著者
井庭 崇 古川園 智樹
出版者
国立研究開発法人 科学技術振興機構
雑誌
情報管理 (ISSN:00217298)
巻号頁・発行日
vol.55, no.12, pp.865-873, 2013-03-01 (Released:2013-03-01)
参考文献数
21
被引用文献数
1 8

これまでの消費社会からコミュニケーション社会(狭義の情報社会),そしてこれから到来すると考えられる「創造社会」への移行とともに,創造活動を支援する「クリエイティブ・メディア」の重要性が増してくる。本稿では,クリエイティブ・メディアの1つとして,デザインにおける経験則を記述する「パターン・ランゲージ」を取り上げ,その可能性を考察する。もともと建築デザインのために考案され,後にソフトウェア・デザインに応用された方法を,人間活動のデザインに応用した事例として,ラーニング・パターン,プレゼンテーション・パターン,コラボレーション・パターンを紹介する。また,それらの人間活動のパターン・ランゲージを,パターン・ランゲージの進化における第3の波ととらえて「パターン・ランゲージ 3.0」と名づけ,その特徴をデザインの対象,デザインの特徴,ランゲージの使い方の観点から比較・検討する。
著者
古川園 智樹 井庭 崇
雑誌
研究報告数理モデル化と問題解決(MPS)
巻号頁・発行日
vol.2013, no.20, pp.1-6, 2013-02-20

国家をネットワークのノード,同盟をネットワークのエッジとして捉えると,国際政治システムをネットワークとして分析することができる.我々は,この同盟ネットワークを,"the World Alliance Web (WAW)" と呼ぶことにする.本論文の目的は,WAW のトポロジー特性とその変化を分析することで,国際政治システムの特徴を明らかにすることにある.本論文では,1816 年から2000 年までのデータを一日毎に分析する.その結果,WAW は冷戦開始を境にノードとエッジが急激に増加し,米国を中心とするネットワークとソ連を中心とするネットワークが出現していることが明らかになった.また,それぞれのネットワークのトポロジー特性の変化から,米国とソ連の安全保障戦略が明らかになった.By defining nations as nodes, and alliances as edges, it becomes possible to look at international political system as undirected networks, which we call "the World Alliance Web (WAW)". In this paper, we explore the characteristics of international political system by analyzing topological properties of WAW. We analyze day-to-day data of alliances from 1816 to 2000. The results show that the number of nodes and edges rapidly increased after the beginning of the Cold War and a conneced component with USA as center and a connected component with USSR as center have emerged. In addition, we can observe security strategies of USA and USSR from topological properties of WAW.
著者
古川園 智樹 石元 龍太郎 小林 慶太 笠井 賢紀 赤松 正教 井庭 崇
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
情報処理学会研究報告知能と複雑系(ICS) (ISSN:09196072)
巻号頁・発行日
vol.2004, no.85, pp.99-106, 2004-08-05
被引用文献数
1

本論文の目的は、成長するネットワーク上で社会・経済シミュレーションを行う ための基盤を構築することである。まず、ネットワーク形成のシミュレー ションにマルチエージェント・モデルが有効であることを示した上で、成長す るネットワークにおける代表的な3つのモデルを再現する。再現するモデルは、「ランダム選択成長モデル」、「優先的選択成長モデル」、「適応度を付与した優先的選 択成長モデル」である。さらに、社会・経済シミュレーションへの拡張が容易 であることを示すために、成長するネットワーク上での情報伝播のシミュ レーションを行う。The purpose of this paper is to construct the basis of the social and economic simulation on evolving network. To achieve the purpose, we first suggest that multi-agent model is useful in simulating network formation and second replicate three typical models of evolving network.The models are ``random network model'' , ``scale-free network model'' and ``fitness network model''. Finally, we simulate ``information propagation model'' on evolving network and demonstrate that it is easy to expand multi-agent model on evolving network to social and economic simulation.
著者
古川園 智樹 井庭 崇
雑誌
情報処理学会研究報告数理モデル化と問題解決(MPS)
巻号頁・発行日
vol.2006, no.29(2006-MPS-058), pp.93-96, 2006-03-17

本稿は,1816 年から2000 年の間において,国家間の同盟のネットワークがどのように変化したのかを明らかにする.分析の結果,第2 次世界大戦以降の米国を中心とする同盟ネットワークは,スモールワールド・ネットワークであることが明らかになった.
著者
古川園 智樹 井庭 崇
雑誌
研究報告数理モデル化と問題解決(MPS)
巻号頁・発行日
vol.2013-MPS-92, no.21, pp.1-5, 2013-02-20

本論文の目的は,戦後日本の防衛政策を立案してきた防衛庁内の政策ネットワークを明らかにすることである.そのために,本論文では,1954 年から 2005 年までの防衛庁内の人事異動データを分析する.課をネットワークのノード,人事異動をネットワークのエッジとして捉えれば,人事異動は課同士のネットワークとして分析することができる.我々はこのネットワークを 「課ネットワーク」 と呼ぶ.この課ネットワークを分析した結果,このネットワークがスモールワールドネットワークであることも明らかになった.
著者
古川園 智樹 井庭 崇
雑誌
研究報告数理モデル化と問題解決(MPS)
巻号頁・発行日
vol.2013, no.21, pp.1-5, 2013-02-20

本論文の目的は,戦後日本の防衛政策を立案してきた防衛庁内の政策ネットワークを明らかにすることである.そのために,本論文では,1954 年から 2005 年までの防衛庁内の人事異動データを分析する.課をネットワークのノード,人事異動をネットワークのエッジとして捉えれば,人事異動は課同士のネットワークとして分析することができる.我々はこのネットワークを 「課ネットワーク」 と呼ぶ.この課ネットワークを分析した結果,このネットワークがスモールワールドネットワークであることも明らかになった.The main point in this paper is to clarify policy network in the Defence Agency, who have planed security policies of postwar Japan. To this end, we explore personnel changes in the Defence Agency from 1954 to 2005. By defining sections as nodes, and personnel changes as edges, it becomes possible to look at policy network as directed networks, which we call "the Section Network". In this paper, we explore the characteristics of the section network. The results show that By our analysis, it was made clear that the section network is a small-world network.