著者
井上 勝夫 福島 寛和 冨田 隆太 橋本 修 吉村 純一
出版者
日本大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2002

本研究は,集合住宅を対象として,以下に示す4項目について検討を行ったものである。(1)住宅購入予定者が住宅に要求する性能の調査(2)住宅広告に記載されている住宅性能項目と内容に関する調査(3)住宅販売に携わる営業担当者の住宅性能に関する知識及び説明方法に関する調査(4)消費者が理解し易い音環境性能(遮音性能)の表現方法に関する検討その結果,(1)については,1都3県の23物件,315人を対象とし、直接面接方式による調査を行なったところ,1位:音環境性能,2位:光環境性能,3位:耐震性能の結果を得,音環境性能に関する要求が最も高いことが判った。(2)については,732枚の集合住宅に関する広告を調査した結果,住宅性能に関する記載は全ての広告においてあるが,その記述方法・内容は定性的または建築仕様による表現が多く,性能を定量的かつ具体的に消費者が捕らえることができない状況にあることが判った。(3)については,マンション販売に携わる営業担当者の住宅性能に関する知識はかなり低く,消費者が彼らの説明によって性能を理解するのは難しい状況にあることが判った。よって,今後,営業担当者に対して住宅性能に関する徹底した教育を行う必要性を示した。(4)については,集合住宅の居住者に対し,遮音性能に関するアンケート調査結果(311票)から,遮音性能を消費者が理解しやすい生活実感として表現する方法・内容を検討し,その具体的内容を提案した。