著者
喜多川 進
出版者
山梨大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2010

本研究では、まず、環境政策に関する歴史的研究の動向を整理し、環境政策史が必要とされる背景を確認した。そして、環境政策の性格変容の解明をはじめとし、これまでの環境政策の実態を詳細に把握する環境政策史は、これからの環境政策を構想するうえでも有用であることを示した。さらに、発展した一方で分断化も進んだ環境経済学、環境政治学、環境法学、環境社会学といった環境政策に関わる諸学問を、環境政策史が架橋する可能性についても検討した。また、環境政策史は、都留重人や宮本憲一らによる日本の公害研究の流れを再発見し、発展させるものでもあることを示した。そのうえで、日独の容器包装廃棄物政策に関する環境政策史研究もおこなった。
著者
長谷川 公一 町村 敬志 喜多川 進 品田 知美 野田 浩資 平尾 桂子 池田 和弘
出版者
東北大学
雑誌
基盤研究(A)
巻号頁・発行日
2010-04-01

本研究は、気候変動政策の政策形成過程と政策ネットワークに関する国際比較研究の日本版である。主要3紙の関連記事を対象としたメディア分析と主要な関係団体に対する質問紙調査とインタビュー調査からなる。後者では、省庁・政府系研究機関・業界団体・民間シンクタンク・NGO・自治体・政党・マスメディア・企業など125団体の気候変動問題担当者に質問紙を用いて面接、72団体から回答を得た(回収率57.6%)経済・業界団体などのように、自主的な削減の取り組みを評価し、大きな削減目標に消極的なグループと、地方自治体・環境NGOなどのように、法的な削減を求め、削減に積極的なグループとに2極化していることがわかった。