著者
堂免 隆浩
出版者
一般社団法人 日本計画行政学会
雑誌
計画行政 (ISSN:03872513)
巻号頁・発行日
vol.46, no.4, pp.21-26, 2023-11-15 (Released:2023-12-27)
参考文献数
12

The evidence addressed in Evidence-Based Policy Making (EBPM) in Japan tends to be biased towards quantitative data. However, the principles of EBPM suggest that evidence derived from qualitative studies should be utilized alongside quantitative research in EBPM. The use of qualitative research in the field of policy research allows for a thorough exploration of the potential for qualitative evidence utilization, which has largely been overlooked in EBPM. This article clarifies the following points: Firstly, qualitative evidence can be utilized as a basis for presenting one of the candidate agendas. Secondly, in the preliminary assessment of policymaking aimed at addressing social issues with a small number of cases, it is necessary to utilize qualitative evidence. Thirdly, it is important to assess uncertainty in qualitative evidence. Finally, this article demonstrates that in qualitative research following statistical methods, the criteria for evaluating uncertainty include ‘Credibility’ and ‘Transferability’, and that ‘Theoretical Saturation’ and ‘Applicability’ can be used as evaluation criteria for qualitative research based on the Grounded Theory Approach.
著者
堂免 隆浩
出版者
一橋大学
雑誌
若手研究(B)
巻号頁・発行日
2011-04-28

本研究は、正当性認識に着目し、都市公共財におけるコミュニティガバナンスの成立条件を明らかにすることを目的とする。住民がコミュニティガバナンスに取り組むためには、取り組むことで得られる利益と負担するコストの差で単純に説明することが可能である。これに対し、コミュニティガバナンスに取り組む正当性は自らにあるという意識が、コミュニティガバナンスの取り組みを住民から引き出すことを確認した。そして、都市公共財を自ら所有している意識の高さ、管理のためのルールを自ら作ったという経験、そして、政府から管理運営組織として承認されているという事実が正当性認識を高めると考えられる。
著者
堂免 隆浩
出版者
公益社団法人 日本都市計画学会
雑誌
都市計画論文集 (ISSN:09160647)
巻号頁・発行日
vol.50, no.2, pp.202-209, 2015-10-25 (Released:2015-10-25)
参考文献数
17

東京都練馬区では、従来、都市公園において危険と見なされるサッカー利用が禁止されてきた。これに対し、「練馬区立みんなの広場公園」では、サッカーゴールが設置されサッカー教室の公園使用申請に許可が出ている。そこで本研究は、同公園においてサッカーゴールの設置およびサッカー利用の許可が成立する条件の解明を目的とする。結果、条件の第一として、サッカー教室の開催運営を明記した「公園育て計画」の内容が練馬区まちづくり条例において規定されている施設管理型地区まちづくり計画の提案および認定の条件を満たすこと、第二として、「公園育て計画」において明記されている「3時間に1回以上、公園を訪れて施設や利用の状態に問題がないかのチェック」という見守りの水準を「NPO法人公園づくりと公園育ての会」の見回り・見守り活動が満たすこと、第三として、この見回り・見守り活動の効果および持続性を高める仕組みがあること、を明らかにした。
著者
堂免 隆浩
出版者
一橋大学
雑誌
若手研究(B)
巻号頁・発行日
2009

本研究では、コミュニティ・ガバナンスによる都市集合財の持続可能な供給管理の有効性およびその条件を明らかにしている。1990年代以降、行政は住民自治組織に対する支援を減少させてきている。そのため、住民自治組織は、建築計画者と事前に協議し、違反者に対する説得を実施している。そして、住民自治組織の活動条件が、1)活動にかかるコストの抑制、2)活動に関する住民のコンセンサス、および、3)行政からの支援の拡充、であることが明らかとなった。