著者
佐藤 雅明
出版者
プロジェクトマネジメント学会
雑誌
プロジェクトマネジメント学会研究発表大会予稿集
巻号頁・発行日
vol.2009, pp.371-373, 2009-03-10

江戸時代に加賀藩は190回も参勤交代のため金沢と江戸の間を往復した.参勤交代道中は正に近世のプロジェクトといえる.道中経路には様々なリスクが潜在し,計画した旅程を困難にする.特に親不知の海岸路と大きな河川の通過は安全の確保と到着期日に影響を与える.参勤交代のプロジェクトチームは計画を予定通り遂行するため,堅実なリスク・マネジメントを実行していたことが判明した.本稿ではリスク・マネジメントの実態を報告する.
著者
佐藤 雅明 繁富利恵 上田 憲道 党聡維 植原 啓介 砂原 秀樹 村井 純
出版者
情報処理学会
雑誌
情報処理学会論文誌 (ISSN:18827764)
巻号頁・発行日
vol.50, no.1, pp.144-158, 2009-01-15
被引用文献数
1

車両の持つ情報を集約し,統計的処理を施すことで交通情報等の生成を行うプローブ情報システムでは,収集される情報に車両が情報を取得した際の位置と時間が含まれる.情報発信者のプライバシ保護の観点では,情報は車両を識別することができない匿名で,かつ発信される情報に依存関係がない状態で収集されることが望ましい.しかし,匿名環境では,プローブ情報システムは悪意ある情報発信者による虚偽情報の大量発信を排除できない.また,旅行時間等の連続したデータを必要とするプローブ情報の生成ができない.本論文では,プライバシを考慮したプローブ情報システムの構築のための匿名認証方式の提案を行った.本方式を用いることにより,情報収集者は,情報発信者の匿名性を担保したうえで,連続したプローブ情報の収集が可能となる.また,提案した方式の動作を検証するために,匿名認証システム,およびプローブ車両シミュレータとプローブ収集センタの設計と実装を行った.この環境で評価実験を行った結果,提案方式によってプライバシを考慮したプローブ情報システムの構築が可能であることが分かった.In the current Probe Vehicle Information system, collected information includes the position and the time when the vehicle obtained the information. In order to protect the privacy, a vehicle should not be identified by the collected information. For the information collector, it is better to eliminate the possibility of the attacks to the system using the information such as identity thief or fallaciousness by malicious third party. In order to generate high quality service, continuous information such as the travel time on a road is required. In this paper, we proposed the anonymous authentication system for developing the probe vehicle information system considering the privacy. By utilizing the proposed system, probe information can be collected continuously while keeping the anonymity of the information sender. The proposed system was designed and developed in order to verify the feasibility of the proposed system using probe vehicle simulator. The verification proved that the proposed system considering the privacy can be deployed.
著者
司 隆 佐藤 雅明 伊藤 昌毅 厳 網林
雑誌
研究報告高度交通システムとスマートコミュニティ(ITS) (ISSN:21888965)
巻号頁・発行日
vol.2017-ITS-71, no.18, pp.1-8, 2017-11-08

大学キャンパスへのバスが混雑している地域の分布とその対策について,11 の大学キャンパスにおいて調査した.都市郊外型の大学キャンパスにおいてバス待ちができるキャンパスが点在し,各々列を整備する人を配置して対応するキャンパスが相当数存在した.またバスの時刻表を調べるアプリケーションが実装されている大学も多かったが,バス待ち列に対応するアプリケーションはあまり製作されていない状況であることがわかった.
著者
酒井 保良 吉田 正勝 難波 大二 佐藤雅明 森 隆彦
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
情報処理学会論文誌 (ISSN:18827764)
巻号頁・発行日
vol.24, no.5, pp.711-718, 1983-09-15

コンピュータハードウェアの信頼度の向上 障害診断時に必要となる保守知識の増大と多様化等に伴い 保守戦力の集中化と広域保守の必要性が高まってきている.本論文では 保守上の問題点を解決するためのハードウェア遠隔保守方式に関し 遠隔保守システム構成法 リモートアクセス機構 障害現象から過去の障害事例を検索する障害情報集中化機構について提案する.また 試作した遠隔保守システムを用いた実験結果から 障害の95%に対して不良個所を部品取替え単位のレベルで遠隔から指摘可能であることを示している.
著者
佐藤 雅明 石田 剛朗 堀口 良太 清水 克正 春田 仁 和田 光示 植原 啓介 村井 純
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
情報処理学会論文誌 (ISSN:18827764)
巻号頁・発行日
vol.49, no.1, pp.253-264, 2008-01-15
参考文献数
11
被引用文献数
3

