著者
奥田 稔 大久保 公裕 後藤 穣 石田 裕子
出版者
一般社団法人 日本アレルギー学会
雑誌
アレルギー (ISSN:00214884)
巻号頁・発行日
vol.54, no.6, pp.555-558, 2005-06-30 (Released:2017-02-10)
被引用文献数
2

【目的】スギ花粉時然曝露による花粉の身体への付着を花粉症発症予防のために明らかにする. 【方法】非スギ花粉症男性高校生10名を洗顔後, 非花粉汚染木綿Tシャツ, 運動帽を着用, 運動場および教室内で2003年3月16日それぞれ2時間自由行動させ, 粘着テープでシャツ, 帽子, 顔面皮膚から付着花粉を採取カウントした. 不織木綿, 綿ポリエステル混紡, 羊毛布地を水洗, 運動場10カ所で5時間放置乾燥後, 付着スギ花粉を同様に採取カウントした. 実験運動場, 教室の浮遊, 落下花粉数もカウントした. 【結果】Tシャツ, 帽子, 皮膚付着花粉は運動場で教室内より多かった. 教室内外では単位面積当り付着数は有意差がなく, 教室内ではTシャツが皮膚より多い傾向にあった. 水洗布地への付着数は混紡で, 綿, 羊毛より少なかったが傾向差であった. 浮遊花粉数は教室内で少なかった. 【考察】結論:外出には混紡のコート, 帽子を着用し, 帰宅後は洗顔をする. コート, 帽子は玄関のコート掛けにかけておくが良い.
著者
松原 篤 坂下 雅文 後藤 穣 川島 佳代子 松岡 伴和 近藤 悟 山田 武千代 竹野 幸夫 竹内 万彦 浦島 充佳 藤枝 重治 大久保 公裕
出版者
一般社団法人 日本耳鼻咽喉科頭頸部外科学会
雑誌
日本耳鼻咽喉科学会会報 (ISSN:00306622)
巻号頁・発行日
vol.123, no.6, pp.485-490, 2020-06-20 (Released:2020-07-01)
参考文献数
6
被引用文献数
13 35

近年になり, スギ花粉症などのアレルギー性鼻炎の増加が指摘されている. 馬場らが中心となって1998年と2008年に全国の耳鼻咽喉科医師ならびにその家族を対象としたアンケートによる鼻アレルギー疫学調査が行われ, 有病率の推移が詳細に報告されている. 今回われわれは,前回の調査から11年後の2019年に同様の調査を行い, スギ花粉症, 通年性アレルギー性鼻炎ならびにスギ以外の花粉症の有病率を同定した. アレルギー性鼻炎全体の有病率は49.2%, スギ花粉症単独の有病率は38.8%と前回調査に比べ大きく増加していた. さらに10歳代でスギ花粉症が著明に増加していることも明らかとなった.
著者
後藤 穣
出版者
一般社団法人 日本耳鼻咽喉科頭頸部外科学会
雑誌
日本耳鼻咽喉科学会会報 (ISSN:00306622)
巻号頁・発行日
vol.124, no.7, pp.943-947, 2021-07-20 (Released:2021-08-04)
参考文献数
6

鼻アレルギー診療ガイドライン2020年版 (改訂第9版) が2020年7月に改訂された. 今回の改訂では2019年に実施されたアレルギー性鼻炎有病率調査結果が掲載されたこと, 病態メカニズムに自然Ⅱ型リンパ球の関与が明記されたこと, 重症・最重症スギ花粉症に対して抗 IgE 抗体療法が推奨されたことなどが新しい改訂ポイントである. アレルギー性鼻炎・花粉症の治療の原則は, 抗原除去・回避, 薬物療法, アレルゲン免疫療法, 手術療法の4つがある. 近年, 薬物療法薬では複数の非鎮静性第2世代抗ヒスタミン薬が新しく上市された. 鎮静作用がほとんどなく, 安全性が高い薬剤が選択できるようになった. 舌下免疫療法ではスギ舌下錠が市販され舌下液よりも高い有効性を示し, スギ舌下錠とダニ舌下錠の併用も安全性の高い治療法であることが臨床研究で確かめられた. 低年齢のスギ花粉症有病率が増加しているが, 根治的治療であるアレルゲン免疫療法を小児期から積極的に開始することも考慮すべきである. また, 2019年12月にはアレルギー性鼻炎領域では, 世界初の生物学的製剤が重症以上のスギ花粉症に対して適応追加された. 抗ヒスタミン薬などの薬物療法や舌下免疫療法は軽症から最重症までの患者に推奨されているが, 抗 IgE 抗体療法は重症以上のスギ花粉症に対してのみ使用できる. 患者の病型や重症度に応じて適切に治療方法を選択すべきである.
著者
後藤 穣
出版者
日本鼻科学会
雑誌
日本鼻科学会会誌 (ISSN:09109153)
巻号頁・発行日
vol.51, no.1, pp.64-66, 2012 (Released:2012-05-22)
参考文献数
2
著者
奥田 稔 高坂 知節 三宅 浩郷 原田 康夫 石川 哮 犬山 征夫 間口 四郎 新川 秀一 池野 敬一 松原 篤 稲村 直樹 中林 成一郎 後藤 了 小野寺 亮 遠藤 里見 亀井 民雄 室井 昌彦 馬場 廣太郎 島田 均 舩坂 宗太郎 大橋 伸也 鄭 正舟 小澤 実佳 八木 聰明 大久保 公裕 後藤 穣 服部 康夫 上野 則之 柏戸 泉 大塚 博邦 山口 潤 佃 守 池間 陽子 坂井 真 新川 敦 小林 良弘 佐藤 むつみ 山崎 充代 藤井 一省 福里 博 寺田 多恵 小川 裕 加賀 達美 渡辺 行雄 中川 肇 島 岳彦 齋藤 等 森 繁人 村上 嘉彦 久松 建一 岩田 重信 井畑 克朗 坂倉 康夫 鵜飼 幸太郎 竹内 万彦 増田 佐和子 村上 泰 竹中 洋 松永 喬 上田 隆志 天津 睦郎 石田 春彦 生駒 尚秋 鈴木 健男 涌谷 忠雄 宮國 泰明 夜陣 紘治 森 直樹 田頭 宣治 宮脇 浩紀 青木 正則 小林 優子 高橋 正紘 沖中 芳彦 遠藤 史郎 池田 卓生 関谷 透 奥園 達也 進 武幹 前山 忠嗣 恒冨 今日子 増山 敬祐 浅井 栄敏 土生 健二郎 中崎 孝志 吹上 忠祐 角田 憲昭 渡辺 隆 野口 聡 隈上 秀伯 吉見 龍一郎 茂木 五郎 鈴木 正志 大橋 和史
出版者
耳鼻と臨床会
雑誌
耳鼻と臨床 (ISSN:04477227)
巻号頁・発行日
vol.42, no.5, pp.633-658, 1996-09-20 (Released:2013-05-10)
参考文献数
21

