- 著者
-
杉本 真樹
- 出版者
- 帝京大学
- 雑誌
- 若手研究(B)
- 巻号頁・発行日
- 2006
膵胆道内に二酸化炭素CO_2投与下に陰性造影剤として利用したMulti detector-row CT(MDCT)による膵胆道造影CO_2 MDCT cholangio-pancreatography (CO_2MDCT-CP)を確立した.さらに仮想内視鏡および動静脈再構築をfusion(重ね合わせ)させ,術中診断,術式,病理診断と併せて検討し,画像診断と臨床病態の相関性を解析した。また消化器肝胆膵領域のビジュアリゼーションや手術シミュレーションを客観的に捉える撮影技術と解析ツールによるシステムを構築した.これにより消化器外科、特に肝胆膵領域の手術において,実質臓器と消化管、膵胆道と血管解剖を統合的に把握することができ,的確な診断治療とその教育に有用なソフトウェアを開発できる環境を整備した.これまで蓄積してきた症例のMDCTデータベースを元に,術前診断と行われた術式、実際の病理所見と術後経過、予後について解析し、CO_2MDCT-CPの3次元モニター診断解析能を向上させ,外科手術支援としての有効性を証明した.本年度はさらに術野重畳表示法を開発し,二酸化炭素造影MDCTによる手術支援の精度を向上させた.これらの成果は,国内外で多数の学会,講演にて発表した.また15th International Congress of the European Association for Endoscopic Surgery(第15回欧州内視鏡外科学会国際大会)EAES VIDEO AWARD(2007.7),The 8th World Congress of the International Hepato-Pancreato-Biliary Association(第8回国際肝胆膵学会国際大会)President plenary paper(2008.2),平成19年度帝京大学藤井儔子学術奨励賞(2008.3)を受賞した