著者
加川 隆三郎 斎藤 徹 宮岡 哲郎 黒川 彰夫 有竹 賀子 吉川 宣輝 西庄 勇 岩田 辰吾 竹林 正孝
出版者
The Japan Society of Coloproctology
雑誌
日本大腸肛門病学会雑誌 (ISSN:00471801)
巻号頁・発行日
vol.51, no.7, pp.505-512, 1998 (Released:2009-06-05)
参考文献数
25
被引用文献数
9 2

ヒトパピローマウイルス(HPV)は,子宮頚癌をはじめ各種扁平上皮癌組織にそのDNAが検出され,HPV感染による発癌機構の解明が進みつつある,諸外国では肛門管,直腸の扁平上皮癌にHPV-DNAを確認した報告がみられるが,本邦ではほとんどない。今回,HPV-DNAの検出に最も感度が高く,また型の同定も可能なPCR法により,日本人の肛門管,大腸の扁平上皮癌発癌におけるHPVの関与を研究した,方法:肛門管扁平上皮癌18例,その他の肛門管癌5例および大腸扁平上皮癌3例のパラフィン包埋標本より得られた検体のDNAをPCR法にて増幅,制限酵素にて処理後,消化パターンにより型判定をおこないHPV6,11,16,18,31,33,42,52,58について検討した.また肛門管扁平上皮癌症例で,HPV,p53に対する免疫組織化学的検討を行った.結果:肛門管扁平上皮癌症例のうち3例からHPV16,1例からHPV6のDNAが検出され,HPVによる発癌が示唆された。免疫染色では扁平上皮癌細胞の核が染色され,癌細胞核内のHPVの存在,mutantp53の蓄積が示された.欧米の成績と比較してHPVの種類には差はないものの,検出頻度は低かった.しかし,日本人の性習慣の変貌にともない,肛門管の扁平上皮癌の感染実態の変化が予想された。
著者
斎藤 徹 白波瀨 龍一 砂川 裕亮 松下 祐也 髙橋 耕一 牧野 秀樹 山崎 裕 栂安 秀樹
出版者
一般社団法人 日本老年歯科医学会
雑誌
老年歯科医学 (ISSN:09143866)
巻号頁・発行日
vol.35, no.3, pp.233-239, 2020-12-31 (Released:2021-01-28)
参考文献数
15

当院の高齢者に対する歯科訪問診療を評価することを目的として,高齢者の歯科訪問診療症例と外来診療症例の年齢分布および歯科治療の内訳を比較した。当院が2011年1月~2019年12月の間に歯科訪問診療および外来診療を施行した新患症例はそれぞれ6,303例,10,014例であった。これらの症例中,65歳以上の高齢者の訪問診療および外来診療症例はそれぞれ5,753例(91.3%),1,806例(18.0%)であった。訪問診療では外来診療と比較して,歯周治療(60.7% vs 88.1%),義歯新製(28.0% vs 46.7%),抜歯(20.3% vs 45.6%),歯冠補綴(4.4% vs 50.6%),インレー修復(0.5% vs 17.4%),レジン・グラスアイオノマー充塡(21.9% vs 56.1%),抜髄(2.0% vs 18.9%)および感染根管処置(1.7% vs 20.5%)を行った症例の割合が有意(p<0.001)に低かった(歯科治療内容の重複症例あり)。他方,義歯調整・修理(32.5% vs 16.7%)および摂食機能療法(18.5% vs 2.0%)を施行した症例の割合は訪問診療では外来診療と比較して有意(p<0.001)に高かった。 高齢者に対する歯科訪問診療でも多様な歯科治療が行われており,外来診療と比較して義歯調整・修理および摂食機能療法を施行した症例の比率が高く,咀嚼や摂食嚥下機能に問題がある症例が多かった。しかし,その他の治療を行った症例の割合は歯科訪問診療では外来診療と比較して低かった。
著者
斎藤 徹 石井 芝恵 小池 早苗 小澤 照史 川田 陽子
出版者
一般社団法人 日本摂食嚥下リハビリテーション学会
雑誌
日本摂食嚥下リハビリテーション学会雑誌 (ISSN:13438441)
巻号頁・発行日
vol.18, no.3, pp.274-281, 2014-12-31 (Released:2020-04-30)
参考文献数
46

