著者
谷川 尚哉
出版者
経済地理学会
雑誌
経済地理学年報 (ISSN:00045683)
巻号頁・発行日
vol.37, no.1, pp.84-101, 1991-03-31 (Released:2017-05-19)

1980年代は,地理教育にとって大きな変革の時代であった.50年代を第1期の社会科攻撃の時代とすれば,80年代はその第2期と位置付けられる.教科書攻撃として始まった教育の反動化は,議会における自民党の絶対多数という政治状況下で,強権的な政治力により,社会科解体として現出した.第13期中教審で端緒をつけ,続く臨教審路線において「国際化」を大義名分とし,一部の歴史学者の動きを取り込み,最後は教課審において,社会科は地歴科と公民科に分離解体されてしまった.1989年に告示された新学習指導要領による地歴科の地理教育の内容は,無理に地理の「専門性・独自性」を確立し人文科学の一分野として位置付けようとし,資源・産業学習という経済地理的内容を制限し,逆に国際化に対応するとして無批判に文化人類学的な生活・文化の内容を導入するなど問題が多い.今後も戦後の社会科の中の地理教育が築きあげてきた成果を継承してゆかねばならない.
著者
藤沼 康樹 長谷川 尚哉
出版者
一般社団法人 日本東洋医学系物理療法学会
雑誌
日本東洋医学系物理療法学会誌 (ISSN:21875316)
巻号頁・発行日
vol.45, no.2, pp.1-12, 2020 (Released:2021-06-28)
参考文献数
15

COVID-19 パンデミックにより非常事態宣言が発表され、地域の医療需給体制は変化をきたした と考えられるが、診療所の領域においても受療行動の変化を体験することとなった。Face to Face で受診するという役割から、感染症への対応にシフトし、その結果、軽症救急、健康問題に関連 したよろず相談のアクセシビリティも低下することとなった。鍼灸院においても同じような傾向 をとったと聞き及ぶが、この度は日本人の受療行動とケアのエコロジーから考えてみることにす る。病の意味へのアプローチとして FIFE、ライフ・ヒストリー、サルトジェネシスについての解 説を行い、家庭医の診察室に陪席する体験をしていただければと思う。その上で、これからの鍼 灸院を鍼灸学における診断治療技術以外に必要な事を想像する作業をディスカッションしてみた。

2 0 0 0 OA 核融合

著者
廣瀬 貴規 染谷 洋二 谷川 尚 鈴木 哲
出版者
一般社団法人 溶接学会
雑誌
溶接学会誌 (ISSN:00214787)
巻号頁・発行日
vol.83, no.1, pp.70-77, 2014 (Released:2015-12-16)
参考文献数
28
著者
畑瀬 理惠子 糸井 信人 長谷川 尚哉 林 正敏
出版者
一般社団法人 日本東洋医学系物理療法学会
雑誌
日本東洋医学系物理療法学会誌 (ISSN:21875316)
巻号頁・発行日
vol.45, no.2, pp.33-40, 2020 (Released:2021-06-28)
参考文献数
26

【目的】当院の妊娠 28 週以降の骨盤位矯正を目的とした鍼灸治療を含む施術介入が骨盤位矯正率 に与える要因として初・経産婦別、骨盤位診断妊娠週数、鍼灸治療初診時妊娠週数 ( 以下、初診時 妊娠週数 )、骨盤位診断妊娠週から鍼灸治療開始までの期間 ( 以下、治療開始期間 ) を検討し、さ らに産科の紹介の有無によってその要因に差があるか検討することを目的とした。 【方法】2009 年 2 月から 2010 年 12 月までの 23 ヶ月間において、当院で骨盤位矯正を目的に鍼灸 治療を含む施術介入を行った 188 例(年齢 32.2 ± 3.9 歳;範囲 22 ~ 45 歳 ) を調査対象とし、このデー タを解析・分析した。 【結果】平均治療回数は 1.5 ± 0.9 回 ( 範囲 1 ~ 6 回 )。骨盤位矯正率の年別内訳は 2009 年 80.6%( 施術総数は 72 例、骨盤位矯正数は 58 例 )、2010 年は 97.7%( 施術総数は 133 例、骨盤位矯 正数は 130 例 ) であった。骨盤位矯正率は解析全年において 91.7% となり、経時的に増加する傾 向にあった。また、病鍼連携の有無で比較したところ、病鍼連携あり矯正群では病鍼連携なし矯 正群に比べ、骨盤位診断妊娠週数 (p=0.001)、初診時妊娠週数 (p<0.001)、治療開始期間 (p<0.001) を有意に短縮させた。 【考察】骨盤位の矯正率に影響を与える要因は医師から骨盤位の矯正を目的とした鍼灸院の紹介が あることによって短縮され、骨盤位矯正率を高める可能性があると示唆される。そのためには病 産院と鍼灸院が密接な情報共有を行い、それを持続するための関係を構築することが重要である と考える。 【結語】医師による骨盤位矯正を目的とした鍼灸院への紹介により、骨盤位矯正率は経時的に増加 した。
著者
木村 妙子 木村 昭一 自見 直人 角井 敬知 冨岡 森理 大矢 佑基 松本 裕 田邊 優航 長谷川 尚弘 波々伯部 夏美 本間 理子 細田 悠史 藤本 心太 倉持 利明 藤田 敏彦 小川 晟人 小林 格 石田 吉明 田中 颯 大西 はるか 締次 美穂 吉川 晟弘 田中 正敦 櫛田 優花 前川 陽一 中村 亨 奥村 順哉 田中 香月 Kimura Taeko Kimura Shoichi Jimi Naoto Kakui Keiichi Tomioka Shinri Oya Yuki Matsumoto Yu Tanabe Yuki Hasegawa Naohiro Hookabe Natsumi Homma Riko Hosoda Yushi Fujimoto Shinta Kuramochi Toshiaki Fujita Toshihiko Ogawa Akito Kobayashi Itaru Ishida Yoshiaki Tanaka Hayate Onishi Haruka Shimetsugu Miho Yoshikawa Akihiro Tanaka Masaatsu Kushida Yuka Maekawa Yoichi Nakamura Toru Okumura Junya Tanaka Kazuki
出版者
三重大学大学院生物資源学研究科
雑誌
三重大学フィールド研究・技術年報 = Annals of Field Research and Technology Mie University (ISSN:13496824)
巻号頁・発行日
vol.16, pp.1-32, 2018-10

