著者
清水 徳朗
出版者
国立研究開発法人農業・食品産業技術総合研究機構
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2018-04-01

カンキツ在来品種2,000点以上の網羅的遺伝子型解析から、ナツミカン系統の同一性を確認するとともに、新規な親子関係を見出した。国内自生タチバナの調査から、自生地内でクローンとして個体が維持されていることを確認し、また新規8系統を含む11系統のタチバナを見出した。これらタチバナ系統の遺伝的類似性や地理的分布から、タチバナは主に宮崎県で発生し、タチバナ-Bがヤマトタチバナであることを見出した。系譜情報の育種実装を図るためにゲノムワイド多型の抽出法を確立し、従来の育種の制約を回避する新規な手法「カンキツ2.0」を提唱するとともに、GRAS-Diを利用したゲノムワイド多型推定法の開発を開始した。
著者
清水 徳朗 北島 宣 野中 圭介 吉岡 照高 太田 智 後藤 新悟 豊田 敦 藤山 秋佐夫 望月 孝子 長崎 秀樹 神沼 英里 中村 保一
出版者
Public Library of Science
雑誌
PLOS ONE (ISSN:19326203)
巻号頁・発行日
vol.11, no.11, 2016-11-30

ミカンの親はどの品種? : 遺伝解析により60種以上のカンキツ類の親子関係が明らかに. 京都大学プレスリリース. 2017-01-13.
著者
北島 宣 山本 雅史 伊藤 謙 米森 敬三 深尾 葉子 安冨 歩 中崎 鉄也 山崎 安津 清水 徳朗 中野 道治 岳 修平 林 維真 鐘 國芳 中野 道治 長田 俊樹 渡邉 和男 河瀬 真琴 山下 満智子 前山 和範 中村 彰宏
出版者
京都大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2016-04-01

ウンシュウミカン、カボス、などの両親が明らかとなり、多くの日本在来カンキツは、キシュウミカン、ユズ、タチバナに起源していることが明らかとなった。キシュウミカンは中国江西省の「南豊蜜橘」に由来することが示された。タチバナは台湾に起源し、沖縄を経て本土に伝播したと考えられ、タチバナの沖縄系統はシークワーサーとの交雑によって生じたことが示唆された。田中長三郎のカンキツ標本を整理してデジタル入力を行い、検索機能も付加してアーカイブ化を行った。田中長三郎の自筆スケッチなどの資料を蒐集・整理してデジタル化を行うとともに、和歌山県橘本神社のカンキツ博物館「常世館」に展示し、広く一般に公開した。
著者
太田 智 遠藤 朋子 島田 武彦 藤井 浩 清水 徳朗 國賀 武 吉岡 照高 根角 博久 吉田 俊雄 大村 三男
出版者
一般社団法人 園芸学会
雑誌
Journal of the Japanese Society for Horticultural Science (ISSN:18823351)
巻号頁・発行日
vol.80, no.3, pp.295-307, 2011
被引用文献数
9

カンキツトリステザウイルス(CTV)は,カンキツに重大な被害を引き起こす重要病害の一つである.カンキツ属との交雑が可能であるカラタチ[<i>Poncirus trifoliata</i>(L.)Raf.]は,広範な CTV の系統に対して抵抗性を示す.これまでに,カラタチの CTV 抵抗性をカンキツ属に導入するために育種計画が実行され,中間母本が育成されたことで,経済品種の作出に道が開かれてきた.本研究では,マーカー選抜により効率的に CTV 抵抗性をカンキツ属に導入できるように,CTV 抵抗性に連鎖した 4 つの DNA 選抜マーカーおよび各連鎖群上のカラタチの対立遺伝子を識別する 46 のマーカーを開発した.CTV 抵抗性連鎖マーカー 4 つのうち,1 つは共優性マーカーである Single Nucleotide Polymorphism マーカーで,3 つは優性マーカーの Sequence Tagged Site マーカーであった.これら全てのマーカーで,2.8%の例外を除き,後代における CTV 抵抗性・感受性とマーカーの有無とが一致した.さらに,これらのマーカーは高度にカラタチ特異的であり,検定したカンキツ属 35 の全品種・系統に対して適応可能であった.カラタチ由来の対立遺伝子を排除するための判別マーカーでは,46 のうち 9 マーカーが CTV 抵抗性の座乗する第 2 連鎖群に位置した.また,他の 31 マーカーを残りの 8 連鎖群におくことができた.これらのマーカーは,カンキツ属 35 品種・系統のうち少なくとも 1 つ以上の品種・系統に対し,カラタチ由来の対立遺伝子を識別することができた.本研究で開発されたプライマーセットは,戻し交雑により CTV 抵抗性を様々なカンキツ属系統に導入するためのマーカー選抜に利用可能と考えられた.<br>
著者
北島 宣 山本 雅史 清水 徳朗 山崎 安津 米森 敬三 小枝 壮太 桂 圭佑 八幡 昌紀
出版者
京都大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2012-04-01

本研究では、日本の本土および沖縄・南西諸島、中国の雲南省、広東省、台湾、ベトナム、フィリッピン、タイ、インドネシア、ミクロネシア等の在来カンキツ調査を行い、東シナ海および南シナ海地域をほぼカバーする地点での調査を行うことができた。その結果、これまで調査した日本、中国浙江省、江西省、広西チュワン族自治区、重慶等の在来カンキツおよび保存している世界のカンキツ種・品種と近縁属を含め、862個体のDNAを蒐集・保存し、細胞質DNAおよびゲノムDNA解析によりカンキツ種の分化が明らになった。
著者
山本 雅史 高田 教臣 山本 俊哉 清水 徳朗
出版者
鹿児島大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2012-04-01

ナシにおいて原品種と同じ遺伝子型を備える葉を材料とした染色体分析法を開発した。幼葉を材料とした酵素解離法による最適条件は、酵素組成が4%セルラーゼオノズカRS、1.5%マセロザイムR200および0.3%ペクトリアーゼY-23、37℃、60~75分であった。ニホンナシ黒斑病のナシにおける本病因遺伝子座の染色体上の位置を検出した。この領域を含むBACクローンを用いたFISHを行ったところ、2本の染色体の端部にシグナルが観察できた。ナシと同じくバラ科ナシ亜科に属するリンゴの染色体構成をナシと比較した。両者の染色体構成は極めて類似していた。