著者
吉田 達矢
出版者
名古屋学院大学総合研究所
雑誌
名古屋学院大学論集 人文・自然科学篇 = THE NAGOYA GAKUIN DAIGAKU RONSHU; Journal of Nagoya Gakuin University; HUMANITIES and NATURAL SCIENCES (ISSN:03850056)
巻号頁・発行日
vol.53, no.1, pp.49-58, 2016-07-31

本稿は,20世紀前半における名古屋市および名古屋市の人々と中東各国・地域との関係について考察した。まず,当時の名古屋市の人々が中東出身者を見る機会は少なかった。また,名古屋市における中東に関する啓蒙活動は,大日本回教協会(昭和13年設立)の協力があって昭和15年以降,2回ほど行われたにすぎない。ただし,実業家たちは大正末頃から中東に関心を持ち始め,恐慌の一時期を除いて,太平洋戦争が始まる直前まで貿易先として中東には関心を持ち続けていた。その背景には,名古屋商工会議所と大日本回教協会の積極的な活動があった。ただし,実際には中東からの輸入が行われた時期は短く,いずれの国や地域からの輸入品の量もごく僅かであった。
著者
吉田 達矢 穴田 一
出版者
人工知能学会
雑誌
人工知能学会全国大会論文集 (ISSN:13479881)
巻号頁・発行日
vol.31, 2017

いじめは大きな社会問題となっており,生徒同士の暴力や自殺に繋がる為,早急な解決が必要である.そこでいじめの被害者を無くす為,コンピュータ上に学級モデルを構築し,いじめ対策の研究が行われている.しかし,先行研究では,席の近い相手と会話する頻度が高いにも関わらず,座席の位置を考慮していない為,現実に近いモデルとは言い難い.そこで本研究では座席を考慮した学級モデルを構築し,いじめ対策について研究した.
著者
吉田 達矢
出版者
名古屋学院大学総合研究所
雑誌
名古屋学院大学論集 言語・文化篇 = THE NAGOYA GAKUIN DAIGAKU RONSHU; Journal of Nagoya Gakuin University; LANGUAGE and CULTURE (ISSN:1344364X)
巻号頁・発行日
vol.34, no.2, pp.81-99, 2023-03-31

本稿では,オスマン帝国史において「改革の時代」とされる19世紀前半における地方軍政官の人事に着目し,オスマン帝国中央政府の地方社会に対する統治方針の一端について考察した。考察対象の場所は現在のギリシア北部に存在していたヤンヤ県とし,考察対象の時期は18世紀末よりヤンヤ県を中心に中央政府から半ば自立した勢力として広大な領域を支配したアルバニア人豪族テペデレンリ・アリー・パシャの討伐が始まった1820年から,ヤンヤ県にタンズィマート改革が導入され,ヤンヤ州が新たに設立された1846年前後までとした。当該時期に就任したヤンヤ県軍政官各自の履歴,選出・離任理由などについて考察した結果,ギリシア独立戦争やアルバニア人豪族の統御などの問題に対処するため,1830年代前半まではアルバニア人豪族の任用,有力政治家の親子2代にわたる長期の統治がみられ,「第二のテペデレンリ・アリー・パシャ」が出現する可能性があったことなどを指摘した。
著者
吉田 達矢
出版者
名古屋学院大学総合研究所
雑誌
名古屋学院大学論集 人文・自然科学篇 = THE NAGOYA GAKUIN DAIGAKU RONSHU; Journal of Nagoya Gakuin University; HUMANITIES and NATURAL SCIENCES (ISSN:03850056)
巻号頁・発行日
vol.56, no.1, pp.15-29, 2019-07-31

本稿では,明治時代(1868~1912年)に名古屋を訪れた外国人19人の日記・旅行記などの史料から,彼らが当時の名古屋をどのように見ていたのか,どのように滞在し,名古屋の何に注目したのか,などの問題について考察した。まず滞在日数に関しては,個々人によって異なり,特定の傾向は見出せなかった。宿泊場所は,秋琴楼・支那忠・名古屋ホテルがよく利用された。訪問場所としては,名古屋城を見学したあるいは何らかの言及をしたのは19人中14人であったことから,明治時代の名古屋では名古屋城が外国人にとって一番の観光場所であったと推測される。名古屋の特産品として認識されていたのは,陶磁器(七宝焼)や扇(子)などであった。名古屋に対するイメージとしては,明治半ばころから「近代的な産業・工業都市」として徐々に認識されるようになり,名古屋の人たちに対する印象は概ね好意的であったといえる。