【目的】統合失調症の嚥下障害者における誤嚥発症の要因を解析することを目的とした.【対象と方法】対象症例は2009 年11 月から2014 年1 月の間に当院歯科口腔外科を受診した統合失調症の嚥下障害者225 例とし,後方視的研究を行った.対象症例は男性122 例,女性103 例であり,平均年齢は65.5 歳(標準偏差12.5 歳)であった.これらの症例における水の誤嚥の有無を嚥下内視鏡検査(Videoendoscopic examination of swallowing,VE)により評価した.VE 施行時に投与されていた種々の抗精神病薬の投与量を,クロルプロマジン(CP)の力価に換算したCP換算量の平均は501 mg /日(標準偏差584 mg)であった.本研究では,水の誤嚥の有無と,年齢,性別,日常生活の自立の可否,屋内生活の自立の可否,座位の可否,肥満係数(BMI),CP 換算量,口腔顔面ジスキネジア発症の有無および咽頭反射の有無との関連を,単変量解析およびロジスティック回帰分析(変数減少法)を用いた多変量解析にて検索した.【結果】単変量解析では,水の誤嚥と,BMI(p=0.022),日常生活の自立の可否(p=0.036)および咽頭反射の有無(p=0.004)との間に有意な関連を認めた.しかし,性別,年齢,屋内生活の自立の可否,座位の可否および口腔顔面ジスキネジア発症の有無と,水の誤嚥との間には有意な関連は認められなかった.上記の9 要因と水の誤嚥との関連を,ロジスティック回帰分析で解析した結果,誤嚥の有無は咽頭反射の有無と有意(p=0.015)に関連していたが,他の8 要因とは有意な関連は認められなかった.【結論】ロジスティック回帰分析により,統合失調症の嚥下障害者では,咽頭反射の有無が水の誤嚥の有無と有意に関連することが認められた.
著者
斎藤 徹 小池 早苗 小澤 照史 臼井 洋介
出版者
一般社団法人 日本摂食嚥下リハビリテーション学会
雑誌
日本摂食嚥下リハビリテーション学会雑誌 (ISSN:13438441)
巻号頁・発行日
vol.17, no.3, pp.201-208, 2013-12-31 (Released:2020-05-28)
参考文献数
43

【目的】統合失調症の嚥下障害者における嚥下機能低下の要因を,重回帰分析を用いて解明することを目的とした.【対象と方法】2008 年4 月から2012 年11 月の間に当院歯科口腔外科を受診した統合失調症の嚥下障害者272 例を対象とし,後方視的研究を行った.男性:147 例,女性:125 例で,平均年齢は68.6 歳(標準偏差:12.7 歳)であった.歯科口腔外科初診時(嚥下機能評価時)に投与されていた種々の抗精神病薬の投与量を,chlorpromazine(CP)の力価に換算したCP換算量の平均は454 mg/日(標準偏差:603 mg)であった.嚥下機能は,Functional Oral Intake Scale(FOIS)に基づき評価した.【結果】年齢,日常生活の自立の可否,屋内生活の自立の可否,座位の可否,CP 換算量および口腔顔面dyskinesia 発症の有無を説明変数,FOIS を目的変数として,重回帰分析を行った.その結果,日常生活の自立の可否(p<0.05),屋内生活の自立の可否(p<0.0001)および座位の可否(p<0.01)とFOIS との間に,有意な相関が認められた.しかし,年齢(p=0.990),嚥下機能評価時のCP 換算量(p=0.092)および口腔顔面dyskinesia 発症の有無(p=0.056)とFOIS との間には,有意な関連は認められなかった.【結論】統合失調症の嚥下障害者の嚥下機能は日常生活自立度(ADL)と有意に相関することが認められたが,年齢,嚥下機能評価時の抗精神病薬の投与量および口腔顔面dyskinesia 発症の有無との間には,有意な関連は認められなかった.
著者
斎藤 徹 小池 早苗 小澤 照史 臼井 洋介
出版者
一般社団法人 日本摂食嚥下リハビリテーション学会
雑誌
日本摂食嚥下リハビリテーション学会雑誌 (ISSN:13438441)
巻号頁・発行日
vol.17, no.1, pp.52-59, 2013-04-30 (Released:2020-04-30)
参考文献数
38

