著者
小野 真道 長町 三生 松原 行宏 松島 加代子
出版者
一般社団法人 日本人間工学会
雑誌
人間工学 (ISSN:05494974)
巻号頁・発行日
vol.26, no.5, pp.243-250, 1990-10-15 (Released:2010-03-11)
参考文献数
11

本論文では, クライエントの心理状態を考慮し, 自然言語を用いて効果的なカウンセリングを行うシステムを提案する. カウンセリング理論において, クライエントの状態に適したカウンセリングを行うことは非常に重要である. そこで, システムにクライエントの状態を表現するクライエントモデルを導入する. そして, そのモデルの状態よりカウンセリングのタイプを表す最適なカウンセリング態度を判断し, 応答に反映させる. また, カウンセリング対象を交通問題に限定し, 交通に関するデータベースを作成することによりクライエントに的確な応答を与える.
著者
松原 達郎 松原 行宏 石原 茂和
出版者
日本感性工学会
雑誌
日本感性工学会論文誌 (ISSN:18840833)
巻号頁・発行日
vol.14, no.1, pp.107-117, 2015 (Released:2015-02-20)
参考文献数
24

In product development, a method of cost cutting is required for manufacturing prototypes. Based on our recent research, we propose a low-cost prototyping system for subjective evaluation using a virtual environment. We call this method “Virtual prototyping using Kansei evaluation”. We determine the surface roughness and orientation, surface reflectance and transmission of surface-finished papers. Measured data are analyzed using directional statistics and subjective evaluation of surface-finished papers. As a result, we obtain the surface roughness and orientation, as well as the directional intensity of the surface-finished papers. We described the Kansei structures of subjective evaluation “thin”, “weighty”, “airy”, “hard”, and “tender” from kurtosis and luminance of surface reflections and transmissions. Using these techniques, it is possible to create surface appearances for virtual prototyping.
著者
長町 三生 西野 達夫 石原 茂和 松原 行宏 土屋 敏夫
出版者
広島国際大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2003

研究内容は以下の3点となる。1.感性工学によるネーミングシステムの構築と応用デザインデータベースの構築の一環として,もののネーミングを支援するシステムを構築した。これは橋やトンネルなど土木建造物の命名を支援することが当初の目的である。風土に関する資料や百科事典での記述をシードとする。日本語の意味概念階層辞書をデータベースに用いて,階層の上下,同一階層内での類似概念を調べ,シードから発想をふくらませた名前を提案するシステムである。これについては,感性工学会論文誌に掲載した。2.感性工学の基礎的デザインデータベースの構築とJavaベースのシステムの作成感性工学データの分析結果をWebで共有できるようにするために,角の丸み,直方体の辺の比率(これはヒューマンインターフェイス学会論文誌に発表),自動車インテリア,ヘアトリートメント容器の分析結果をデータベースにした。さらに,Javaで缶ビールの感性工学システムを作成した。3.デザインコラボレーションの実験とコラボレーションプロセスの分析スウェーデンリンシェピン大学と広島国際大学の学生間で,缶ビールを題材としてデザインのコラボレーションを行ない,そのプロセスを分析した。上で挙げたデータベースを用い,電子掲示板システムによるスケッチやCGデータの共有と意見交換,インターネットビデオフォンを使ったリアルタイムコミュニケーションを用いた。コラボレーションのプロセスを分析した結果,次のことが分かった。A.感性工学システムを使って,デザインと感性との関係をつかむことにより,互いに一度もあったことのない被験者どうしでもデザインの意図が互いに誤解無くやりとりすることができた。感性工学システムをネットでつかうことにより,国際的なデザインプロセスが促進されることが分かった。B.単に感性工学システムにある知識を使うだけでなく,それを土台として発展的にデザインプロセスが進んだ。システムにあるデザインと感性の関係を無批判に使うのではなく(例:もっとふさわしい色は別にないのか,など),議論とアイディアを出しあうことで創造性を引き出す触媒として使用された。C.文化間の差を刺激として創造的な発展を見せた。日本ではあまりないが,北欧では飲料メーカーがさまざまな冬季スポーツを援助している。この意見のやりとりから,"スポーティ"な要素を加味するためのアイディアが双方から活発にだされ,統合されて試作品が完成した。
著者
土屋 敏夫 松原 行宏 長町 三生
出版者
日本知能情報ファジィ学会
雑誌
日本ファジィ学会誌 (ISSN:0915647X)
巻号頁・発行日
vol.9, no.6, pp.900-907, 1997-12-15 (Released:2017-09-25)
参考文献数
16
被引用文献数
1

対象事例に対して一般化された木構造を生成するために, ファジィ決定木の構造学習に遺伝的アルゴリズムを適用した決定木生成手法(FDTGA)を提案する.FDTGAは, (1)遺伝的アルゴリズムを決定木の構造学習に適用する, (2)決定木の構造を染色体へ間接的にコーディングする(3)学習中に複数の解を獲得可能であるなどの特徴を有している.したがって, 多くの属性で記述されるような複雑なデータに対してもコンパクトで精度の良いファジィ決定木を獲得できると考えられる.本論文では, 提案手法の概要とアルゴリズムの説明の後, 数値シミュレーションを行い, 対象事例に対する決定木の構造とファジィ分類ルールの獲得を試みる.獲得されたルールは他の手法によって得られたルールの結果と比較する.その結果において, 獲得された構造と推論ルールを対象事例との関連から考察し, 提案手法の有効性を示す.
著者
河野 貴範 松原 行宏 岡本 勝
出版者
日本教育工学会
雑誌
日本教育工学会論文誌 (ISSN:13498290)
巻号頁・発行日
vol.41, no.Suppl., pp.077-080, 2018-03-01 (Released:2018-03-01)
参考文献数
4