In this study, we had investigated the benthic deep-sea fauna using the dredge and beam trawl in the region from the continental shelf to the continental slope of the Sea of Kumano, Mie Prefecture, during the No.1722 research voyage of the training ship Seisui-Maru of Mie University. The survey was carried out at 16 stations covering a depth range of 113-1059 m. The results of the survey, 14 phyla had been confirmed. Arthropod, echinoderm, annelid and molluscan macrobenthos were collected from all of the stations. The phylum number of each station was in the range from 4 to 11. The largest number of phyla had been confi rmed at St.10D of boulders bottom(768-800 m depth). Meiobenthos confi rmed in our sample were kinorhynchs, nematodes, tardigrades, loriciferans and small arthropods such as tanaidaceans, copepods and cumaceans. In addition to free-living species, parasitic copepods, isopods, platyhelminthes, acanthocephalans and nematodes had been found in fish, crustaceans and polychaetes.
著者
木田 裕子 小林 康孝 坪田 桂 石川 ひとみ 田中 千弘 谷川 尚子 中谷 淳美 濱崎 祥子
出版者
新田塚医療福祉センター
雑誌
新田塚医療福祉センター雑誌 (ISSN:13492519)
巻号頁・発行日
vol.4, no.1, pp.23-27, 2007-07-31
被引用文献数
1

高齢者における口腔乾燥は、自浄作用の低下や粘膜の潤滑作用消失のために様々な悪影響を及ぼす。そのため口腔ケアでは、口腔内の保湿がきわめて重要となる。そこで今回、口腔ケアチームによる、口腔ケアラウンドと口腔乾燥に関する勉強会を実施し、その前後における入院患者の口腔乾燥状態を比較した。ラウンドでは乾燥患者の把握と対処方法の伝達により技術面へのフォローを行い、勉強会では口腔ケア時の対策方法、口腔乾燥用保湿・湿潤ジェルの正しい使用方法などの知識向上をはかった。その結果、舌の乾燥患者は約半数にまで減少し、それが舌苔の改善にもつながった。しかし、現在も口腔乾燥を認める患者は多く、ラウンドにおける問題点も挙がった。今後は、病棟の特色や個々の患者の態度にあわせた対処方法の検討とラウンドの実施方法の見直しが課題である。
著者
谷川 尚哉 相原 正義
出版者
公益社団法人 日本地理学会
雑誌
日本地理学会発表要旨集
巻号頁・発行日
vol.2005, pp.109, 2005

現在の千葉県柏市と我孫子市にかかる、利根川河川敷の地域は、田中遊水地と呼ばれている。第2次世界大戦後、この遊水地を農地化して食料難と外地からの引揚者の入植地に使用という計画ができた。1946年4月、北太平洋のパラオからの引揚者22戸が入植した。利根川の堤防工事に従事しながらの入植であった。おりからの、キャサリン、アイオン、キティなどの台風により、度重なる洪水との戦いの中での入植であった。パラオからの入植者で、現在も農業に従事しているのは10軒である。

1 0 0 0 OA 石油国策論集

著者
長谷川尚一 編
出版者
長谷川事務所
巻号頁・発行日
vol.追加, 1943
著者
長谷川 尚史
出版者
森林利用学会
雑誌
森林利用学会誌 (ISSN:13423134)
巻号頁・発行日
vol.15, no.2, pp.143-154, 2000-08-15
参考文献数
27
被引用文献数
3

林分の地位格差が林業経営の収益性に与える影響について分析した。スギ人工林林分収穫予想表から3水準の地位(上,中,下)および2水準の植栽密度(3,000本/ha,6,000本/ha)の計6通りの仮想林分において,収穫表に沿った施業を行った場合の収益性に関して試算を行った。80年生時点の「密植」における「地位上」と「地位下」の格差は,利用材積で3.18倍であった。収入間伐を実施できるまでの年数は「地位上」で26〜27年生時点であるのに対し,「地位下」ではすべて保育間伐となった。主伐後の総収支は「地位上」では45年生以降の主伐で黒字となったが,「地位下」では80年生時点でも赤字となった。また賃金単価を変動させて分析したところ,賃金単価が高くなるにしたがって地位の低い林分における収益性が急激に悪化した。伐出費と間伐および主伐収入が均等になる年数を比較した場合,賃金単価が2,000円/人・日程度であれば地位格差はほとんど見られないが,賃金が上昇するにつれて地位格差は非常に大きくなった。以上の結果から林分の地位格差は収益性に大きな影響を与えており,これらをゾーニングして管理する必要があると思われた。

1 0 0 0 OA 石油国策論

著者
長谷川尚一 著
出版者
大陽石油
巻号頁・発行日
1920