著者
鳥海 光弘
出版者
一般社団法人 日本鉱物科学会
雑誌
鉱物学雜誌 (ISSN:04541146)
巻号頁・発行日
vol.19, no.3, pp.167-175, 1990-01-31 (Released:2009-08-11)
参考文献数
30

Rheology of the Earth's crust and mantle is simulated by the plastic behaviour of the polycrystalline quartz and plagioclase, olivine, spinel and perovskite, respectively. To infer the dynamics of the Earth's interior reaching the core-mantle boundary, it needs to study the constitutive flow laws and preferred lattice orientation formation of these crustal and mantle materials. The aim of this paper is to review the recent development of the rheological study of these processes and to add the new constraints on the seismically anisotropic convective mantle.
著者
鳥海 光弘
出版者
東京大学理学部
雑誌
東京大学理学部廣報
巻号頁・発行日
vol.22, no.4, pp.31-32, 1991-03
著者
鳥海 光弘 榎並 正樹 平島 崇男 渡辺 暉夫 Wallis Simon 高須 晃 西山 忠男
出版者
日本地質学会
雑誌
地質学論集 (ISSN:03858545)
巻号頁・発行日
no.49, pp.71-88, 1998-03-27

この多人数の著者による論文は, 将来の進歩に向けての展望と戦略に重点を置いて, 岩石学の展開を議論する。鳥海は来るべき21世紀に向けての岩石学の使命とそれを達成するための戦略についての個人的見解を述べる。榎並と平島は高圧・超高圧変成作用の現代的視点を議論する。彼らは, 岩石学の古典的な手法が, 熱モデル・テクトニックモデルと結合された場合には, その温度・圧力履歴を解明するのに大変有用であることを示す。"テクトニクス"の定義の議論から始めて, ウォリスはテクトニクスにおけるこれまでの解釈についていくつかの重要な疑義を呈している。造山帯において単純剪断よりは伸長テクトニクスの証拠が増加していることはその一例である。大陸地殻のテクトニクスは地球科学において現在でもなお盛んな研究領域である。彼は大陸地殻の変形についてのプレートテクトニクスを越える最近のアイデア, 例えば大陸リソスフェアを堅いプレートではなく粘性流体とみなす考えなど, を議論している。渡辺は過去の超大陸, ロディニア, の再構成に関する最近の進歩をレビューし, テクトニックプロセスの解釈における inverse modelingとforward modelingの重要性を議論する。高須は年代測定法の岩石学への応用の最近の進歩, 特にSHRIMPやCHIMEなどの微小領域年代測定法を議論している。彼は間違っているかも知れない年代測定のデータに信を置きすぎる人たちによるその応用の危険な側面を強調している。
著者
坂野 昇平 平島 崇男 鳥海 光弘 鈴木 尭士 大貫 仁 原 郁夫
出版者
京都大学
雑誌
総合研究(A)
巻号頁・発行日
1986

昭和61年度は, 各自の野外調査と討論会を開いた. 討論会は11月22・23の両日, 京都府立セミナーハウスにて開催した. 参加者は総研メンバー・院生併せて38名に及び, 三波川帯に関する巾広い分野からの話題提供が行われた. 名発表に対して活発な議論が展開され, 大変レベルの高い討論会であった. 原岩年代論・変成相系列・変成年代については大方の意見の一致を見たが, 構造論と熱構造については意見の一致が得られなかった. 特に注目を集めた報告は, 板谷によるK-Ar年代測定であった. 彼は四国中央部汗見川で約70個の年代測定を行ない, 変成度や熱構造との関連を報告した. この研究により, 三波川帯は変成年代測定でも世界的レベルに達した. これ以外では, 横山による, 四国の第三条久万属群からの, 現在露出している三波川変成岩と同じか, それよりも高変成度の岩石由来の礫岩の発見, 高須・上阪による, 四国中央部五良津角内岩体からの異なる熱史を持ったエクロジャイトの発見も注目された. 討論会の発表内容は総研ニュースレターとして印刷し関係者に配布した.昭和62年度は討論会を開くにはやや予算が不足していたので, メンバー各自が野外調査を行うとともに, 自費研修として, 京都・舞鶴・徳島で開かれるオフィオライト野外討論会(昭和63年3月6-15日)に参加することとした. 総研報告書は, 昨年度の討論会の内容をもとに編集中である. また, 三波川変成帯の岩石学を中心とし, 世界各地の高圧変成帯の解説を加えた特集『高圧変成帯の岩石学』を月刊『地球』で発刊することにし, 現在原稿の編集中である. さらに, 三波川帯の原岩論・熱構造・時代論をJournal Metamorphic Geologyの特集号として出版する計画をたて, 編集部の内諾を得ている.