著者
王 張嶠 石川 忠晴 吉田 圭介
出版者
公益社団法人 土木学会
雑誌
土木学会論文集B1(水工学) (ISSN:2185467X)
巻号頁・発行日
vol.68, no.1, pp.67-76, 2012 (Released:2012-04-20)
参考文献数
34

揚子江下流河道には洪水期に大量の土砂が供給され堆積が進行している.また河口潮位変動が大きく,洪水時においても流れが脈動するため,河床変動の機構は非常に複雑である.本研究では河道幅が拡大する江陰から下流の145kmの区間について洪水流の数値計算を行い,潮汐によって生じる非定常流況とそれが流砂特性にもたらす効果を考察した.その結果,潮汐の影響により澪では概ね澪軸に沿った脈動流が生じるが,砂州上では河道横断方向にも大きな偏差が生じ,このことが砂州地形と澪の蛇行を増幅するものと考えられた.揚子江下流河道の澪にはほぼ一定間隔(約22km)で深い区間が存在するが,これは干潮での順流ピーク時から満潮での澱み発生時までの浮遊砂移動距離に関連すると考えられた.
著者
佐藤 広志 吉田 圭介 山本 倫也 長松 隆 渡辺 富夫
出版者
情報処理学会
雑誌
情報処理学会論文誌 (ISSN:18827764)
巻号頁・発行日
vol.52, no.12, pp.3647-3658, 2011-12-15

近年,PCやPDAで,タッチパネルやペンタブレットなど,直感的に情報機器を操作できるユーザインタフェースが普及している.本研究では,液晶ペンタブレットを対象とする身体的インタラクション解析を行うために,視線計測装置と液晶ペンタブレットを組み合わせた「Eye-Tracking液晶ペンタブレット」を開発している.まず,身体的インタラクション解析のための課題を検討する.次に,ロバストな視線計測を実現するため,光源一体型カメラと光軸中心回転体モデルを導入した視線計測手法を開発している.そして,プロトタイプシステムの開発を行い,静止マーカに対して0.8°,移動マーカに対して1.6°の精度で計測可能であることを明らかにしている.最後に,インタラクションのタイミングの解析を行い,システムの有効性を示している.In recent times, intuitive user interfaces such as the touch panel and pen display have become widely used in PCs and PDAs. In this paper, the authors have developed the eye-tracking pen display which has both functions of an eye-tracker and a pen display for the purpose of analysis of embodied interaction. First, they discuss on the problems for the analysis of embodied interaction. Subsequently, a robust gaze estimation method that uses a integrated-light-source camera and aspherical model of the eye is proposed. Then, a prototype of the eye-tracking pen display was developed. The accuracy of the system was approximately 0.8 degrees for static target and 1.6 degrees for moving target. At last, the effectiveness of the system was demonstrated by performing analysis of interaction timing.