著者
泊 祐子 堀 智晴 曽和 信一 早川 淳 又賀 淳
出版者
一般社団法人 日本看護研究学会
雑誌
日本看護研究学会雑誌 (ISSN:21883599)
巻号頁・発行日
vol.10, no.2, pp.2_9-2_18, 1987-06-01 (Released:2016-03-31)
参考文献数
18

本研究は,自宅分娩時代の産婆の仕事を検討することにより,地域で果たしていた役割を明らかにすることを目的とした。 方法は兵庫県但東町にお住まいの大正末期から昭和の初めにかけて開業を始めた3人の産婆からの聴取り調査により行った。 自宅分娩時代は,産婆と産婦との付き合いは長く,産婆は産婦の家などの環境についても良く知っていたし,過去の妊娠歴などの情報も豊富に持っていた。そのため産婦への援助は情報量に対応して個別性が図れた。そして,産婦側でも産婆が自分について知ってくれているので,すぐに相談も可能であり,精神的な安定につながっていたと思われる。 妊娠・出産・育児は決して母親1人に任せることではなく,家族・地域の人達・医療関係者などが協力し合う中でなされることではないだろうか。そのためにも地域の機能の活性化が必要であろう。
著者
二文字 理明 堀 智晴
出版者
大阪教育大学
雑誌
一般研究(C)
巻号頁・発行日
1986

(概略)昭和61年度, 昭和62年度にわたり大阪府下全域, 奈良県の一部において研究授業を10数例実施した. 各校で各1学級に協力を依頼し, 各学級あたり1日1時限×3日, 計3時限実施した. 総計では30数カ日に及ぶ期間実施したことになる. 研究授業の1クール(3日間毎)に研究会又は反省会を開き, 授業内容の吟味, 反省等, 総括的な討議を行った.(方法)事前に指導案, 座席表の収集および, 当該の教材の研究を行うほか, 学級毎の個別の状況について事情聴取を行うことなどを原則とした. 全記録を2台のビデオカメラで収録し, 音声の記録のため1台の録音器を併用した. 同時に, 教員の発問, 児童の発言を速記した. このような一連の記録を授業後, 再生しながら検討分析を行なった.(結果)本研究の当初の, 基本的な狙いは, 健常児が障害児を深く理解するための「授業モデル」を構築することにあった. 具体的な実践事例を定着したことで一定の意味を有すると思われる. ただ実践例が, 各校で予想以上に別々のものになってしまい, 同一テーマによる複数事例を比較検討することが必ずしも十分できなかった. この点は今後の同趣旨の事例の集積を俊たなければならない. 本研究の内容における重点的テーマは次の通りであった.(1)自主教材の内容を実践に即して点検する. (2)教員の教育方法を総合的に観察しながら, 教育方法上の問題点を明らかにする. (3)健常児における「障害児」理解を深めるための試行を重ね, 健常児における反応を分析する. (1)の点では, 自主教材の内容の限界, ああるいは問題点がいくつか明らかになった. (2)の点では, 教材から離れて主体的にフリーに発言させるための学級集団の構成の態様にいくつかの傾向のでてくることも判明した. (3)の点については, 実践例のいくつかのパターンの報告にある程度言及することができた.