著者
司 隆 佐藤 雅明 伊藤 昌毅 厳 網林
雑誌
研究報告高度交通システムとスマートコミュニティ(ITS) (ISSN:21888965)
巻号頁・発行日
vol.2017-ITS-71, no.18, pp.1-8, 2017-11-08

大学キャンパスへのバスが混雑している地域の分布とその対策について,11 の大学キャンパスにおいて調査した.都市郊外型の大学キャンパスにおいてバス待ちができるキャンパスが点在し,各々列を整備する人を配置して対応するキャンパスが相当数存在した.またバスの時刻表を調べるアプリケーションが実装されている大学も多かったが,バス待ち列に対応するアプリケーションはあまり製作されていない状況であることがわかった.
著者
金森 貴洋 厳 網林
出版者
公益社団法人 土木学会
雑誌
土木学会論文集D3(土木計画学) (ISSN:21856540)
巻号頁・発行日
vol.74, no.4, pp.261-274, 2018 (Released:2018-10-20)
参考文献数
29
被引用文献数
2

東日本大震災から6年が経過し,津波被災地では集団移転が完了しつつある.究極的な津波予防対策である集団移転によって安全性が確保される一方で,高齢者住民の生活は大きく変容することが予想される.本稿では,人口減少・高齢化が進む中で行われた地形起伏の大きい地域における集団移転が高齢者住民の徒歩による生活にどのような影響を与え得るのかを明らかにした.具体的には傾斜・身体機能による影響を反映した歩行負荷量を算出し,各集団移転団地から最寄りの生活施設までの徒歩アクセシビリティ評価を行った.分析の結果,気仙沼市において全96団地中6割が公共交通の徒歩圏外にあり,15団地は全ての生活施設まで徒歩で到達することが困難であることが明らかになった.また,標高が高い団地は徒歩アクセシビリティが悪化する傾向がみられた.
著者
稲葉 佳之 厳 網林
出版者
公益社団法人 日本都市計画学会
雑誌
都市計画論文集 (ISSN:09160647)
巻号頁・発行日
vol.44.3, pp.55-60, 2009-10-25 (Released:2017-01-01)
参考文献数
10

本研究は、都市近郊地域における農地利用の粗放化、つまり耕作放棄や駐車場・置場等への転用の発生について、20年間・5時期の時系列的変遷とそこから生じる空間パターンを解明することを目的とする。対象地域は神奈川県藤沢市西北部の市街化調整区域およそ737haとし、1/2500スケールで粗放地6種類、農地2種類、都市的土地利用2種類の土地利用図をGISで作成し、土地利用政策、農業政策、空間条件指標との関連を考察した。結果、20年間で全転換面積中の粗放地のシェアが拡大していること、粗放地を経由した都市的土地利用への転換が大きく減少し、粗放地が土地利用転換過程の一時的な利用形態ではなくなっている可能性があること、また、農用地区域、圃場整備などの農業政策は一部を除いて粗放地の発生を十分に抑制しない可能性があることが明らかとなった。