著者
高橋 幸利 藤原 建樹 西村 成子 藤原 建樹 西村 成子 角替 央野 久保田 裕子 今井 克美 重松 秀夫 下村 次郎 池田 浩子 大谷 英之 山崎 悦子 大谷 早苗 高橋 宏佳 美根 潤 池上 真理子 向田 壮一 高山 留美子
出版者
独立行政法人国立病院機構(静岡・てんかん神経医療センター臨床研究部)
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2007

脳炎は感冒などの後に発病し後遺症を残す病気で、病態解明と治療法の開発が重要である。非ヘルペス性急性辺縁系脳炎では、グルタミン酸受容体(GluR)のひとつであるGluRε2分子の幅広い領域を抗原とする抗体が産生されていて、感染ウィルスに対する抗体がGluRε2に交差反応しているのではないことが分かった。ラスムッセン脳炎では抗GluRε2 抗体を含む髄液IgGがアポトーシスを誘導している可能性が示唆された。
著者
鈴木 理恵 齊藤 利雄 丸山 幸一 服部 文子 藤井 達哉 熊谷 俊幸 脇坂 晃子 向田 壮一 糸見 世子 白石 一浩
出版者
一般社団法人 日本小児神経学会
雑誌
脳と発達 (ISSN:00290831)
巻号頁・発行日
vol.50, no.5, pp.342-349, 2018 (Released:2018-09-28)
参考文献数
14
被引用文献数
1

【目的】Duchenne型筋ジストロフィー (DMD) 患者の教育への支援に向けて, 実際の学校生活についての現状と課題を明らかにすることを目的とした. 【方法】小学生から20歳以下の在宅で生活するDMD患者の保護者を対象として, 5府県の7施設でアンケート調査を行った. 【結果】DMD患者115名の保護者から回答を得た. 小学校入学時の所属は一般小学校の通常学級が60%を占め, 特別支援学校は5%であった. 特別支援学級への転級や特別支援学校への転校をする患者が存在し, その時期は小学5年生が最多であった. 小学4年生から体育の授業での見学が増加し, 保護者から見て学校生活が楽しそうだったという回答が減少した. 中学生以上の患者70名では, 中学校入学時の所属は特別支援学校が60%を占め, 一般中学校の通常学級は13%であった. 保護者の77%が医師と学校の関わりを希望していたが, 希望した保護者の52%が実際には関わりがないと回答した. 【結論】一般小学校の通常学級へ就学するDMD患者は多いが, 歩行が困難になる小学4年生頃から一般の学校での生活が困難になってくる現状があり, 患者・保護者と医療, 教育が情報を共有し, 病状に応じて教育環境を調整していく必要がある. 保護者の希望に見合うほどの十分な医師の学校教育への関わりはなされておらず, 医療と教育の連携体制の構築が望まれる.
著者
高橋 宏佳 高橋 幸利 美根 潤 向田 壮一 池上 真理子 池田 浩子 大谷 英之 下村 次郎 久保田 裕子 藤原 建樹
出版者
一般社団法人 日本小児神経学会
雑誌
脳と発達 (ISSN:00290831)
巻号頁・発行日
vol.42, no.4, pp.273-276, 2010-07-01
参考文献数
12
被引用文献数
1

 Dravet症候群に対するtopiramate (TPM) の治療効果を検討した. Dravet症候群と診断された11症例 (7.1±6.2歳) を対象とし, 投与前2カ月と投与後2カ月, 投与後6カ月目を含む2カ月間の発作回数を比較した. けいれん発作に対する投与後2カ月での評価は, 発作消失が1例, 50%以上発作減少が6例, 50%未満~無効が3例, 悪化が1例であった. 服用を6カ月間続けたのは10例で, 発作消失が1例, 50%以上発作減少が7例, 50%未満~無効が2例, 悪化が0例であった. TPMはDravet症候群のけいれん発作抑制に有効と思われた.