著者
吉田 雅裕 大坐畠 智 川島 幸之助
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. NS, ネットワークシステム (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.108, no.31, pp.49-54, 2008-05-08
被引用文献数
3

P2Pファイル共有ネットワークは,プロトコルにファイル流通制御機能を備えていない場合がある.そのような場合は,ポイゾニング手法を用いることが有効である.P2Pネットワークにおけるポイゾニング手法とは,制御用に加工したファイル情報,またはファイル本体をネットワーク上に拡散し,制御対象ファイルのダウンロードを困難にする方法である.しかし,国内で広く利用されているWinnyやShare等のP2Pファイル共有ネットワークは,ポイゾニング手法への対抗策となるように,ファイルIDによる検索が可能となっている.そこで本稿では, Winnyネットワークを対象にファイルID検索に対しても有効なポイゾニング手法を実装し,評価実験により効果を確認する.
著者
吉田 雅裕 大坐畠 智 中尾 彰宏 川島 幸之助
出版者
情報処理学会
雑誌
情報処理学会論文誌 (ISSN:18827764)
巻号頁・発行日
vol.50, no.9, pp.2008-2022, 2009-09-15
被引用文献数
9

P2Pファイル共有ネットワークは世界中で非常に多くのユーザに利用されている.しかし,現在広く普及しているP2Pファイル共有ネットワークには,ファイル流通制御機能が実装されていない場合が多く,著作権侵害ファイルやマルウェアなどの流通が問題となっている.これらの問題を解決するために,インデックスポイズニングを用いたファイル流通制御手法が注目されているが,その効果やネットワークへの影響はこれまでにあまり明らかにされていない.そこで本論文では,10万台以上のアクティブなピアによって構成される実際のWinnyネットワークに対して,ファイル流通制御のためにインデックスポイズニングを適用し評価を行った.提案手法では,Winnyネットワークの本質であるファイル流通技術としての側面を否定することなく,なおかつ,著作権侵害ファイルの流通などの反社会的な利用のみを技術的に制限することを目標とする.キーと呼ばれる,ファイルのメタデータを利用するWinnyのファイル流通プロトコルに着目し,ファイルのダウンロードに必要な特定のキーを,インデックスポイズニングを用いてネットワーク上から消去することによりファイル流通制御を実現した.評価実験の結果,提案手法をWinnyネットワークに適用した場合は,Winnyピアが特定のファイルのキーを入手できる確率が,適用しない場合の0.005%まで低下することを確認した.また,提案手法を用いた制御は,1,000個のファイルを同時に制御した場合であってもWinnyネットワークへの負荷が少ないことを示した.Peer-to-Peer (P2P) file sharing networks have been widely used by millions of users all over the world. However, these networks do not have management mechanisms for distributing files in general. Consequently, copyright infringements in P2P file sharing networks have become prevalent. In order to prevent illegal file distribution, an index poisoning has attracted much attention recently. Although index poisoning aims to obfuscate uses by diffusing a lot of dummy metadata in P2P networks, its effects have not been well studied yet. In this paper, we apply an index poisoning method to Winny network, one of the most popular P2P file sharing networks in Japan, to control the file distribution. Our evaluation includes index poisoning in live Winny network composed of over 100,000 active peers. In our method, the file distribution technology of the Winny network is not denied. Moreover, our method solves only antisocial behavior, such as a copyright infringement problem. The result shows that our proposed method can decrease the number of query hits to less than 0.005% compared to the case without our control. The result also shows that our proposed method does not exert a bad influence on Winny network, even when 1,000 files are under our control simultaneously.
著者
吉田 雅裕 大坐畠 智 川島 幸之助
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
情報処理学会研究報告システム評価(EVA) (ISSN:09196072)
巻号頁・発行日
vol.2008, no.30, pp.31-36, 2008-03-19

非構造化 P2P ファイル共有ネットワークは,プロトコルにファイル流通制御機能を備えていない場合がある.そのようなネットワークでは,既にネットワーク上を流通しているファイルを制御することが難しい.そのような場合は,ポイゾニングを用いることが有効だと言われている.そこで本稿では,Winny ネットワークを対象に,ポイゾニングによるファイル流通制御を行うための制御ノードを実装し,評価実験によりポイゾニングの効果を確認する.Some unstructured P2P file sharing applications do not have a file eliminate in their protocol. It is difficult to control a file distribution in such networks. In those case, the poisoning is effective. In this report, we implement poisoning system for Winny network, and the resulets of evaluation experiment show effectiveness of poisoning methods.