著者
吉村 拓馬
出版者
人工知能学会
雑誌
2019年度 人工知能学会全国大会(第33回)
巻号頁・発行日
2019-04-08

本稿では,農作物の生育状況計測をドローンより上空から捉えた鳥瞰視点で行うことを目的とし,今後ドローンに搭載されるFPGAボードに物体検出モデルの1つであるSSDを導入した事例について報告する.FPGAの限られた計算資源で農作物の物体検出を実現するため,我々はSeparable Convolutionを採用し,さらに円形を検出枠とするCircle SSDを提案する.この結果,畳み込みニューラルネットワークのパラメータ数14770でF値0.67を記録し,非常に限られた計算資源でも畳み込みニューラルネットワークベースの物体検出モデルを採用した農作物の生育状況計測が実現できることを示す.
著者
吉村 拓馬 大西 紀子 惠良 美津子 松田 裕之 小橋川 晶子 広瀬 宏之 大六 一志
出版者
一般社団法人 日本LD学会
雑誌
LD研究 (ISSN:13465716)
巻号頁・発行日
vol.28, no.1, pp.144-153, 2019 (Released:2020-12-03)
参考文献数
34

【目的】療育手帳制度は知的障害児者に対する主要な施策の一つだが,全国で統一された制度ではなく,各自治体が規定・運用している。従来,制度自体の不備や自治体間の判定基準の違いは指摘されてきたが,判定に際して児童相談所で実施される知能検査や発達検査に言及した研究は皆無である。判定に関わる検査の扱いについて,各自治体の現状の把握を目的に調査を行った。【方法】全国の児童相談所を対象に質問紙調査を行い,60自治体161カ所から回答を得た。【結果】集計の結果,認められる検査の規定,実際に用いられる検査の割合,検査結果の説明,他機関での検査結果の活用等について,自治体間で大きく異なることが明らかとなった。【考察】手帳判定の指標としての検査が自治体によってさまざまに扱われていることは,制度の公平性や知能検査・発達検査の本来の役割という点で憂慮すべきことである。制度自体の抜本的な見直しが必要であると考えられる。