【目的】統合失調症の嚥下障害者における誤嚥性肺炎の発症と関連する因子を解析することを目的とした.【対象】2008 年4 月から2012 年3 月の間に,当院歯科口腔外科を受診した統合失調症の嚥下障害者232 例を対象とし,誤嚥性肺炎発症の要因を後方視的に検討した.男性:126 例,女性:106 例であり,平均年齢は70.1 歳(標準偏差:11.8 歳)であった.歯科口腔外科初診時に投与されていた種々の抗精神病薬の投与量を,chlorpromazine(CP)の力価に換算したCP 換算量の平均は458 mg/ 日(標準偏差:633 mg)であった.日常生活自立度(ADL)の評価は,「障害老人の日常生活自立度(寝たきり度)判定基準」に準じた.【結果】歯科口腔外科初診時より過去3 カ月以内に誤嚥性肺炎を発症した症例は80 例(34.5%)であり,他の152症例(65.5%)は同期間に誤嚥性肺炎の発症はなかった.誤嚥性肺炎の発症症例では,非発症症例と比較してFunctional Oral Intake Scale(FOIS)(p=1.6×10-12),血清albumin(ALB)(p=9.0×10-6)およびADL(p=5.7×10-7)が有意に低下していたが,年齢(p=0.111)および肥満係数(BMI)(p=0.509)に有意差は認められなかった.また,誤嚥性肺炎の発症および非発症症例の間で,男女の比率(p=0.069)および口腔顔面dyskinesia の発症率(p=0.679)に有意差は認められなかった.CP 換算量は,誤嚥性肺炎の発症症例では非発症症例と比較して有意(p=0.001)に低かった.【結論】統合失調症の嚥下障害者では,嚥下機能の低下のみならずADL や栄養状態の低下が誤嚥性肺炎の発症と密接に関連していた.
著者
斎藤 徹 長谷川 慶子 長谷川 賢
出版者
一般社団法人 日本老年歯科医学会
雑誌
老年歯科医学 (ISSN:09143866)
巻号頁・発行日
vol.17, no.1, pp.15-20, 2002-07-31 (Released:2014-02-26)
参考文献数
25
被引用文献数
2

歯科治療による口腔機能の改善が, 高齢者の食事形態および日常生活活動 (ADL) を改善させるか否かを検索した。対象は1999年1月から2001年12月の間に当科にて歯科診療を施行した65歳以上の高齢者117症例とした。食事形態は, 常食, 米飯+キザミ食 (主食: 米飯, 副食: キザミ食), 粥+常菜 (主食: 米粥, 副食: 常菜), 粥+キザミ食 (主食: 米粥, 副食: キザミ食), ミキサー食, 経管栄養の6形態に分類した。また, ADLは食事, 入浴, 排泄, 更衣, 移動の5項目をそれぞれ自立, 一部介助, 全介助に分類した。以上の症例中, 歯科治療後に食事形態が1段階以上改善したもの: 59例 (50.4%), 不変: 53例 (45.3%), 悪化: 5例 (4.3%) であった。歯科治療前と比較して常食が著明に増加し, 粥+キザミ食が顕著に減少した。また.ADLの自立度のいかんにかかわらず, 約4割~6割の症例で食事形態の改善が見られた。他方, ADLの評価5項目中, 1項目以上で改善が認められたもの: 4例 (3.4%), 悪化したもの: 5例 (3.4%), 不変: 109例 (93.2%) であった。歯科治療前後でADLに著明な変化はなかった。
著者
青木 忍 天尾 弘実 斎藤 徹 斎藤 学 高橋 和明 多川 政弘
出版者
Japanese Association for Laboratory Animal Science
雑誌
Experimental Animals (ISSN:00075124)
巻号頁・発行日
vol.40, no.4, pp.569-572, 1991-10-01 (Released:2010-08-25)
参考文献数
6

