著者
吉田 翔太 桐本 光 松本 卓也 小島 翔 鈴木 誠 大西 秀明 田巻 弘之
出版者
一般社団法人 日本臨床神経生理学会
雑誌
臨床神経生理学 (ISSN:13457101)
巻号頁・発行日
vol.41, no.4, pp.202-208, 2013-08-01 (Released:2013-11-01)
参考文献数
15
被引用文献数
2

主動作筋の活動に先行して姿勢調節筋群が放電開始する現象は, 先行随伴性姿勢調節 (APAs) と呼ばれ, 補足運動野 (SMA) がその生成に関与すると考えられている。本研究では, SMAに対する経頭蓋直流電流陰極刺激 (陰極tDCS) が, APAsの機能に影響を及ぼすか否かを検討した。健常被験者11名が, 自己ペースで右上肢を急速拳上する課題を重心動揺計上で行い, この時の右三角筋と右大腿二頭筋の活動を表面筋電図で記録した。左側M1 (Cz上) とSMAに陰極tDCS (2 mAで15分間) 及び疑似刺激を行い, 刺激前後における両筋の放電開始時間差 (ΔEMG onset) の変化を比較した。陰極tDCS後におけるΔEMG onsetの有意な短縮はSMA刺激時にのみ認められた。APAsの生成にはSMAが重要な役割を果たし, また陰極tDCSはSMAの予測的姿勢調節機能を抑制し得ることが示唆された。
著者
鈴木 啓悟 吉田 翔太 佐々木 栄一 竹谷 晃一 前田 健児 近藤 泰光
出版者
公益社団法人 土木学会
雑誌
土木学会論文集A2(応用力学) (ISSN:21854661)
巻号頁・発行日
vol.72, no.2, pp.I_731-I_737, 2016 (Released:2017-01-29)
参考文献数
14

橋梁の腐食損傷は主として水分と塩化物の存在に影響を受ける.これらの腐食因子は風向,風速,気温,湿度,降雨,波浪などの気象外乱の複合作用により橋梁に来着する.本研究は,ACM センサで計測される腐食応答電流値を主とした1年間のモニタリングデータを基に,まず外乱となる気象データから重回帰式を求めた.次に重回帰式から過去5年分の気象データをもとにしたACM電流応答の推定値を算出し,その季節変動に伴う応答傾向の再現性を検証したうえで,最後に重回帰式の各係数のt値を評価することで,腐食応答に及ぼす原因について検証した.検証の結果,本研究の事例においては降雨と風の相互作用により,腐食応答が促進される可能性が示唆された.
著者
吉田 翔太郎
出版者
国立大学法人 東京大学大学院教育学研究科 大学経営・政策コース
雑誌
大学経営政策研究 (ISSN:21859701)
巻号頁・発行日
vol.13, pp.127-142, 2023 (Released:2023-07-11)
参考文献数
19

This study aimed to clarify the relationship between the establishment of higher education associations and the Bureau of Education in the United States, from the late 1880s to the early 1920s, which has not been previously clarified. For this purpose, after reviewing the number of associations established and the higher education-related initiatives of the bureau, the relationship between individual associations and the bureau was clarified with a focus on nine major associations. The results revealed that prior to the 1900s, a relationship was established in which the bureau took advantage of associations to promote its activities, including attendance at annual meetings, requests for cooperation in statistics through addresses, and personal exchanges. In some cases, the initiatives of the associations influenced the bureaus. From the 1910s onward, the relationship developed to the point where the bureau was involved in the associations right from their establishment; departments that were integrated with the associations were established, and the bureau itself led to the establishment of the association. Moreover, differences in the degree of interest between associations were also identified. Finally, these facts complement the interpretation of the relationship between the federal government and higher-education associations from the former's perspective, as presented in previous studies.
著者
吉田 翔太郎
出版者
一般社団法人 日本教育学会
雑誌
教育学研究 (ISSN:03873161)
巻号頁・発行日
vol.89, no.4, pp.683-691, 2022 (Released:2023-04-25)
参考文献数
18

本稿は、アメリカ女子高等教育の拡大及びジェンダー・バランシングに関する議論を概観し、それが抱える「障壁」を考察した。1980年代には「逆ジェンダーギャップ」現象が起きたが、2000年代初頭に女子の割合が頭打ちとなったため、新たな「女性差別」として女子学生数の調整が行われているという議論が起きた。しかし、能力・業績のみに基づく選考という代替案には、反人種アファーマティブ・アクション派の主張と軌を一にするという「障壁」が存在する。