著者
吉本 龍司
出版者
国立研究開発法人 科学技術振興機構
雑誌
情報管理 (ISSN:00217298)
巻号頁・発行日
vol.55, no.2, pp.97-105, 2012 (Released:2012-05-01)
参考文献数
2
被引用文献数
1 1

図書館蔵書検索サイト「カーリル」は,無料で利用できるWebサービスである。全国の図書館が,Web-OPACにより提供する書籍の所蔵情報を,横断的に抽出し,整理・統合した上で,利便性の高いユーザーインターフェースにより利用者に提供している。カーリルは,楽しい本との出会いを提供し,図書館に足を運ぶきっかけをつくることをコンセプトに開発が進められた。サービス開始時は,主に公共図書館の利用者を対象としたサービスであったが,現在では,大学図書館や専門図書館への対応も進んでいる。本稿では,サービス立ち上げから開発に携わり,現在,エンジニアとしてカーリルの開発マネージャーを担当する筆者の立場から,カーリルの基本的な機能やコンセプト,サービス提供開始以降の進化と,今後の展開について紹介する。
著者
吉本 龍司
出版者
一般社団法人 情報科学技術協会
雑誌
情報の科学と技術 (ISSN:09133801)
巻号頁・発行日
vol.66, no.9, pp.452-456, 2016-09-01 (Released:2016-09-01)

筆者が参加する「ディープライブラリー・プロジェクト」は,専門図書館の横断検索サービス実現に向けて活動してきた。このプロジェクトのコンセプトについて,主に技術的な視点からまとめるとともに,今後の可能性についても提案する。また,近年,専門図書館のアウトリーチの必要性が高まっているが,ウェブサービスを活用したアウトリーチの手法についても,図書館蔵書検索サイト「カーリル」を運営する立場から考察する。
著者
吉本 龍司
出版者
一般社団法人 情報科学技術協会
雑誌
情報の科学と技術 (ISSN:09133801)
巻号頁・発行日
vol.71, no.4, pp.148-151, 2021-04-01 (Released:2021-04-01)

学術情報や図書館を取り巻く情報環境は,もはやインターネットとの接続が前提となり,組織内や図書館内に存在する情報のみならず,世界中の情報を扱うことが当然となった。学術情報流通システムにおいては,各組織が保有する情報資源を相互に共有する必要があるため,効率化の観点からも技術の標準化は欠かせない。本稿では,図書館の蔵書検索サイト「カーリル」を開発する筆者の経験から,ウェブサービスを中心として情報システムを開発する際に,標準化された技術を取り入れることのメリットとデメリット(注意するべき点)を整理する。また,いくつかの標準化技術を紹介しながら,インフォプロにとっての標準化を提案する。
著者
吉本 龍司
出版者
一般社団法人 情報科学技術協会
雑誌
情報の科学と技術 (ISSN:09133801)
巻号頁・発行日
vol.66, no.9, pp.452-456, 2016

<p>筆者が参加する「ディープライブラリー・プロジェクト」は,専門図書館の横断検索サービス実現に向けて活動してきた。このプロジェクトのコンセプトについて,主に技術的な視点からまとめるとともに,今後の可能性についても提案する。また,近年,専門図書館のアウトリーチの必要性が高まっているが,ウェブサービスを活用したアウトリーチの手法についても,図書館蔵書検索サイト「カーリル」を運営する立場から考察する。</p>
著者
森下 志子 森下 一樹 森田 正治 宮崎 至恵 甲斐 悟 中原 雅美 渡利 一生 松崎 秀隆 吉本 龍司 村上 茂雄 千住 秀明 高橋 精一郎
出版者
JAPANESE PHYSICAL THERAPY ASSOCIATION
雑誌
日本理学療法学術大会
巻号頁・発行日
vol.2004, pp.D1179-D1179, 2005

【はじめに】シャトルウォーキングテスト(SWT)は慢性呼吸不全患者(COPD)を対象に開発された運動負荷試験である。そのプロトコルは標準化されており,その結果から運動処方を具体的に行うことが可能であるという特徴がある。健常者に用いられる運動負荷試験として20mシャトルランニングテストがあるが,元来,スポーツ選手の全身持久力を評価するために開発されたため,最初のステージで,予測最大酸素摂取量が24.5 ml/kg/minと設定されており,運動負荷が大きいという問題点を抱えている。SWTはCOPDを対象に開発されたものであるため,プロトコルが緩やかであり,走行困難な者でも実施可能である。しかし,SWTでの運動負荷の予測式はCOPDを対象としたものであり,健常者には当てはまらない。そこで本研究では健常者を対象にSWT中の酸素摂取量を測定し,その結果から予測式を算出することを目的とした。<BR>【対象】長崎県I町在住で,町が主催する健康教室へ参加した整形外科的疾患のない25名を対象とした。年齢は26~78(平均54.17±17.76)歳,男性5名,女性20名であった。<BR>【方法】測定は,身長,体重,握力,SWT歩行距離および運動終了時の実測酸素摂取量(実測peakV(dot)O<SUB>2</SUB>)を実施した。SWTは標準プロトコルに従って測定し,酸素摂取量は携帯型呼気ガス分析装置(MetaMax2,CORTEX)を用い,ブレスバイブレス方式で記録した。呼気ガス分析より得られた実測peakV(dot)O<SUB>2</SUB>とSWT歩行距離の関係を検討するために単回帰分析を用いて予測式を作成した。<BR>【結果】実測peakV(dot)O<SUB>2</SUB>とSWT歩行距離との関係は,実測peakV(dot)O<SUB>2</SUB>=0.030×SWT歩行距離+7.397(R<SUP>2</SUP>=0.841、p<0.01)となり,高い相関関係が認められた。実測peakV(dot)O<SUB>2</SUB>の予測式を作成する上で,年齢その他の要因の関与は認めなかった。SWTプロトコルにおいて,上記予測式を基にした各レベルの予測peakV(dot)O<SUB>2</SUB>は,レベル1では7.697~8.297ml/kg/min,レベル2では8.597~9.497 ml/kg/minとなり,最高レベルであるレベル12では34.097~37.997 ml/kg/minと算出された。<BR>【考察】上記予測式の結果をMETsに換算すると,レベル1~12は2.1METs~10.9METsとなる。これをトレッドミルでの運動負荷試験として広く利用されているBruceプロトコルと比較すると,最大のレベルは3~4段階程度に相当する。Bruceプロトコルは,運動強度の増加が段階ごとに2~3METsと比較的大きく,日常的にトレーニングを行っていないものでも3段階までは到達可能である。今回の結果により,SWTでの運動負荷は,日常的にトレーニングを行っていない健常者に対する最適な運動負荷量を設定できるものと考える。