モルモットの精巣摘出手術を腹部正中線および陰嚢の2ルートから行って, 手術時間, 術後の経過, 術創の治癒状況を比較し, いずれの手術ルートがモルモットに負担をかけずに, かつ安全に実施できるかを検討した。その結果, 手術時間には, 両者間に有意差は認められなかった。腹部正中線切開法では, 術後の経過が良く, 1週後の術創の治癒状況も良好であった。しかし, 陰嚢切開法では, 鞘膜臓側板や精巣白膜が薄く手術時に精巣実質を傷つけて精巣内容物を周囲に飛散させる危険性が高かった。そして, 治癒状況も不良であり, 5例中4例に陰嚢内化膿が見られた。以上の結果より, モルモットの精巣摘出手術法としては, 腹部正中線切開法が陰嚢切開法より適していた。
著者
高橋 和明 鈴木 通弘 斎藤 徹
出版者
公益社団法人 日本実験動物学会
雑誌
Experimental Animals
巻号頁・発行日
vol.28, no.2, pp.307-311, 1979

アカゲザルの眼底撮影法について, 興和製携帯用眼底カメラRC-II型を使用して検討した。<BR>1.眼底のmonochrome撮影をフジネオパンF (ASA32) , フジネオパンSS (ASA100) を用いて行った結果, 撮影に適当なストロボ光量調節目盛りはそれぞれ50Wで6, 3であった。<BR>2.眼底のcolor撮影をフジカラー (ASA100: Negative, Positive) , サクラカラー (ASA100: Negative) を用いて行った結果撮影に適当なストロボ光量調節目盛りはそれぞれ50Wで2, 3, 3であった。<BR>3.螢光眼底撮影のために10%sodium fluoresceinを0.3ml/kg静脈内投与し, ストロボ光量調節目盛りを100Wで6とし撮影した。Kodak Tri-X (ASA400: Negative) を使用してKodak Wrattenフィルター47 (励起用) ×K.W.15 (ろ過用) の組合せでmonochrome撮影した結果, 良好な撮影像が得られた。Kodak Ektachrome High Speed (ASA160: Positive) を使用し, K.W.32 (励) ×K.W.56 (ろ) , K.W.47A (励) ×K.W.12・15 (ろ) , K.W.47 (励) ×K.W.12・15 (ろ) , フジフィルタ-BPB45 (励) ×BPB55 (ろ) の各組合せでcolor撮影し, 2倍増感現像を行った結果, 良好な撮影像が得られた。
著者
山口 孝雄 斎藤 徹
出版者
Japanese Association for Laboratory Animal Science
雑誌
Experimental Animals (ISSN:00075124)
巻号頁・発行日
vol.36, no.2, pp.209-212, 1987-04-01 (Released:2010-08-25)
参考文献数
7

自然発情雌に関する交尾未経験雄ハムスターの交尾行動を夜間 (1900~2000時) に赤色ランプ下で30分間観察した。7例中5例の動物に射精に到る一連の交尾行動が見られた。さらに, これらの動物の交尾行動を再び観察したが, 交尾行動の促進は認められなかった。
著者
藤井 澄三 小川 和男 斎藤 徹 板谷 泰助 伊藤 忠正 岡村 公生
出版者
The Pharmaceutical Society of Japan
雑誌
Chemical and Pharmaceutical Bulletin (ISSN:00092363)
巻号頁・発行日
vol.43, no.2, pp.321-324, 1995-02-15 (Released:2008-03-31)
参考文献数
26

