著者
森口 佑介 上田 祥行 齋木 潤 坂田 千文 清河 幸子 加藤 公子 乾 敏郎
出版者
公益社団法人 日本心理学会
雑誌
日本心理学会大会発表論文集 日本心理学会第84回大会 (ISSN:24337609)
巻号頁・発行日
pp.SS-031, 2020-09-08 (Released:2021-12-08)

これまでの実験心理学は,一人で課題に取り組む際の認知プロセスを明らかにしてきた。一方,近年,他者と一緒に同じ課題に取り組む(ジョイントアクション)場合における認知が,一人で取り組む場合とは異なる可能性が指摘されている。たとえば,一人で個別にフランカー課題に取り組む場合よりも,他者と一緒に取り組んだ場合に,フランカー効果が大きくなる。たが,依然として研究知見は十分ではなく,個別場面で明らかになった認知プロセスは,他者の存在によってどのように拡張されるのか,また,様々な課題にみられる効果が同じようなメカニズムに基づくのか,などは明らかではない。本シンポジウムでは,共同行為場面を扱う知覚(齋木・濱田),記憶(坂田),問題解決(清河),発達(加藤)の専門家による実験的研究を紹介いただき,実験心理学・認知神経科学者の乾から討論をいただきながら,これらの点について深めたい。