著者
松河 秀哉 井上 聡一郎 中村 一彦 下山 富男 吉田 雅巳 重田 勝介 吉田 健 前迫 孝憲 景平 義文 関 嘉寛 内海 成治 中村 安秀 下條 真司
出版者
日本教育工学会
雑誌
日本教育工学雑誌 (ISSN:03855236)
巻号頁・発行日
vol.27, pp.189-192, 2004
参考文献数
4
被引用文献数
3

大阪大学人間科学研究科はアフガニスタンとの間で遠隔講義を実施し,その内容を他機関と連携して広く一般に公開した.アフガニスタン側は衛星携帯電話(ISDN64Kbpsの通信機器を接続可能),大阪大学側は衛星携帯電話と相互通信可能なISDN公衆回線を用いて接続し.ISDN回線に対応するテレビ電話で映像・音声を伝送した.その内容は大阪大学内でリアルタイムに編集され,多くの機関の協力を得て,インターネットと通信衛星を使って国際配信された.配信された講義は,少なくとも海外8カ国で受信された.アフガニスタンからの講義は,現地にいる様々な分野の専門家の協力を得て進められ,学生が積極的に質問する姿が認められた.
著者
篠山 浩文 三尾 忠男 吉田 雅巳 伊藤 秀子
出版者
放送大学
雑誌
メディア教育研究 (ISSN:13441264)
巻号頁・発行日
no.2, pp.81-85, 1999
被引用文献数
1

ビデオカメラおよびビデオフレームアルバムの授業への活用を検討した。すなわち、学生にビデオカメラを持たせて、大学構内を自由に散策させ、その際気がついたこと、興味をもったことなどをビデオカメラで記録させた。さらに著者らがその映像記録をフレームアルバム化し、後日授業時間内で学生に返却して、見せるといった一連の授業を試みることにより、今回の試みが学生の新たな発想や興味対象の発見へのきっかけ作りになりうるかどうか検討した。ビデオカメラによる野外活動の行動様式への影響を支持する学生が多く、その理由として「ビデオを手にすると注意深くなる」「自分の印象深いものを人にわかるように撮った」といった感想と関連していると考えられる。また、自分の興味対象の発見に対してフレームアルバムを分析することは、比較的効果的であると評価され、「ビデオフレームアルバムはビデオを視聴するよりも全体の流れがわかってよい」といった感想も見られた。また、教授者にとっても映像記録を画像要素ごとに分類し、類似した画像のコマ数の多いものに注目することにより、各学生の興味対象を容易に比較分析することができた。今回の試みは、学生の野外観察時の行動様式や新たな興味対象の発見などに何らかの影響をおよぼしたものと考えられる。さらに、教授者が学生の興味対象を容易に比較分析できるため、学生との議論材料にも活用できるものと思われる。
著者
吉田 雅巳
出版者
千葉大学教育学部
雑誌
千葉大学教育学部研究紀要 (ISSN:13482084)
巻号頁・発行日
vol.57, pp.1-8, 2009-03

本稿では日本におけるネット上いじめ問題を海外のサイバーブリング(CB)研究を参考にしながら考察した。CBは決して校内だけで起こる問題ではなく,そのため学校の認識や対応の準備が生まれにくい。また,「発見」「対応」はともに,方法的,技術的,組織的に困難な問題である。そこで本稿では,海外知見を参考に,学校の対応としての「対策」「介入」を紹介し,学校における議論の焦点化をはかるための資料を提供した。
著者
吉田 雅巳
出版者
日本教育工学会
雑誌
日本教育工学雑誌 (ISSN:03855236)
巻号頁・発行日
vol.23, no.suppl, pp.29-32, 1999-08-20 (Released:2017-10-20)
参考文献数
8

グループ指導を, 教室で行う場合と教師が離れて遠隔で行う場合の, 生起する学習環境の比較実験を行った.実験では大学生を, 5名ごとのチームに編成し, 1名の教師役の学生が4名の生徒役学生に対してグループで協調して取り組む課題を与え, それぞれの環境で各4回のセッションを行った.そして, 記録VTRより相互作用分析と介入分析を実施し, コミュニケーションの違いを分析した.その結果, 「対面でのグループ協調学習では教師からの働きかけが多く見られた」, 「遠隔でのグループ協調学習では, 学習者が教師との個人的コミュニケーションを助長することなく, 学習者間の議論に集中した」という知見を得た.