センタレスプローブ情報システムは,車車間通信と車両自体の移動によってプローブ情報の生成と伝達を行う.車両の存在する周辺の道路交通情報や,安全に関する情報等の即時性が求められる情報等に有効であると考えられている.本論文では,センタレスプローブ情報システムの有用性を活用する手法として,センタレスプローブ通信基盤を利用する渋滞に関する道路交通情報生成アルゴリズムの提案を行った.また,提案した道路交通情報生成アルゴリズムとセンタレスプローブ通信基盤を,実車両で動作する車載システムとして設計と実装を行い,テストコース内で5 台の車両を用いた実証実験を行った.この実験で,実装した車載システムによるプローブ情報の生成と統合が可能であることが分かった.さらに,実車環境においてセンタレスプローブ情報システムが有効に動作することが確認された.Decentralized Probe Vehicle System transmits information by the communication between vehicles, and movement of vehicles. Decentralized Probe Vehicle System is effective in the sensor data depending on a geography position, and the sensor data contributed safely which needs a real-time processing. In this paper, road traffic information generation algorithm was proposed. The design and implementation about algorithm and communication platform for Decentralized Probe Vehicle System was performed. Then, field test was conducted by five vehicles in the test course. As a result, it turned out that generation and integration of probe information are possible using implementation system. Further, it was checked that a system operates effectively in real vehicle environment.
著者
澤田 暖 佐藤 雅明 植原 啓介 村井 純
出版者
情報処理学会
雑誌
研究報告高度交通システム(ITS) (ISSN:21862583)
巻号頁・発行日
vol.2011, no.9, pp.1-8, 2011-03-02

本稿では,車載が容易なスマートフォンを用いて構築された,車両間アドホックネットワークにおいて,位置情報に即した情報の流布を行うプラットフォームである 「iDANS」 を構築した.iDANS は特定エリア内の車両同士で,迅速かつ多くの情報を共有することを目的としている.目的を達成するために,iDANS は走行中の場所に応じて,最も流布すべき情報を優先的に流布する機構を備えている.また,位置情報を正確に取得出来ない端末を中継ノードとして有効利用することも可能としている.iPhone を用いた iDANS の実機動作検証とシミュレーションによる効果測定の結果,iDANS は特定エリア内の車両間で多くの情報を迅速に流布する上で有効であることを確認できた.In this paper, iDANS, which is a location based information dissemination platform for smartphones in vehiclar ad-hoc networks (VANETs), is proposed and evaluated. The primary objective of iDANS is to disseminate and share information swiftly between vehicles within a designated area. In order to meet the demands, iDANS disseminates the information most relevant to the current location on a priority basis. It also makes use of devices which can't acquire the current location accurately as relay nodes. As a result of operation tests and simulations, iDANS was verified that it is effective in disseminating information swiftly among vehicles within a designated area.
著者
植原 啓介 湧川隆次 佐藤 雅明 渡辺 恭人 砂原 秀樹 寺岡 文男 村井 純
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
情報処理学会論文誌 (ISSN:18827764)
巻号頁・発行日
vol.42, no.2, pp.286-296, 2001-02-15
被引用文献数
6

現在の自動車の情報システムは,サービスごとにセンタシステムや通信基盤を含んだ独立したシステムとして構築されており,新たなサービスを始めるためのコストが高い.そこで我々は,安価にサービスを実現するための基盤として,通信部分をサービスから分離したインターネット自動車システムを提案している.本稿では,インターネットを利用した自動車用通信システムを設計・実装した.このシステムは,高速移動する自動車に安定したInternet Protocol(IP)通信環境を提供するため,インタフェース切替え等の新技術を導入している.車載コンピュータのハードウェアおよびインターネット自動車システムを基盤としたアプリケーションソフトウェアを開発し,実走行環境での実験を行った.実験では,複数の無線通信媒体が切り替わる環境において,連続的に安定したIP通信機能が実現できることが分かった.この結果,今回構築したシステムが自動車の情報化に十分利用できることが検証された.In current information systems for automobiles, each service is an independent system including its own communication system.For this reason it is costly to start a new service.In this paper, to realize an afordable service, we propose a new information system called InternetCAR.In this system the communication system and the service has been seperated.This paper describes the design and implementation of a automobilar communication system which utilized the Internet.The system makes use of interface switching and other new technologies to provide stable IP connectivity for automobiles moving at high speeds.On-board hardware and application software based on the InternetCAR system have been implemented and evaluated in an actual situation environment on board a moving car.The experiments proved that it was possible to provide stable IP connectivity in an environment where different wireless communication mediums are constantly being switched.As a result,it can be said that this system has the ability to safely and reliably connect automobiles to the Internet.