Oxidation of 1-benzyladenine (12) with m-chloroperoxybenzoic acid in MeOH or in MeOH-0.5 M phosphate buffer (pH 6.6) has been found to afford 1-benzyladenine 7-oxide (13) as the main product. Nonreductive debenzylation of 13 gave adenine 7-oxide (14) in 63% yield. The structure of 13 was unequivocally established by an X-ray crystallographic analysis.
著者
/ 藤井 澄三 斎藤 徹 TOHRU SAITO
出版者
The Pharmaceutical Society of Japan
雑誌
Chemical and Pharmaceutical Bulletin (ISSN:00092363)
巻号頁・発行日
vol.34, no.5, pp.2037-2043, 1986-05-25 (Released:2008-03-31)
参考文献数
28
被引用文献数
9 14

A detailed account is given of the final step of the general 7-alkalation procedure for adenine (1), which consists of the preferential benzylation at the 3-position of 1, regioselective alkylation of the resulting 3-benzyladenine (2) to give 7-alkyl-3-benzyladenine salts (3a-c), and debenzylation of 3a-c leading to 7-alkyladenines (4a-c). Debenzylation of 3a-c (X=Cl or ClO4) has been achieved by hydrogenolysis using hydrogen and Pd-C catalyst at atmospheric pressure, producing 7-alkyladenines (4a-c) in 38-74% yields. The use of the allyl or γ, γ-dimethylallyl group at the 3-position instead of the benzyl group for the synthesis of 7-methyladenine (4a) by this procedure has no practical value. Alternatively, the salts 3a-c (X=Br, ClO4, or I) have been debenzylated efficiently by treatment with conc. H2SO4 in the presence of toluene at room temperature for 3-6h or at 60°C for 0.5-2h, giving 4a-c in 73-93% yields.
著者
藤井 澄三 小川 和男 斎藤 徹 小林 恵子 板谷 泰助 伊達 忠正 岡村 公生
出版者
The Pharmaceutical Society of Japan
雑誌
Chemical and Pharmaceutical Bulletin (ISSN:00092363)
巻号頁・発行日
vol.43, no.1, pp.53-62, 1995-01-15 (Released:2008-03-31)
参考文献数
49
被引用文献数
3 4

A detailed account is given of the first unequivocal synthesis of adenine 7-oxide (8). The synthesis started with peroxycarboxylic acid oxidation of 3-benzyladenine (6), readily obtainable from adenine (1) by benzylation, and proceeded through nonreductive debenzylation of the resulting 3-benzyladenine 7-oxide (7). The location of the oxygen function in 7 and 8 was confirmed by their chemical reactions including deamination and methylation and by X-ray crystallographic analysis. A UV spectroscopic approach suggested that the neutral species of 8 exists in H2O as an equilibrated mixture of the N(7)-oxide (8) and N(7)-OH (21) tautomers. Treatment of 6 with 30% aqueous H2O2 in MeOH in the presence of MeCN and KHCO3 at 30°C produced the N(7)-oxide 7 and 7-acetamido-3-benzyladenine (15) in 12% and 1% yields, respectively.
著者
小川 和男 西井 正廣 稲垣 甚一郎 野原 富士夫 斎藤 徹 板谷 泰助 藤井 澄三
出版者
The Pharmaceutical Society of Japan
雑誌
Chemical and Pharmaceutical Bulletin (ISSN:00092363)
巻号頁・発行日
vol.40, no.5, pp.1315-1317, 1992-05-25 (Released:2008-03-31)
参考文献数
16
被引用文献数
2 7

