- 著者
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吾妻 安良太
- 出版者
- 一般社団法人 日本内科学会
- 雑誌
- 日本内科学会雑誌 (ISSN:00215384)
- 巻号頁・発行日
- vol.99, no.7, pp.1542-1549, 2010 (Released:2013-04-10)
- 参考文献数
- 18
ピルフェニドン(ピレスパ®)は特発性肺線維症(IPF:Idiopathic Pulmonary Fibrosis)の肺活量の悪化を抑制した.その臨床試験結果に基づき,2008年10月 欧米に先駆けて製造販売承認を取得したIPF治療薬である.特発性肺線維症は特発性間質性肺炎の約半数を占め,最も予後不良の疾患である.稀少疾患ゆえに画像や病理診断による予後評価が難しく,無作為化比較試験展開が困難を極めた.本稿では我が国の産官学共同臨床開発の経緯と,欧米のCAPACITY試験成績との比較から,IPF治療研究の課題と展望について概説する.