我々の研究グループでは力覚提示デバイスを用いた学習支援システムの研究を行っている.また,視覚情報から力覚を錯覚させる擬似力覚という手法があり,擬似力覚提示を学習支援システムに用いた研究も行われている.しかしそれら2つの提示方法の学習における差異についての研究は行われていない.そこで本研究では各提示方法による学習効果や各提示方法の特性の比較を目的とし,力覚提示と擬似力覚提示,比較用に音声提示を組み込んだ漢字学習支援システムを開発した.システムを用いた実験により擬似力覚提示は力覚提示よりも感じられる度合いに個人差が見られたが,感じられた人は力覚提示と同様の教示的効果を得られることが確認できた.
著者
神邊 篤史 永井 久美 松原 行宏 岩根 典之 岡本 勝
出版者
日本教育工学会
雑誌
日本教育工学会論文誌 (ISSN:13498290)
巻号頁・発行日
vol.33, no.2, pp.143-150, 2009-10-10 (Released:2016-08-06)
参考文献数
7

運動学習による動作訓練は,新たな身体技能の獲得や日常生活における身体機能の再獲得において重要である.本報告では上肢の大きな動作の学習のための仮想環境について提案する.本システムにおいて,学習者は環境内に提示されるポインタの位置を視覚や触覚を通して確認することで,動作を修正しながら目標位置に向かって上肢を動かしていく.具体的には,cube型環塊と三次元迷路環境の2つの環境での訓練により,上肢の大きな動作を行う際の運動の計画,運動の実行と修正や,問題のある筋の特定が可能である.健常大学生を対象とした実験では,本システムを用いた動作習熟の可能性を確認できた.
著者
神邊 篤史 松原 行宏 岩根 典之
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会論文誌. D, 情報・システム (ISSN:18804535)
巻号頁・発行日
vol.91, no.2, pp.314-323, 2008-02-01
被引用文献数
5

リハビリテーションにおいては,力覚フィードバックを提示することで,関節可動域の拡大などに対し効果的に寄与すると考えられている.そこで,我々は力覚フィードバック機能を用いた上肢運動リハビリテーション支援システムの開発を目指している.反力デバイスを用い仮想訓練環境でボールを投げることで,重さ感覚を知覚しながら腕の動きを訓練することができるようにする.投げる動作は上肢運動の中でも数多くの種類を必要とすることから比較的難しいため,四つのステップに分け,障害当事者にとって難易度に応じた訓練の選択が可能な環境を構築した.また,目的動作の達成を支援するために,腕の動きの表示などを行った.本研究では特にシステムの基本的な機能である,力覚フィードバック機能を導入することで,より効果的な訓練が実施できるかどうかの検討を行った.また,仮想訓練環境内に表示される腕の動きの表示機能の有効性についても考察した.その結果,表示を見て腕を動かすこと,反力を感じながら動作をすることで,より正確に動作をすることができた.
著者
神邊 篤史 永井 久美 松原 行宏 岩根 典之 岡本 勝
出版者
日本教育工学会
雑誌
日本教育工学会論文誌 (ISSN:13498290)
巻号頁・発行日
vol.33, no.2, pp.143-150, 2009

運動学習による動作訓練は,新たな身体技能の獲得や日常生活における身体機能の再獲得において重要である.本報告では上肢の大きな動作の学習のための仮想環境について提案する.本システムにおいて,学習者は環境内に提示されるポインタの位置を視覚や触覚を通して確認することで,動作を修正しながら目標位置に向かって上肢を動かしていく.具体的には,cube型環塊と三次元迷路環境の2つの環境での訓練により,上肢の大きな動作を行う際の運動の計画,運動の実行と修正や,問題のある筋の特定が可能である.健常大学生を対象とした実験では,本システムを用いた動作習熟の可能性を確認できた.
著者
岡野 郁子 松原 行宏 岩根 典之 中村 学
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. ET, 教育工学 (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.105, no.336, pp.7-12, 2005-10-08
被引用文献数
1

本研究では, 学習者がより体験的に学習できるように簡易視点変更機能を数学分野におけるVR型学習支援システムで使用することを検討している.簡易視点変更機能とは身体動作に連動し, 3次元空間内を自由に移動し, 観察することができる機能である.没入感, 臨場感, 操作感といったVRの特徴とこの簡易視点変更機能を利用し, 数学分野の空間図形における学習支援システムを提案する.
著者
川崎 亨 岩根 典之 松原 行宏 岡本 勝
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. ET, 教育工学 (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.109, no.163, pp.39-44, 2009-07-24

VR技術を用いた体験型学習支援環境では,物理的,時間的要因から現実世界では体験が困難な事象でも容易に体験することができる.本研究では,より自然な体験ができる事を目的として,学習者が複数の感覚を通じてインタラクションが行えるように,身体動作に連動して観察対象への視点が変化する手法と,力覚を伴って対象を直感的に操作する手法を,組み合わせて一つのシステムの中で提供する.このインタラクション方法を用いて,星座の年周運動を題材とした体験型学習環境のプロトタイプシステムを設計したので報告する.