The synthesis of 8-methylguanine 7-oxide (3) was accomplished via a "phenacylamine route", which started from condensation of α-(4-methoxybenzylamino)propiophenone (6), prepared by coupling of α-bromopropiophenone (4) and 4-methoxybenzylamine (5), with 2-amino-6-chloro-5-nitro-4(3H)-pyrimidinone (7) and proceeded through cyclization of the resulting phenacylaminopyrimidinone (8) and removal of the 4-methoxybenzyl group. The N-oxide 3 and its 9-arylmethyl derivatives 9 and 11 showed only very weak antileukemic activity and no antimicrobial activity.
著者
小川 和男 西井 正廣 稲垣 甚一郎 野原 富士夫 斎藤 徹 板谷 泰助 藤井 澄三
出版者
The Pharmaceutical Society of Japan
雑誌
Chemical and Pharmaceutical Bulletin (ISSN:00092363)
巻号頁・発行日
vol.40, no.2, pp.343-350, 1992-02-25 (Released:2008-03-31)
参考文献数
47
被引用文献数
8 10

A full account is given of the first chemical synthesis of the antitumor antibiotic guanine 7-oxide (5) and its 9-substituted derivatives (24a-k and 26). Coupling of appropriate primary amines (17a-e, g-k) with phanecyl bromide (16) produced, after treatment with HCl, the corresponding N-substituted phenacylamine hydrochlorides (18a-e, g-k). A similar phenacylation of 4-amino-1-butanol (21) failed to give the desired compound 18f, so that 21 was heated with 2-bromomethyl-2-phenyl-1, 3-dioxolane (20) at 150-155°C for 3h to furnish, after treatment with HCl, the amino ketal hydrochloride 22 in 40% yield. Deketalization of 22 with hot 2N aqueous HCl afforded 18f in 96% yield. Condensations of the free bases, generated in situ from the hydrochlorides 18a-l and 1N aqueous NaOH, with the chloropyrimidinone 6 were effected in aqueous EtOH at the boiling point for 20 min or at 25-30°C for 3-24h, giving the 6-phenacylamino-4-pyrimidinones 19a-l in 54-90% yields. On treatment with 2N aqueous NaOH at room temperature for 10-60 min, the nitropyrimidinones 19a-k cyclized to provide the 9-substituted guanine 7-oxides 24a-k in 61-98% yields. A similar alkali-treatment of 19l failed to yield guanine 7-oxide (5). However, removal of the 9-(arylmethyl) group from 24i-k was effected with conc, H2SO4 at room temperature for 1-3h in the presence of toluene, producing the target N-oxide 5 in 56-89% yields. In the in vitro bioassay of antileukemic activity against murine L5178Y cells, none of the 9-substituted guanine 7-oxides (24a-k and 26) was more effective than the parent, natural N-oxide 5. Within this series, however, the benzyl analogues 24g-k with or without alkoxy functions were more cytotoxic, with IC50's of 13.0-48.0μg/ml, than the alkyl analogues 24a-f.
著者
小川 和男 西井 正廣 野原 富士夫 斎藤 徹 板谷 泰助 藤井 澄三
出版者
The Pharmaceutical Society of Japan
雑誌
Chemical and Pharmaceutical Bulletin (ISSN:00092363)
巻号頁・発行日
vol.40, no.3, pp.612-616, 1992-03-25 (Released:2008-03-31)
参考文献数
46
被引用文献数
2 8

A detailed account is given of the first chemical synthesis of hypoxanthine 7-N-oxide (5), which started from coupling of 6-chloro-5-nitro-4(3H)-pyrimidinone (7) with N-(4-methoxybenzyl)phenacylamine, generated in situ from the hydrochloride (8), and proceeded through cyclization of the resulting phenacylaminopyrimidinone (9) and removal of the 4-methoxybenzyl group. The results of catalytic hydrogenolysis, methylation followed by catalytic hydrogenolysis, and rearrangement under acidic conditions of 5 supported the correctness of the assigned structure. An ultraviolet spectroscopic approach suggested that the neutral species of 5 exists in H2O mainly as the N(7)-OH tautomer (21). In the in vitro bioassay of antileukemic activity against murine L5178Y cells, 5 was weakly cytotoxic, with IC50 of 100μg/ml. It did not show any antimicrobial activity even at 1000μg/ml. None of the 9-(4-methoxybenxyl) (11) and O-methyl (12, 13, and 14) derivatives was found to be antiieukemic or antimicrobial.
著者
二宮 敬虔 橋本 樹明 紀伊 恒男 前田 健 斎藤 徹 玄葉 麻美 高安 星子 卯尾 匡史
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. SANE, 宇宙・航行エレクトロニクス
巻号頁・発行日
vol.93, no.254, pp.9-16, 1993-09-30

