著者
安田 忠典
出版者
人体科学会
雑誌
人体科学 (ISSN:09182489)
巻号頁・発行日
vol.12, no.1, pp.25-36, 2003-05-30

Kumagusu Minakata is well known for his research in a great variety of fields. For about two years from 1902, he lived in the forest of Mt. Nachi, and during this period his studies focused on abnormal psychology in addition to his interests in botany, literature and folklore. Actually, he has been concerned in this topic from quite early. It was rather long before time this topic was recognized as one field of academic research in Japan. Minakata's research method was unique in a sense that others never anticipated, as he recorded the occurrence of the abnormal status of his own mind. Minakata continued to study this research subject even when it was rather neglected by the Japanese academism later on, and attempted to confirm a scientific viewpoint.
著者
松居 竜五 奥山 直司 橋爪 博幸 安田 忠典 小峯 和明 千本 英史 横山 茂雄
出版者
龍谷大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2008

本研究では南方熊楠の未公刊資料のうち、書簡、日記、ノート類など自筆原稿に関して、翻刻およびデータ編集をおこなった。またその結果に基づいて論文、展観、シンポジウムなどのかたちで南方思想の学際的かつ国際的な研究を進めた。このことにより、南方の比較説話学、仏教学、環境思想などに関して、従来よりも幅広く精緻な像を示し、今後の研究の方向性を切り開くことができたと考えている。
著者
岩崎 仁 萩原 博光 坂東 忠司 安田 忠典 中瀬 喜陽 土永 浩史 土永 知子
出版者
京都工芸繊維大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2006

驚異的な「博物学的知識」が南方熊楠の第一の特徴であるが、一方で彼は日本の先駆的自然保護活動家として評価されている。本研究によって、彼の自然保護活動は、熊野地方を対象とした緻密な自然生態系調査、特に1900~1904 年の那智における植物標本採集を中心としたフィールド調査を絶対的な基礎としていることが明らかとなった。さらに、この時期の植物・生態学的な研究活動が、後に形成される熊楠の思考体系全体、民俗学や宗教学的側面にまで深く影響していることがわかった。