- 著者
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宮崎 龍二
石原 茂和
原田 耕一
- 出版者
- 一般社団法人電子情報通信学会
- 雑誌
- 電子情報通信学会論文誌. A, 基礎・境界 (ISSN:09135707)
- 巻号頁・発行日
- vol.93, no.3, pp.190-203, 2010-03-01
本論文では,形態測定学による形状分析のための標識点データを,三次元デジタイザで取得した形状データから自動的に作成する方法を提案する.標識点は対象間で相同と思われる場所に位置する必要があるが,標識点位置の相同性に関しては,完全に先見的に設定できるものではなく,対象に関する事前情報が必要であるため,自動的に標識点データを作成することは困難であり,従来では手動で標識点座標を取得していた.しかし,対象が三次元形状の場合は,必要な点数が多く,また対象間の相同な位置を目視で見つけることも困難な場合がある.本提案法では,車体形状が前・後面,上・底面,左右面の六面体に近い形状をしていることに注目し,計測データから作成されたメッシュモデルを対象間で対応する領域に分割し,分割された対応領域ごとに対応点を計算することで,車体形状を構成する面に関して相同と思われる位置に対応点が配置された標識点データを作成する.本提案法により作成された標識点は車体形状の形状特徴に基づいたものであるため,視覚的な感性評価を行うための形状分析に適している.