『あすか』は1993年2月20日、鹿児島宇宙空間観測所より打ち上げられたX線天体を観測する科学衛星である。全天に散らばるX線源を効率よく観測する為に高いマヌーバ性能が姿勢系に要求されている。また、X線源の微細な構造を調べる為、高分解能のX線望遠鏡が搭載されており、その性能を最大限に活用するため高いポインティング性能を実現している。本論文では、『あすか』姿勢系の中で特に定常ポインティング性能を支配するオンボード姿勢決定系に関して、その設計思想・設計性能及び軌道上性能を中心に報告する。
著者
佐藤 雅彦 高橋 玄 渡部 英 根上 直樹 斎藤 徹也 山田 正樹
出版者
日本臨床外科学会
雑誌
日本臨床外科学会雑誌 (ISSN:13452843)
巻号頁・発行日
vol.70, no.4, pp.1039-1043, 2009 (Released:2009-10-05)
参考文献数
17
被引用文献数
1

症例は36歳,男性.平成19年5月より嘔吐あるも自然に軽快した.同年10月再び嘔吐あり水分摂取も不可能となり入院精査となった.内視鏡検査では胃前庭部に約10cm大の粘膜下腫瘍が認められ,上部消化管造影では同部に境界明瞭な陰影欠損があり造影剤の通過は不良であった.腹部CTでは胃の前庭部に嚢胞性病変が認められた.絶飲食後の内視鏡検査で腫瘍は6cm大にまで縮小し,同時に施行した腫瘍穿刺では無色漿液性の液体を吸引し,細胞診はclassI,アミラーゼ19,588IU/l,CEA 253.9ng/ml,CA19/9 184716.0U/mlと異常高値を呈し,異所性膵,胃嚢胞などを疑った.症状の増悪軽快を繰り返し,また悪性疾患の合併も否定できず同年12月に手術を施行し,病理検査は胃の異所性膵であった.胃の異所性膵によって前庭部での狭窄をきたした症例は比較的稀であり,文献的考察を加えて報告した.
著者
田中 徳幸 岩見 直子 松井 進 斎藤 徹 土田 久光
雑誌
全国大会講演論文集
巻号頁・発行日
vol.42, pp.185-186, 1991-02-25

情報化社会の進展に伴い、データ通信システムは、大型計算機中心の集中型から、ネットワークを介したWS(workstation)分散型へ移行している。一方、ネットワークの広域化と高機能WSの普及は、ネットワークに接続されるWSの増加とネットワークを利用するユーザの拡大をもたらす。このようなWS分散環境下で通信を行う場合には、ネットワーク上の多くの通信相手アドレスを管理し、目的とする通信相手アドレスをユーザに提供するアドレス管理機能が必要である。我々はこのニーズに応え、ネットワーク上の全通信相手アドレスを一元管理するアドレスサーバから、ユーザに必要な通信相手アドレスをWS個別に入手管理し、目的とする通信相手アドレスを容易に検索可能な個人対応アドレス帳機能の検討を進めている.WS単独で使用可能なアドレス帳機能については報告済みである1)ので、今回は、このアドレス帳機能の拡張機能として開発したりモートアクセス機能の実現方式と評価結果について述べる。リモートアクセス機能とは、任意のWSのユーザに、ネットワークを介して他のWS上のアドレス帳機能を提供するものである。