著者
土永 知子
出版者
和歌山県立日高高等学校
雑誌
奨励研究
巻号頁・発行日
2011

研究目的:天然記念物として指定された神島には、1934年に南方熊楠らによって作成された顕著樹木所在図がある。1998年に田辺市が行った調査で台風の被害やウが集まったことにより植物相に変化があった。そこで、現在の樹木分布図を作成し、神島の植物相の変遷をあきらかにする。研究方法:田辺市教育委員会文化振興課の協力で、調査を実施した。GPSやGPS機能付きデジカメを用いて、顕著樹木の分布図を作成した。研究成果:1998年の調査では無かったタブノキが「おやま」にあり、幼樹もあることがわかった。「おやま」にウは現在も断続的に飛来しているため、ヨウシュヤマゴボウなどの窒素が多い土壌を好む植物が増えた林分がある。「こやま」では、崖にはハカマカズラが繁殖し、斜面に樹木も生育しているが、2011年の台風で崖の部分で大規模な岩石の崩落があり、植生の回復が遅れていることがわかった。
著者
岩崎 仁 萩原 博光 坂東 忠司 安田 忠典 中瀬 喜陽 土永 浩史 土永 知子
出版者
京都工芸繊維大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2006

驚異的な「博物学的知識」が南方熊楠の第一の特徴であるが、一方で彼は日本の先駆的自然保護活動家として評価されている。本研究によって、彼の自然保護活動は、熊野地方を対象とした緻密な自然生態系調査、特に1900~1904 年の那智における植物標本採集を中心としたフィールド調査を絶対的な基礎としていることが明らかとなった。さらに、この時期の植物・生態学的な研究活動が、後に形成される熊楠の思考体系全体、民俗学や宗教学的側面にまで深く影響していることがわかった。