- 著者
-
増村 雅尚
- 出版者
- 崇城大学
- 雑誌
- 崇城大学紀要 = Bulletin of Sojo University (ISSN:21857903)
- 巻号頁・発行日
- vol.46, pp.75-81, 2021
COVID-19の拡大を防ぐため、わが国でも2020年4月7日に緊急事態宣言が発令され外出の自粛が求められるなど、生活環境の変容が生じた。本研究の目的は、正課外活動の制限・停止・再開がどのように心理的影響を及ぼすかについて検証を行い、大学生の正課外活動における心理的効果を検証する資料を得ることであった。結果をまとめると以下のようになる。①正課外活動停止となった翌週から「活気-活力」「友好」が有意に低い状態であった。②熊本県緊急事態宣言の解除を受けた次週から「活気-活力」「友好」は正課外活動再開まで回復を続けた。③対面授業開始週では、「疲労-無気力」がみられた。④緊急事態宣言の全面解除週から「混乱-当惑」「抑うつ-落込み」「緊張-不安」が有意に低下した。⑤正課外活動再開準備(会議・計画書提出)により「混乱-当惑」「緊張-不安」「抑うつ-落込み」が回復し、活動が再開されると、加えて「怒り-敵意」が有意に低下した。今回の調査により、COVID-19による活動自粛により「活気-活力」「友好」が落ち込み、回復には緊急事態宣言の全面解除や、正課外活動再開が寄与していたことが判明した。