著者
奥村 友利愛 吉城 秀治 辰巳 浩 堤 香代子 今里 鈴花
出版者
公益社団法人 土木学会
雑誌
土木学会論文集D3(土木計画学) (ISSN:21856540)
巻号頁・発行日
vol.75, no.5, pp.I_911-I_922, 2019 (Released:2019-12-26)
参考文献数
27

人々にとって身近な移動手段である路線バスは誰にでも使いやすいものであることが望まれる.しかし多くの場合,基本的な情報が利用者にわかりやすい形で提供されておらず,そのため乗る際の心理的抵抗が大きいと指摘されるような状況にある.そこで本研究では,バス利用に関わる案内の中でも路線図に着目し,デザインの観点からその実態を把握し,路線図のデザインと人々の「わかりやすさ」との関係を明らかにすることを目的とし評価実験を行った.そのためにまず全国に存在する241件の路線図に対してクラスター分析による類型化を行い6パターンに分類した.そして各パターンの路線図に対して経路探索による評価実験を行い,路線図を見る際の人の挙動と意識の面からわかりやすさに関する要因について明らかにした.
著者
吉城 秀治 辰巳 浩 堤 香代子
出版者
公益社団法人 日本都市計画学会
雑誌
都市計画論文集 (ISSN:09160647)
巻号頁・発行日
vol.51, no.3, pp.380-386, 2016-10-25 (Released:2016-10-25)
参考文献数
8

幼少期の思い出や経験、体験は一般的にその後の生き方に影響を及ぼすものとされている。商業地を指向させる上でもその重要性が示されつつある幼少期の思い出は、都心商業地と郊外型SCの競合が生じている昨今での商業地の選好意識を理解する上でも重要と考えられる。そこで本研究では、幼少期における都心ならびに郊外型SCでのポジティブな思い出およびネガティブな思い出について調査しその実態を明らかにした後、それら思い出と商業地の選好意識との関係を明らかにした。その結果、それぞれにおける関わりの実態や今も記憶に残っているポジティブな思い出およびネガティブな思い出を把握できている。そして、都心で遊ぶといった楽しい経験が思い出になく、さらに都心で退屈な時間を過ごした経験や怒られるといった経験が今なお記憶として残っていることが、都心ではなく郊外型SCを選好させる要因になり得ることを明らかにできている。
著者
吉城 秀治 辰巳 浩 堤 香代子
出版者
公益社団法人 日本都市計画学会
雑誌
都市計画論文集 (ISSN:09160647)
巻号頁・発行日
vol.50, no.3, pp.753-760, 2015-10-25 (Released:2015-11-05)
参考文献数
7

我が国における路線バスは、はじめて利用する路線やそもそも普段からバスの利用に慣れていない方にとってはしばしば使いにくい公共交通機関となってしまっている。その原因の一つとして、バスの乗り方にはローカル性が存在することが考えられる。さらに、バスの利用に関する基本的な情報をはじめこの多様化した乗り方については必ずしも十分に案内されているとは言い難い状況にあるなど、公共交通機関として、誰にでも利用しやすくわかりやすいバス利用環境の創出が求められている。そこで本研究では、全国のバス事業者を対象にアンケート調査を実施することで全国のバスの乗り方の状況について把握し、さらに路線バスの乗り方並びに案内内容と地域性の関係を明らかにした。
著者
吉城 秀治 辰巳 浩 堤 香代子 西坂 従道
出版者
公益社団法人 土木学会
雑誌
土木学会論文集D3(土木計画学) (ISSN:21856540)
巻号頁・発行日
vol.71, no.5, pp.I_81-I_90, 2015 (Released:2015-12-21)
参考文献数
18
被引用文献数
4

幼少期の経験や体験は,その後の生き方に影響を及ぼしてくることが様々な分野において示されている.幼少期における都心での経験や体験を捉え,現在の都心への指向性との関係を明らかにしていくことで,将来にわたって都心に人々を惹きつけ続けるための知見が得られるものと考えられる.本研究は,福岡市民を対象にアンケート調査を実施し,都心での幼少期の関わりの実態や思い出について分析した.その結果,幼少期における都心の思い出には,百貨店での食事や屋上遊園地での遊びなどの思い出があげられていた.また,これらの思い出の中でも,特に都心での遊び体験を軸とした多様な体験,経験が現在においても都心を指向させる要因になり得ることが示されている.
著者
吉城 秀治 辰巳 浩 堤 香代子 糸永 匠汰
出版者
公益社団法人 日本都市計画学会
雑誌
都市計画論文集 (ISSN:09160647)
巻号頁・発行日
vol.54, no.3, pp.672-679, 2019-10-25 (Released:2019-11-06)
参考文献数
22
被引用文献数
2

