著者
志賀 淑之 杉本 真樹 安部 光洋 錦見 礼央 米岡 祐輔 井上 泰 吉松 正 日下部 将史 亀山 周二
出版者
日本泌尿器内視鏡学会
雑誌
Japanese Journal of Endourology (ISSN:21861889)
巻号頁・発行日
vol.33, no.1, pp.138-144, 2020 (Released:2020-07-01)
参考文献数
15

【目的】複合現実 (MR), 拡張現実 (AR), 仮想現実 (VR) 技術は, 医療画像解析における不可欠な技術として空間認識を改善させる有用なツールである. この技術を応用して術前患者画像を3Dホログラム化して, 泌尿器科手術におけるナビゲーション手術と手術教育の可能性を検討した. 【対象と方法】ロボット腎部分切除術を対象とした. HMD方式のHoloLens (Microsoft社) を使用した. 【結果】これまでの手術に比べて, VRならびにMRは腎部分切除術における腫瘍切除時間の短縮と出血量の低減に寄与した. 術者は腫瘍や血管周囲を含めた臓器解剖の距離感を直感的に体感でき, 周辺臓器の空間認識が改善された. HoloLensは術者目線の録画もできるため, 手術教育にも役立った. 【結論】VRならびにMRは手術ナビゲーションだけでなく, シミュレーションや教育にも有用なツールである.
著者
荒 勝俊 吉松 正 小島 みゆき 川合 修次 大久保 一良
出版者
公益社団法人 日本食品科学工学会
雑誌
日本食品科学工学会誌 (ISSN:1341027X)
巻号頁・発行日
vol.49, no.6, pp.377-387, 2002-06-15 (Released:2010-01-20)
参考文献数
38
被引用文献数
1 3

(1) 日本の伝統的発酵食品である醤油から豆乳発酵食品の呈味性改善効果の高い乳酸菌としてS85-4株を見出した. (2) 豆乳の呈味性改善効果の高いS85-4株の同定を行ったところ,Streptococcus thermophilus又はStr.mitis近縁の株である事が判ったが,糖の分解性が若干異なる事から新規の乳酸菌としてStr. sp. S85-4株と命名した. (3) 各種乳酸菌(標準菌)を用いて豆乳発酵を行ったところ,Str. cremoris, Str. lactis, Str. diace. tilactisに改善効果を見出した. (4) 各種乳酸菌を用いて乳酸発酵を行い,得られた発酵液のHPLCによる分析を行ったところ,豆乳発酵において呈味性改善効果の高かった分離乳酸菌Str. sp. S 85-4株及び標準菌のStr. cremoris, Str. lactis, Str. diacetilactis共に大豆の不快味成分であるダイジン及びゲニスチンといった大豆イソフラボン類に変化は認められなかった.また,呈味性が改善されなかったLactobaeillus caseiなどの発酵液では,ダイジン及びゲニスチンが分解されてアグリコンであるダイゼイン及びゲニスティンに変化する事を見出した. (5) 分離乳酸菌Str. sp. S85-4株で製造した豆乳発酵食品をTLCで解析したところ,新たな糖の生成が認あられた.また新たな糖を含む画分を豆乳に加える事で大豆特有の収斂味が低減し,呈味性が大幅に改善する事が明らかとなった.