- 著者
-
塚本 明廣
- 出版者
- 佐賀大学
- 雑誌
- 基盤研究(C)
- 巻号頁・発行日
- 1999
1 ピラミッド・テキスト全文を、ゼーテ底本およびフォークナー補遺に基づき、聖刻文字手書本文から、一定の書式に従ってローマ字化翻字本文に書換え、言語学的情報を付加して入力した。2 この翻字法は、文字の転移・簡略表記・同一語の多様な表記・語境界を跨ぐ音声連続の1文字表記・碑文の欠損・欠落が多いピラミッド・テキストに対応して、筆者の従来の翻字法を改良して、有効性を検証したものである。同時に、入力作業の一層の軽減を図った。3 言語学的情報を付加して入力した単一のファイルから、転写本文・復元箇所明示転写本文、狭義の翻字本文、語形総索引を、指定に従って自動的に出力する方式を確立した。出力本文は、ゼーテの底本同様、行毎の異文校合が可能である。4 本データベースに統語情報を付加し、文構造を表示することに拡張できるかを否かを探った。統語情報をかなり絞り込めば、この書式のままで利用できる。一方、相当に議論の多い文法解釈をデータベースに盛り込むことが躊躇されたため、統語分析用の書式例および付随ファイル類を提供するに止める。5 プログラム(バッチ・ファイルとスクリプト)類のモジュール化(部品化)を図り、一部のプログラムの変更が、関連する一連のプログラム類に自動的に反映できるようにした。これにより、一部修正のたびに他の関連プログラムを逐一照合しながら書換える無駄が解消された。6 王毎に出現節が異なるピラミッド・テキストの出入りを自動表示するプログラムを作成した。7 これらの成果の一部は、ピラミッド・テキスト・データベースとして、ウェブ上に公開された。