遊びは子どもの健全な育成に必要不可欠なものであることは言うまでもなく、海外では子どもの道遊びを行え得る性能を有した街路を創出するために、ボンエルフ等の交通静穏化策が広がりをみせている。ところが、我が国では子どもの道遊びが原因のトラブルも発生しており、現代においては地域社会に必ずしも受け入れられるものではない状況にある。そこで本研究では、地域において道遊びが容認され、または容認されない道路空間や状況の特徴を明らかにするために、地域住民の道遊びに対する意識について分析した。その結果、例えば道遊びを肯定的に考えている地域住民では時間帯によって容認意識が変化し、特に平日は小学生が下校するような時間帯から午後6時まで、休日は日中であれば容認されることなどを明らかにしている。
著者
吉城 秀治 辰巳 浩 堤 香代子 奥村 友利愛 長友 陸
出版者
公益社団法人 土木学会
雑誌
土木学会論文集D3(土木計画学) (ISSN:21856540)
巻号頁・発行日
vol.77, no.5, pp.I_721-I_733, 2022 (Released:2022-05-18)
参考文献数
27

人々にとって身近な移動手段である路線バスは誰にでも使いやすいものであることが望まれる.しかし多くの場合,基本的な情報が利用者にわかりやすい形で提供されておらず,そのため乗る際の心理的抵抗が大きいと指摘されるような状況にある.そこで本研究では,バス利用に関わる案内の中でも路線図に着目し,特にバス路線図の変形(デフォルメ)の実態と,デフォルメが人々の「わかりやすさ」に及ぼす影響を明らかにすることを目的とし,評価実験を行った.そのために,まず全国の 202 件の路線図に対してクラスター分析による類型化を行い 6 パターンに分類した.そして,各パターンの路線図に対して経路探索による評価実験を行い,路線図を見る際の人の挙動と意識の面からわかりやすさに関する要因について明らかにした.
著者
西原 大樹 辰巳 浩 吉城 秀治 堤 香代子
出版者
一般社団法人 交通工学研究会
雑誌
交通工学論文集 (ISSN:21872929)
巻号頁・発行日
vol.2, no.2, pp.A_125-A_133, 2016-02-05 (Released:2016-02-05)
参考文献数
10

本研究では、自転車専用通行帯及び車道路肩部のそれぞれ幅員の違う路線において、視点を解析することができるアイマークレコーダを用いた自転車走行実験を行い、自転車を追い越していく自動車から受ける影響に関して分析を行った。その結果、調査対象路線の中で走行空間幅員が 1m と最も狭かった路線においては、自動車の追い越し台数が増加するにつれて自らの走行場所である車道路肩を注視する時間や回数が増加していた。また、「安全で快適な自転車利用環境創出ガイドライン」で望ましいとされている幅員 1.5 m以上の、幅員が 1.85 mの路線においては自転車を追い越す自動車台数が増加するほどサッカードが発生していること、それよりもさらに幅員の広い路線では注視挙動に自動車交通の影響がみられなくなることが明らかになった。
著者
吉城 秀治 辰巳 浩 堤 香代子 西坂 従道
出版者
公益社団法人 土木学会
雑誌
土木学会論文集D3(土木計画学)
巻号頁・発行日
vol.71, no.5, pp.I_81-I_90, 2015
被引用文献数
4

幼少期の経験や体験は,その後の生き方に影響を及ぼしてくることが様々な分野において示されている.幼少期における都心での経験や体験を捉え,現在の都心への指向性との関係を明らかにしていくことで,将来にわたって都心に人々を惹きつけ続けるための知見が得られるものと考えられる.<br>本研究は,福岡市民を対象にアンケート調査を実施し,都心での幼少期の関わりの実態や思い出について分析した.その結果,幼少期における都心の思い出には,百貨店での食事や屋上遊園地での遊びなどの思い出があげられていた.また,これらの思い出の中でも,特に都心での遊び体験を軸とした多様な体験,経験が現在においても都心を指向させる要因になり得ることが示されている.
著者
辰巳 浩 堤 香代子 吉城 秀治
出版者
一般社団法人 交通工学研究会
雑誌
交通工学論文集 (ISSN:21872929)
巻号頁・発行日
vol.5, no.2, pp.B_24-B_33, 2019-02-01 (Released:2019-02-06)
参考文献数
3

本研究は、地方自治体によるコミュニティバスおよびデマンド交通の運営状況を明らかにすることで、地域公共交通を担当する自治体職員への情報提供を図ることを目的とする。そこで、全国の市町村に対するアンケート調査を実施し、全国の約半数の市町村から回答を得た。得られたアンケート調査データをもとに、まずコミュニティバスおよびデマンド交通の導入状況と適用法令(道路運送法)について整理した。次に運行状況として、運行日、運行便数、コース長、所要時間、運賃、デマンド交通の予約システムの導入状況について集計した。さらに、2015 年度における地域公共交通の利用実績(1 便当たりの平均乗車人数、住民1 人当たりの年間平均利用回数)や収支(運賃収入額、補助金受入額、総収入額、総支出額、赤字額)の状況について集計した。