著者
長町 三生 西野 達夫 石原 茂和 松原 行宏 土屋 敏夫
出版者
広島国際大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2003

研究内容は以下の3点となる。1.感性工学によるネーミングシステムの構築と応用デザインデータベースの構築の一環として,もののネーミングを支援するシステムを構築した。これは橋やトンネルなど土木建造物の命名を支援することが当初の目的である。風土に関する資料や百科事典での記述をシードとする。日本語の意味概念階層辞書をデータベースに用いて,階層の上下,同一階層内での類似概念を調べ,シードから発想をふくらませた名前を提案するシステムである。これについては,感性工学会論文誌に掲載した。2.感性工学の基礎的デザインデータベースの構築とJavaベースのシステムの作成感性工学データの分析結果をWebで共有できるようにするために,角の丸み,直方体の辺の比率(これはヒューマンインターフェイス学会論文誌に発表),自動車インテリア,ヘアトリートメント容器の分析結果をデータベースにした。さらに,Javaで缶ビールの感性工学システムを作成した。3.デザインコラボレーションの実験とコラボレーションプロセスの分析スウェーデンリンシェピン大学と広島国際大学の学生間で,缶ビールを題材としてデザインのコラボレーションを行ない,そのプロセスを分析した。上で挙げたデータベースを用い,電子掲示板システムによるスケッチやCGデータの共有と意見交換,インターネットビデオフォンを使ったリアルタイムコミュニケーションを用いた。コラボレーションのプロセスを分析した結果,次のことが分かった。A.感性工学システムを使って,デザインと感性との関係をつかむことにより,互いに一度もあったことのない被験者どうしでもデザインの意図が互いに誤解無くやりとりすることができた。感性工学システムをネットでつかうことにより,国際的なデザインプロセスが促進されることが分かった。B.単に感性工学システムにある知識を使うだけでなく,それを土台として発展的にデザインプロセスが進んだ。システムにあるデザインと感性の関係を無批判に使うのではなく(例:もっとふさわしい色は別にないのか,など),議論とアイディアを出しあうことで創造性を引き出す触媒として使用された。C.文化間の差を刺激として創造的な発展を見せた。日本ではあまりないが,北欧では飲料メーカーがさまざまな冬季スポーツを援助している。この意見のやりとりから,"スポーティ"な要素を加味するためのアイディアが双方から活発にだされ,統合されて試作品が完成した。
著者
土屋 敏夫 松原 行宏 長町 三生
出版者
日本知能情報ファジィ学会
雑誌
日本ファジィ学会誌 (ISSN:0915647X)
巻号頁・発行日
vol.9, no.6, pp.900-907, 1997-12-15 (Released:2017-09-25)
参考文献数
16
被引用文献数
1

対象事例に対して一般化された木構造を生成するために, ファジィ決定木の構造学習に遺伝的アルゴリズムを適用した決定木生成手法(FDTGA)を提案する.FDTGAは, (1)遺伝的アルゴリズムを決定木の構造学習に適用する, (2)決定木の構造を染色体へ間接的にコーディングする(3)学習中に複数の解を獲得可能であるなどの特徴を有している.したがって, 多くの属性で記述されるような複雑なデータに対してもコンパクトで精度の良いファジィ決定木を獲得できると考えられる.本論文では, 提案手法の概要とアルゴリズムの説明の後, 数値シミュレーションを行い, 対象事例に対する決定木の構造とファジィ分類ルールの獲得を試みる.獲得されたルールは他の手法によって得られたルールの結果と比較する.その結果において, 獲得された構造と推論ルールを対象事例との関連から考察し, 提案手法の有効性を示す.
著者
土屋 敏夫
出版者
信州大学農学部
雑誌
信州大学農学部農場報告
巻号頁・発行日
vol.1, pp.80-81, 1980-03-25