要な研究糸口を提案している(若林ちひろ)。1年後に『来住アフリカ人の相互扶助と日本人との共生に関する都市人類学的研究』と題して報告書を出版し、この共同研究の成果と今後の継続的発展について、アフリカ学会における集中発表でも熱い期待と高い評価を得た(2008年5月於・龍谷大学)。