著者
黒星 きらら マナロ エマニュエル 高橋 哲也 佐藤 鮎美
出版者
日本認知科学会
雑誌
認知科学 (ISSN:13417924)
巻号頁・発行日
vol.30, no.3, pp.327-339, 2023-09-01 (Released:2023-09-15)
参考文献数
31

This study examined how cultural self-construal and others’ facial expressions affect shifting in decision-making due to conformity during discussion by using a stimulus video, which presented a discussion scene in online communication. Eye gaze during the stimulus presentation was measured to understand the allocation of attention during the opinion evaluation. The video included one speaker expressing an opinion and five audience members using facial expressions to reflect their opinion toward the speaker. After watching the video, participants responded to a questionnaire asking to what extent they agreed or disagreed with the speaker’ s opinion and an independent-interdependent self-construal scale. The results indicated that others’ facial expressions influence decision-making during discussions and that people with higher interdependent self-construal tend to be influenced by others’ facial expressions. Gaze measurements did not show that people with higher interdependent self-construal pay more attention to surrounding others. However, it suggested that people who tend to pay more attention to surrounding others are more likely to shift in decision-making due to conformity.
著者
町島 希美絵 坂本 麻衣子 大島 千佳 北島 かおり 東内 順子 木場 勉 郷原 るみ 佐藤 鮎美 中山 功一
出版者
医学書院
巻号頁・発行日
pp.678-691, 2017-12-15

目的:「健康マージャン教室」に参加した健常な高齢者を対象に,健康マージャン教室が認知機能に与える効果を明らかにする。 対象と方法:対象者は89名(平均年齢72.0歳,標準偏差6.5歳)で,教室に週1回,合計20回参加した。教室開始時(Pre)と終了時(Post)でMini Mental State Examination(MMSE),Frontal Assessment Battery at Bedside(FAB),Trail Making Test(TMT)Part A and Part BとGeriatric Depression Scale(GDS)短縮版を測定した。Pre-MMSEの合計点を基準に比較的低い群(MMSE26点以下:A群)と高い群(MMSE27点以上:B群)に分けた。Pre-Post比較ではWilcoxonの符号付き順位検定を行ない,群間比較では,群間に有意差のあった年齢と教育年数を調整する目的で多変量共分散分析を行なった。教室終了時には,日常生活における変化を質問紙で調査した。 結果:Pre-Post比較では,特にA群でMMSEの「計算(p<0.01)」と「合計点(p<0.05)」,TMT-A(p<0.05),GDS(p<0.05)で有意差がみられた。質問紙への回答では,「生活の充実感」「チャレンジ意欲」等の各項目において有意差があり,さらに友人や地域交流への意欲がみられた。 結論:検査結果から,健康マージャン教室による認知機能の活性化が示唆された。さらに,新たな人間関係の形成や日常生活での活動意欲にも影響を与えたと考えられた。
著者
佐藤 鮎美 内山 伊知郎
出版者
一般社団法人 日本発達心理学会
雑誌
発達心理学研究 (ISSN:09159029)
巻号頁・発行日
vol.23, no.2, pp.170-179, 2012

本研究では,生後9ヶ月児とその母親を対象に,絵本共有時間を3ヶ月間操作的に増加させた絵本群,および特に教示を与えない統制群を設定し,絵本共有増加期間前後における両群の母子相互作用を自由遊び場面において観察した。それにより,絵本共有が子どもに対する母親の働きかけに及ぼす効果を,縦断的に検討することを試みた。その結果,絵本群では,母親の子どもに対する賞賛および子どものほほえみの頻度が統制群に比べて増加することが示され,絵本共有により母親の子どもに対する敏感な働きかけが増加する可能性が示唆された。さらに絵本群において,子どもがほほえみながら母親を見上げる頻度が統制群に比べて増加することが示され,絵本共有によって子どもの感情共有が促される可能性が見出された。これらの結果から,絵本共有時間の増加によって,母親および子どもの行動が変容することが実証的に示唆され,絵本共有が母子関係の質を向上させるメカニズムの一端が明らかにされた。