著者
奥西 智哉 宮下 香苗 堀 清純
出版者
一般社団法人 日本家政学会
雑誌
一般社団法人日本家政学会研究発表要旨集
巻号頁・発行日
vol.68, 2016

<br><br>【目的】米粉は新規素材として各種小麦粉製品に用いられてきているが、製品特性等の研究は米粉パンについては知見が多いものの、菓子利用については十分であるとは言えない。種子タンパク質の特性が大きく異なるesp2変異や、球形の澱粉粒を合成するSS二重変異体が導入された米粉用イネが開発されている。esp2変異はタンパク質分子間S-S結合を形成することで加工特性向上が期待されており、SS二重変異体は澱粉が通常の多角形ではなく球形になり粉質形質になる。これらの品種の製粉特性およびケーキ加工適性を評価したので報告する。<br><br>【方法】鶏卵900gをホイッパーで均一になるまで撹拌し、900gの砂糖を加え<br><br>比重0.25&plusmn;0.01(30℃)に調整した。得られたバッター240gに篩った小麦粉100gを加え、木ベラで60+25回すくうように混ぜた。型に流し入れヘラで表面をならしたものを180℃で30分焼成した。焼成後、室温で1時間冷却したものを以上冷ます。各種粉砕方法で得られた米粉のSEMによる外観観察、損傷澱粉含量、アミロース含量および粒度分布を測定した。<br><br>【結果】各種米粉を用いたスポンジケーキ生地とスポンジケーキの物理的特性を,小麦粉を用いた場合と比較することによって明らかにした。湿式気流粉砕米粉を用いた場合、小麦粉と同等の膨らみを持つケーキであったが、乾式気流粉砕およびロール粉砕米粉を用いた場合、膨らみが小さいケーキであった。