著者
渡邉 賢三 横関 康祐 坂田 昇 坂井 悦郎
出版者
公益社団法人 土木学会
雑誌
土木学会論文集E2(材料・コンクリート構造) (ISSN:21856567)
巻号頁・発行日
vol.68, no.1, pp.83-92, 2012 (Released:2012-03-19)
参考文献数
14

コンクリートの耐久性向上を目標として低熱ポルトランドセメントにγ-2CaO.SiO2と各種ポゾランを混入して炭酸化養生することによって空隙を小さくする手法を検討した.実験的手法によって空隙率の経時変化と化学分析に基づく組成評価を行った結果,ポゾラン物質を含有することにより,前養生終了時の空隙が増大しCO2の移動量が大きくなること,およびγ-2CaO.SiO2と炭酸の反応性が促進されることの相乗効果によって空隙が著しく減少していることを明らかにした.
著者
盛岡 実 萩原 宏俊 坂井 悦郎 大門 正機
出版者
日本コンクリート工学協会
雑誌
コンクリート工学年次論文報告集 (ISSN:13404741)
巻号頁・発行日
vol.21, no.2, pp.157-162, 1999-06-01
参考文献数
11
被引用文献数
7

膨張材を混和したセメントペーストの化学収縮は無混和のセメントペーストと比較して大きい。膨張材無混和のペーストは自己収縮を示したが,膨張材を混和したセメントペーストは自己膨張を示した。自己体積変化と化学収縮の差より,水和物によって埋められなかった空隙について検討した。膨張材を混和したセメントペーストは,無混和のペーストと比較して結合水量が大きく,化学収縮も大きい一方で,自己膨張を示したことより,水和物によって埋められなかった空隙の他に,水和物によって創り出された空隙が存在することが明らかとなった。
著者
笹川 幸男 真下 昌章 福手 勤 坂井 悦郎
出版者
公益社団法人日本コンクリート工学会
雑誌
コンクリート工学年次論文報告集 (ISSN:13404741)
巻号頁・発行日
vol.20, no.2, pp.157-162, 1998-06-30
被引用文献数
1

遊離石灰一アウインー遊離セッコウを主体とするカルシウムサルフォアルミネート系のコンクリート用膨張材を混和した膨張コンクリートの耐久性に関し,15年経過した海洋コンクリート構造物から試験体を採取し,圧縮強度,塩化物イオン含有量,水和物を測定した結果,普通コンクリートとほぼ同等であることが明らかとなった。さらにペースト実験によりカルシウムサルフォアルミネート系膨張材の反応とエトリンガイト生成の関係を調べ,膨張材の主成分であるアウインは材齢3日で,遊離石灰は材齢1時間ですべて反応していることが明らかとなった。