著者
出口 智也 嶋田 喜昭 三村 泰広 坪井 志朗 菅野 甲明
出版者
公益社団法人 日本都市計画学会
雑誌
日本都市計画学会中部支部研究発表会論文集 (ISSN:24357316)
巻号頁・発行日
vol.31, pp.43-46, 2020 (Released:2020-10-05)
参考文献数
7

近年、自転車利用のニーズが高まっている中、2012年に警察庁および国土交通省において「安全で快適な自転車利用環境創出ガイドライン」が策定・公表され、「車道通行」を前提とした自転者通行空間の整備も進みつつある。しかしながら、車道に自転車通行空間が整備されてもあまり利用されず、従来の慣習により歩道通行を維持する自転車利用者も多いなど、利用と空間にギャップが生じている。そこで本研究では、愛知県豊田市を事例対象として、自転車ネットワーク計画の整備路線から車道混在型(矢羽根マーク)の整備済み路線13箇所(単路)を選定し、自転車の通行位置等について交通観測調査を行った。そして、自転車利用者の車道利用に及ぼす要因を分析した。その結果、歩道の有効幅員等が自転車の車道利用に影響を及ぼすことが把握された。
著者
坪井 志朗 三村 泰広 嶋田 喜昭 菅野 甲明
出版者
一般社団法人 交通工学研究会
雑誌
交通工学論文集 (ISSN:21872929)
巻号頁・発行日
vol.9, no.2, pp.A_342-A_348, 2023-02-01 (Released:2023-02-24)
参考文献数
9

近年、自転車が身近で有用な移動手段として重要な役割を担っている。また、自転車が安全に走行するためには、自転車と自動車、自転車同士、自転車と歩行者との錯綜機会を少なくすることが重要である。本研究では、愛知県内において自転車通行空間を整備している区間を対象に、事故件数の変化やその要因分析から自転車関連事故への影響について検討した。その結果、自転車通行空間整備前後1年間の短期的な自転車関連事故件数の変化の面では即効的な整備効果は確認できなかったこと、車道混在や自転車専用通行帯を整備することで自転車関連事故が減少するものの、車道混在整備では自転車が第一当事者となる事故が、自転車専用通行帯整備では自転車が第二当事者かつ単路での事故や出合頭の事故が増加する恐れがあることが示唆された。
著者
坪井 志朗 三村 泰広 嶋田 喜昭 菅野 甲明
出版者
一般社団法人 交通工学研究会
雑誌
交通工学研究発表会論文集 第42回交通工学研究発表会 (ISSN:27583635)
巻号頁・発行日
pp.703-708, 2022 (Released:2022-11-10)
参考文献数
7

近年、自転車が身近で有用な移動手段として重要な役割を担っている。また、自転車が安全に走行するためには、自転車と自動車、自転車同士、自転車と歩行者との錯綜機会を少なくすることが重要である。本研究では、愛知県内において自転車通行空間を整備している区間を対象に、事故件数の変化やその要因分析から自転車関連事故への影響について検討した。その結果、自転車通行空間整備前後 1 年間の短期的な自転車関連事故件数の変化の面では即効的な整備効果は確認できなかったこと、車道混在や自転車専用通行帯を整備することで自転車関連事故が減少するものの、車道混在整備では自転車が第一当事者となる事故が、自転車専用通行帯整備では自転車が第二当事者かつ単路での事故や出合頭の事故が増加する恐れがあることが示唆された。
著者
坪井 志朗 三村 康広 山崎 基浩 鈴木 雄 西堀 泰英
出版者
公益社団法人 日本都市計画学会
雑誌
都市計画論文集 (ISSN:09160647)
巻号頁・発行日
vol.56, no.3, pp.1405-1412, 2021-10-25 (Released:2021-10-25)
参考文献数
10
被引用文献数
2

新型コロナウイルスの感染防止による新しい生活様式によって、テレワークやオンライン会議が普及し、職場と居住地が必ずしも近くにある必要はなくなる等、我々の暮らしを大きく変えている。地方都市や郊外地域の居住意向が向上し、職場にとらわれない居住選択ができるようになった一方、地方都市移住や田舎暮らしを適切な地域に誘導しなければ、単なる都市のスプロールとなり、都市の広域化が懸念される。本研究では、愛知県豊田市をケーススタディとして、コロナ禍における地方都市の人口動態の変化と居住地選択の意向変化を分析した。その結果、人口動態について転入者数の減少により人口減少へとなっていること、コロナ禍前後で居住地選択の考え方が変わっていることが指摘できた。
著者
嚴 先鏞 西堀 泰英 坪井 志朗
出版者
公益社団法人 日本都市計画学会
雑誌
都市計画論文集 (ISSN:09160647)
巻号頁・発行日
vol.54, no.3, pp.1549-1555, 2019-10-25 (Released:2019-11-06)
参考文献数
10

近年,人口の急激な減少と高齢化を背景に,環境負荷,財政問題に対応しながら住民が公共交通により生活利便施設等にアクセスできるよう,「コンパクトシティ・プラス・ネットワーク」型の都市構造が推進されている.本研究では,近年の立地適正化計画の拠点のような都市機能の地理的な集約による複数の都市機能を持つ施設の集約と交通網を考慮した利便性の評価を行い,その優劣の要因について施設の分布と交通網の観点から明らかにすることを目的とする.第一に,自家用車,送迎,公共交通の3つの移動パターンにおいて,移動時間を最短にしながら複数の施設を巡回する際の利便性を評価する.第二に,自家用車および公共交通の両方において便利な地域は2割程度である一方,居住地の6割を占めている地域では公共交通の利用が不可能である.第三に,住民が公共交通によりアクセスできる施設集約地点は約4割のみである.第四に,公共交通が相対的に不便である地域は,居住地面積および人口の2割を占めており,「路線網による不便」と「施設分散による不便」に区分できる.