著者
大井 元晴 陳 和夫
出版者
一般社団法人 日本内科学会
雑誌
日本内科学会雑誌 (ISSN:00215384)
巻号頁・発行日
vol.100, no.4, pp.966-974, 2011 (Released:2013-04-10)
参考文献数
37
被引用文献数
1

睡眠時間の減少がどのような影響を与えるか不明であったが,近年,短時間睡眠と体重増加,また,高血圧,糖尿病,メタボリック症候群などとの関連を示すデータが蓄積されつつある.肥満と閉塞性睡眠時無呼吸症候群(OSA)の重症度との関係は,一般的にはBMIが増加すれば,より重症となり,減量により低下する.頸部脂肪,腹部脂肪の蓄積により重症化するが,腹部肥満はCPAP療法により改善する可能性があり,OSAにより悪化し,悪循環を形成している可能性がある.
著者
大倉 睦美 谷口 充孝 村木 久恵 杉田 淑子 大井 元晴
出版者
医学書院
巻号頁・発行日
pp.85-88, 2010-01-01

はじめに 頭内爆発音症候群は夜間,うとうとしている際に頭の中で急激な爆発音を感じるもしくは頭蓋内で爆発が起こった感覚を持つという病態で,通常痛みは伴わない良性の疾患とされる1)。睡眠関連疾患国際診断分類第2版(International Classification of Sleep Disorders 2nd ed, ICSD-2)ではパラソムニア(睡眠随伴症)の1つに分類されており,診断基準をTable1に示す2)。最近片頭痛患者での報告がみられ3,4),何らかの関係も示唆されるがその病因については不明な点が多い。睡眠センターにおいて患者が受診することは稀で,われわれの施設においては1998年4月より2009年3月までの初診患者数15,585人のうち2例のみである。今回本疾患と考えられる症例を経験したので,終夜睡眠ポリグラフ検査をあわせ報告する。
著者
藤井 陽子 大倉 睦美 上森 栄和 谷口 充孝 大井 元晴
出版者
日本神経学会
雑誌
臨床神経学 (ISSN:0009918X)
巻号頁・発行日
vol.58, no.2, pp.88-92, 2018
被引用文献数
1

<p>レム期睡眠行動異常症(rapid eye movement sleep behavior disorder; RBD)は筋活動の抑制が欠如し夢内容と一致した行動が出現し,終夜睡眠ポリグラフ(polysomnography; PSG)にて筋活動の抑制を伴わないレム睡眠の出現を認めることで診断される.病歴上RBDが強く疑われた51歳男性において常時監視下ビデオ同時記録によるPSGによりノンレム睡眠,レム睡眠期に関わらず呼吸イベントに伴う覚醒中に発声,発語を認め,閉塞性睡眠時無呼吸が原因であると判明した1例を報告する.持続陽圧呼吸療法導入後,呼吸イベントは消失し発声,発語は認められなかった.常時監視下ビデオ同時記録PSGの重要性を示した1例である.</p>
著者
陳 和夫 坪井 知正 大井 元晴
出版者
一般社団法人 日本呼吸ケア・リハビリテーション学会
雑誌
日本呼吸ケア・リハビリテーション学会誌 (ISSN:18817319)
巻号頁・発行日
vol.8, no.2, pp.129-132, 1998

<p>慢性肺疾患の急性増悪における非侵襲的呼吸管理としては,酸素療法(低流量法,高流量法)と,諸種病態に対する薬物療法が主であったが,近年,鼻マスク,またはフルフェイスマスクを使用した非挿管下補助呼吸(noninvasive positive pressure ventilation: NPPV)が普及しつつある.また,睡眠呼吸障害として,閉塞性睡眠時無呼吸症候群(OSAS)の頻度が高いので,特に肥満例においてはOSAS合併を考慮すべきである.</p>