- 著者
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叶 少瑜
- 出版者
- 一般社団法人 社会情報学会
- 雑誌
- 社会情報学 (ISSN:21872775)
- 巻号頁・発行日
- vol.8, no.2, pp.111-124, 2019-12-31 (Released:2020-01-18)
- 参考文献数
- 28
人は誰もが自分を他人と比べる(社会的比較)心理があり,これは現実世界のみならず,オンラインコンミュニティにおいてもよく行われる。本研究は大学生のTwitter使用,それにおける社会的比較と友人関係満足度との間にどのような関係が存在するのか,またユーザの個人特性(自尊心と自己効力感)とどう関係するのかを明らかにすることを目的としたものである。そのために,関東地域の国立大学に在籍する学部生を対象に質問紙調査を実施し,177名の有効回答者を対象に分析した結果,以下のことを明らかにした。(1)自尊心と自己効力感の高い人は自分の友人関係により満足していたが,個人特性からTwitter使用への効果は見られなかった。(2)Twitter上で他人の投稿をよく閲覧したり,リツイートしたり,「いいね」を押したりする人が他者と多くの社会的比較を行い,その結果友人関係満足度が下がった。(3)フォローしている相手が「大学入学後の友人・知人」の場合のみ社会的比較をする傾向は見られたが,同様の結果は相手が「大学入学前の友人・知人」,「実際に会う大学の友人・知人」と「大学の中の親友」の場合には見られなかった。本研究の結果から,Twitterを頻用する大学生にとっては,Twitter上の投稿者特に大学入学後に知り合った友人・知人のうちそれほど親しくない人との社会的比較を控えることが円滑な友人関係を保つには有効である可能性が示された。