著者
平松 玲治 堀江 典子 大浦 康史
出版者
公益社団法人 日本造園学会
雑誌
ランドスケープ研究 (ISSN:13408984)
巻号頁・発行日
vol.73, no.5, pp.473-476, 2010 (Released:2011-07-22)
参考文献数
13
被引用文献数
1

In National Government Parks, a large number of exhibition facilities have been constructed and are managed and operated for purposes such as introduction of projects related to parks and open green space, popularization and education activities related to the nature and culture of the region, etc. Issues for these exhibition facilities include renewal of exhibits, specialization of content, and the like. Study of efficient/effective management and operation techniques referring to case studies of museums, which are similar facilities, is considered effective in responding to these issues. In this research, the date of establishment, area, items displayed, condition of installation of fixtures and furniture of the exhibition facilities, and the purpose, period, location, content, and management and operation of the operation system, etc. of permanent exhibits and thematic exhibits were arranged, and the features and effects of exhibits in National Government Parks were analyzed and considered from the viewpoint of museum-like functions.
著者
平松 玲治 堀江 典子
出版者
日本造園学会
雑誌
ランドスケープ研究 (ISSN:13408984)
巻号頁・発行日
vol.72, no.5, pp.585-590, 2009
被引用文献数
4

インタープリテーションは米国の国立公園で発達し、わが国では自然公園の分野で導入された。特に1990年代から「解説」や「自然解説」等の訳語ではなく、「インタープリテーション」(以下「Ip」と表記する)としてカタカナ表記で紹介されてから、環境教育や都市公園をはじめとする多くの分野で使用し広まった。本研究がとりあげる国営公園は、1974年に三箇所の公園が開園し、1976年の法制化によりはじまった大規模都市公園である。特に自然資源を活用した利用サービスについては、自然公園・観光・環境教育・博物館等で導入されている手法や取り組みの影響を受けた展示・案内解説・プログラム提供がなされてきているが、Ipの概念や展開手法が分野によって必ずしも一様ではないことを考えれば、各分野に共通する概念や相違点を把握した上で、国営公園の目的に合致したIpを導入する必要があろう。そこで、国営公園の役割を踏まえたIpの導入と展開手法を構築するため、関連分野におけるIpの比較分析を踏まえてIpの概念と構成について現状を整理し、国営公園におけるIpの展開の方向性と課題について考察する。
著者
堀江 典子 萩原 清子
出版者
東京都立大学都市研究センター
雑誌
総合都市研究 (ISSN:03863506)
巻号頁・発行日
no.82, pp.93-103, 2003

多基準分析とは、複数の基準で代替案を評価し選択を支援しようとする分析手法の総称である。費用便益分析が費用と便益を全て貨幣尺度で捉えて比較するのに対して、多基準分析では複数の基準をそのままの尺度で評価し、それらを何らかの方法で統合しようとする。コストや効率性だけでなく、環境問題や公平性の問題といった時として相反する複数の目的が意思決定において考慮されなければならない社会状況の中で、貨幣尺度での評価が困難な基準を含めて多基準として明示的に扱うことができる手法は時代の要請でもある。しかし、多基準分析の範疇には様々な手法が含まれており、分析手順も理論的根拠も同じではない。本稿では、多基準分析についての歴史的経緯を振り返り、理論的根拠を整理したうえで、多基準分析の特色と今日的意義を明らかにした。また、多基準分析のうち、公的な意思決定をはじめ様々な意思決定の場面で多くの適用が見られる多基準意思決定分析MCDA(多属性意思決定分析MADAとしても知られている)の手順に沿って問題点を考察し、意思決定支援における可能性を示すことを試みた。多くの多基準分析手法における最大の問題はウェイティングシステムの恣意性である。この懸念を克服するためには、社会の選好をより反映させることが可能なウェイテイング手法を開発することが求められる。合意形成と意思決定のためにプロセスの透明性とわかりやすさを高めることによって、'audit trail'を明らかにする。このように判断の責任の所在を示すことによって恣意性に歯止めをかけることが必要であると考えられる。