- 著者
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坂井 隆敏
北原 大吉
鳥丸 亮
松本 清
- 出版者
- 公益社団法人 日本分析化学会
- 雑誌
- 分析化学 = Japan analyst (ISSN:05251931)
- 巻号頁・発行日
- vol.53, no.12, pp.1449-1454, 2004-12-05
- 参考文献数
- 13
- 被引用文献数
-
2
近年,地雷埋設地帯や爆薬製造工場近辺において,爆薬関連化合物による環境汚染が問題となっている.爆薬2,4,6-トリニトロトルエンは,環境中に放出されると2,4-ジニトロトルエン(2,4-DNT)や2-アミノ-4,6-ジニトロトルエン(2-ADNT)などに変換される.これらは,人体に対する毒性や変異原性,発がん性等が危惧され,環境中における濃度や分布状況の把握が急務である.これら化合物の迅速かつ高感度な測定法の確立を目的として,化学発光酵素免疫センサーを構築した.目的物質に対する抗体を作製し,免疫センサーを構築することで,わずか15分の測定時間でおよそ10~1000 ng/mlの2,4-DNT及び2-ADNTの測定が可能であった.相対標準偏差は0.8~7.1%(<i>n</i>=3)と比較的良好なものであった.また,抗原・抗体反応を行う際の流量を低下させることにより,更に高感度な測定が可能であった. <br>