著者
坂本 忠規
出版者
公益財団法人 竹中大工道具館
雑誌
竹中大工道具館研究紀要 (ISSN:09153685)
巻号頁・発行日
vol.23, pp.17-45, 2012 (Released:2021-03-20)
参考文献数
17

新潟県三条における木製墨壺の生産について、残り少なくなった職人への聞き取りと関連資料の調査をもとに整理した結果、次の成果を得た。 1 三条で用いられている墨壺の類型と各部名称を整理した。 2 墨壺の製作技法について、写真を交えた工程の記録を作成した。 3 明治中頃から三条に興隆した墨壺生産について、現在に至るまでの発達史をまとめた。
著者
坂本 忠規 鎌田 正彦
出版者
公益財団法人 竹中大工道具館
雑誌
竹中大工道具館研究紀要 (ISSN:09153685)
巻号頁・発行日
vol.28, pp.21-39, 2017 (Released:2021-03-20)
参考文献数
17

本稿は新出資料である「普請下絵図畳板」に含まれている畳板と製図道具について、それぞれ資料紹介と評価を行い、あわせて近世的な製図技法と道具について考察を加えたものである。要点は次のとおりである。 1. 畳板は畳の縮尺1/20の模型で、大規模屋敷の平面計画に用いられたと考えられる。これまで紙製のものが知られていたが、本資料は木製でありかつ壁・敷居の位置を示す敷棒まで含まれており、貴重である。 2. 6点の製図道具はそれぞれ添軸、図引、突針の三種に分類され古様を残している。添軸とは毛筆と合わせて用いる製図補助具であり戦後まで一部の大工の間で使用されていた。図引は現在でいうところの烏口に相当する道具であることがわかった。 3. 本資料の使用年代は早ければ17世紀まで遡る可能性があるものの、製図道具の発達状況から勘案して19世紀前半頃、遅くても明治初期頃と推測した。
著者
坂本 忠規 中川 武 中沢 信一郎 林 英昭 レ ヴィンアン
出版者
公益財団法人 竹中大工道具館
雑誌
竹中大工道具館研究紀要 (ISSN:09153685)
巻号頁・発行日
vol.20, pp.37-76, 2009 (Released:2021-03-22)
参考文献数
26

1 本稿は2007年9月および12月に実施したベトナム北部ハナム省・中部トゥアティエンフエ省・中南部ニントゥアン省における伝統木造建築と大工道具に関する調査結果の一部を報告したものである。 2 調査地域の伝統木造建築に代表されるようにベトナムの木造建築は中国の影響下にありつつも登り梁を用いた独自の架構形式や細部意匠を持つ。また北部の梁を重ねる小屋組に対し、中部や南部では真束式とするなど、北部と中・南部で構造技法が大きく異なる。 3 特徴的な架構は設計の道具にも影響を与えており、大矩や腋尺など独特な道具の使用を見ることができる。また木槌やT 字型斧の使用など中国や他の東南アジア地域では見られない独自の道具の使い方が確認された。
著者
坂本 忠規
出版者
一般社団法人 情報科学技術協会
雑誌
情報の科学と技術 (ISSN:09133801)
巻号頁・発行日
vol.69, no.2, pp.78-83, 2019-02-01 (Released:2019-02-01)

竹中大工道具館は失われゆく大工道具を後世に残すために1984年に竹中工務店によって神戸に設立された博物館である。同館では2014年に開館30周年を迎え「五感に響く」をテーマに常設展のリニューアルを行った。そこではテーマを実現するために「実物大模型によるリアルな展示」「露出展示の多用」「絵を使った解説」「デジタル機器を用いた演出」「ハンズオンと引き出し展示」という手法が採用され,好評を得ていることを紹介した。また同館で実施されている大工道具の収蔵方法についても併せて紹介した。
著者
松本 始 坂本 忠規
出版者
公益財団法人 竹中大工道具館
雑誌
竹中大工道具館研究紀要 (ISSN:09153685)
巻号頁・発行日
vol.32, pp.3-21, 2021 (Released:2021-03-20)
参考文献数
6

本稿では三重県玉城町の三縁寺に残されていた文書のうち、文化3年(1818)の本堂建替の棟梁として活動した九代竹中藤右衛門に関するものを取り上げ、その解説と翻刻文を掲載した。あわせて同文書から判明する九代竹中藤右衛門の活動地域と業務内容を明らかにし、江戸後期の大工棟梁の実態について考察を加えた。