通年性アレルギー性鼻炎患者211例を対象に, KW-467910mg/日 (KW群) の有効性, 安全性および有用性をoxatomide 60mg/日 (OX群) を対照薬として多施設二重盲検群間比較試験により検討した.最終全般改善度の「改善」以上は, KW群61-6%, OX群57.6%で, 両群間に有意差は認められなかつたが, 同等性の検証を行った結果, KW群はOX群と比較して同等ないしそれ以上と考えられた. 概括安全度の「安全性に問題なし」と評価された症例は, KW群68.0%, OX群61.4%で, 両群間に有意差は認められなかった. 主な副作用症状は両群とも眠気であった. 有用度の「有用」以上は, KW群54.9%, OX群50.5%であり両群間に有意差はなかったが, KW群の方がやや有用率が高かった.以上の成績より, KW-4679は通年性アレルギー性鼻炎に対して, 臨床的に有用性の高い薬剤であると考えられた.
著者
松根 彰志 黒野 祐一 砂塚 敏明 大久保 公裕 吾妻 安良太 藤倉 輝道 後藤 穣 吉福 孝介 大堀 純一郎
出版者
日本医科大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2010

マクロライドは本来抗菌薬としての作用があるが、慢性副鼻腔炎治療の分野では抗炎症作用としての働きが期待され、近年「マクロライド少量長期投与療法」が確立された。しかし、鼻茸や副鼻腔粘膜に好酸球浸潤が著明に認められ、アスピリン喘息を含む気管支喘息の合併が高頻度に認められる成人での難治性、易再発性の慢性副鼻腔炎には効果がない。経口ステロイドの漸減療法や長期使用に頼らざるをえないのが現状である。一方マクロライドには、過剰な免疫反応の抑制、調整作用やあることも分かってきていることから、直接の治療効果がなくてもステロイドのいわゆる増強する作用(primingeffect、プライミング効果)が期待でき、本疾患治療におけるステロイド使用の減量が期待できると考えられた。手術で得られた鼻茸粘膜の培養系や、術後症例に対するマクロライド少量長期投与とステロイド点鼻の併用効果から、期待されたプライミング効果はすべての症例に対して認められたわけではなかったが、程度の差はあるものの症例によっては認められた。どのような症例で認められるかについては今後の検討課題である。ただし副作用の点などから、術後の内服ステロイドの30~40mg/dayからの漸減療法2週間終了後、マクロライドの少量長期投与にステロイド点鼻(鼻噴霧用ステロイドよりはベタメタゾン点鼻)の併用でとりあえず様子を見ることは意義のあることであり、今回の重要な研究の成果と考えられる。更なる症例の蓄積による検討が必要である。
著者
奥田 稔 大久保 公裕 後藤 穣 石田 裕子
出版者
一般社団法人 日本アレルギー学会
雑誌
アレルギー (ISSN:00214884)
巻号頁・発行日
vol.54, no.6, pp.555-558, 2005
被引用文献数
1

【目的】スギ花粉時然曝露による花粉の身体への付着を花粉症発症予防のために明らかにする. 【方法】非スギ花粉症男性高校生10名を洗顔後, 非花粉汚染木綿Tシャツ, 運動帽を着用, 運動場および教室内で2003年3月16日それぞれ2時間自由行動させ, 粘着テープでシャツ, 帽子, 顔面皮膚から付着花粉を採取カウントした. 不織木綿, 綿ポリエステル混紡, 羊毛布地を水洗, 運動場10カ所で5時間放置乾燥後, 付着スギ花粉を同様に採取カウントした. 実験運動場, 教室の浮遊, 落下花粉数もカウントした. 【結果】Tシャツ, 帽子, 皮膚付着花粉は運動場で教室内より多かった. 教室内外では単位面積当り付着数は有意差がなく, 教室内ではTシャツが皮膚より多い傾向にあった. 水洗布地への付着数は混紡で, 綿, 羊毛より少なかったが傾向差であった. 浮遊花粉数は教室内で少なかった. 【考察】結論:外出には混紡のコート, 帽子を着用し, 帰宅後は洗顔をする. コート, 帽子は玄関のコート掛けにかけておくが良い.