著者
喜多村 尚 小原 郁夫
出版者
公益社団法人 日本栄養・食糧学会
雑誌
日本栄養・食糧学会誌 (ISSN:02873516)
巻号頁・発行日
vol.62, no.6, pp.291-296, 2009 (Released:2010-01-29)
参考文献数
24
被引用文献数
1

基本4味に対する味覚感度の月経周期における変動については明らかにはなっていない。本研究は, ヒトの月経周期による基本4味 (甘味, 酸味, 苦味, 塩味) に対する味覚感度の変動について検討した。卵胞期と黄体期が明らかである基礎体温パターンを示した11名の健常女子大生を, 被験者とした。味覚感度の測定部位は, 舌の前2/3の茸状乳頭が散在し, 鼓索神経支配を受けている舌の7カ所とした。ついで, 舌の先端部中央における4基本味に対する味覚感度の測定を行った。甘味の味覚感度は, 卵胞期および黄体期が月経期および排卵期より上昇し, 酸味の味覚感度は, 黄体期が排卵期より低下した。しかし, 塩味および苦味の味覚感度は, 月経周期による変動は観察されなかった。これらのことから, 甘味は, 代謝リズムが急激に変わる月経および排卵期に味覚感度が低下するが, 基本4味すべてにおいて卵胞期と黄体期の間で変動がないことが示唆された。
著者
喜多村 尚 小原 郁夫
出版者
日本栄養・食糧学会
巻号頁・発行日
vol.62, no.6, pp.291-296, 2009 (Released:2011-03-28)

基本4味に対する味覚感度の月経周期における変動については明らかにはなっていない。本研究は、ヒトの月経周期による基本4味(甘味、酸味、苦味、塩味)に対する味覚感度の変動について検討した。卵胞期と黄体期が明らかである基礎体温パターンを示した11名の健常女子大生を、被験者とした。味覚感度の測定部位は、舌の前2/3の茸状乳頭が散在し、鼓索神経支配を受けている舌の7カ所とした。ついで、舌の先端部中央における4基本味に対する味覚感度の測定を行った。甘味の味覚感度は、卵胞期および黄体期が月経期および排卵期より上昇し、酸味の味覚感度は、黄体期が排卵期より低下した。しかし、塩味および苦味の味覚感度は、月経周期による変動は観察されなかった。これらのことから、甘味は、代謝リズムが急激に変わる月経および排卵期に味覚感度が低下するが、基本4味すべてにおいて卵胞期と黄体期の間で変動がないことが示唆された。
著者
喜多村 尚 小原 郁夫
出版者
日本栄養・食糧学会
雑誌
日本栄養・食糧学会誌 : Nippon eiy◆U014D◆ shokury◆U014D◆ gakkaishi = Journal of Japanese Society of Nutrition and Food Science (ISSN:02873516)
巻号頁・発行日
vol.62, no.6, pp.291-296, 2009-12-10
参考文献数
24
被引用文献数
2

基本4味に対する味覚感度の月経周期における変動については明らかにはなっていない。本研究は, ヒトの月経周期による基本4味 (甘味, 酸味, 苦味, 塩味) に対する味覚感度の変動について検討した。卵胞期と黄体期が明らかである基礎体温パターンを示した11名の健常女子大生を, 被験者とした。味覚感度の測定部位は, 舌の前2/3の茸状乳頭が散在し, 鼓索神経支配を受けている舌の7カ所とした。ついで, 舌の先端部中央における4基本味に対する味覚感度の測定を行った。甘味の味覚感度は, 卵胞期および黄体期が月経期および排卵期より上昇し, 酸味の味覚感度は, 黄体期が排卵期より低下した。しかし, 塩味および苦味の味覚感度は, 月経周期による変動は観察されなかった。これらのことから, 甘味は, 代謝リズムが急激に変わる月経および排卵期に味覚感度が低下するが, 基本4味すべてにおいて卵胞期と黄体期の間で変動がないことが示唆された。
著者
喜多村 尚 小原 郁夫
出版者
公益社団法人 日本栄養・食糧学会
雑誌
日本栄養・食糧学会誌 (ISSN:02873516)
巻号頁・発行日
vol.63, no.2, pp.79-85, 2010 (Released:2010-06-02)
参考文献数
31
被引用文献数
3 5

唾液分泌と月経周期との相互関係については明らかにはなっておらず, さらに, 月経周期各期における唾液成分の日内変動に関する報告はない。本研究では, ヒトの月経周期による唾液分泌量および唾液成分の変化に着目し, 月経周期におけるこれらの日内変動について検討した。11名の健常女子大生の唾液採取を9時から20時まで1時間おきに12回行った。このとき採取した唾液を用いて, 唾液分泌量, 唾液タンパク質分泌量, 唾液アミラーゼ活性および唾液pHの日内変動を測定した。唾液分泌量はすべての周期で, さらに唾液タンパク質は卵胞期および黄体期のみで, 午前, 午後, 夕方にかけて上昇する日内変動がみられたのに対し, 唾液アミラーゼ活性および唾液pHは日内変動が観察されなかった。月経周期別においては, 唾液分泌量および唾液アミラーゼ活性は黄体期で有意に高い値となったが, 唾液タンパク質および唾液pHは黄体期で有意に低い値となった。これらのことから, 唾液分泌および成分の日内変動があることが観察され, また月経周期によってこれらが変動することが示唆された。