著者
大井 元晴 陳 和夫
出版者
一般社団法人 日本内科学会
雑誌
日本内科学会雑誌 (ISSN:00215384)
巻号頁・発行日
vol.100, no.4, pp.966-974, 2011 (Released:2013-04-10)
参考文献数
37
被引用文献数
1

睡眠時間の減少がどのような影響を与えるか不明であったが,近年,短時間睡眠と体重増加,また,高血圧,糖尿病,メタボリック症候群などとの関連を示すデータが蓄積されつつある.肥満と閉塞性睡眠時無呼吸症候群(OSA)の重症度との関係は,一般的にはBMIが増加すれば,より重症となり,減量により低下する.頸部脂肪,腹部脂肪の蓄積により重症化するが,腹部肥満はCPAP療法により改善する可能性があり,OSAにより悪化し,悪循環を形成している可能性がある.
著者
陳 和夫
出版者
一般社団法人 日本呼吸ケア・リハビリテーション学会
雑誌
日本呼吸ケア・リハビリテーション学会誌 (ISSN:18817319)
巻号頁・発行日
vol.25, no.2, pp.168-173, 2015-08-31 (Released:2015-10-06)
参考文献数
12

酸素は生体の生命維持に不可欠の分子であり,組織の低酸素症の改善のため吸入気の酸素濃度を高めて酸素投与する治療法が酸素療法である.組織の適切な酸素化の維持には,酸素療法のみならずヘモグロビン,心拍出量などの組織への酸素運搬に関係する因子も重要である.酸素療法には吸入気酸素濃度が患者の換気に依存する低流量法と依存しない高流量法がある.従来の高流量法は吸入気酸素濃度の上限が50%程度であったが,最近は高流量法にhigh flow法が出現し,さらに高濃度まで投与可能になった.酸素投与が必要な呼吸不全患者の一部は,経過中にコントロール困難な低換気を伴う患者が出現し,換気補助が可能なNPPVが必要となる.一般的に酸素投与が必要な呼吸不全患者は,運動中または睡眠中にさらなる血液ガスの悪化を招くことが多く対応が必要である.呼吸不全患者の睡眠呼吸障害の対応には,睡眠時無呼吸とレム(REM)睡眠期に特に重篤となる睡眠関連低換気に関する認識が必要となる.
著者
人見 健文 陳 和夫 池田 昭夫 松本 理器 澤本 伸克 井内 盛遠
出版者
京都大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2013-04-01

【背景】良性成人型家族性ミオクローヌスてんかん(BAFME)は、全身のてんかんと大脳皮質由来のふるえが主症状の疾患である。てんかんやふるえにおける睡眠・覚醒時の大脳皮質の興奮性変化は十分に分かっていない。【目的】BAFMEにおける睡眠覚醒の変化にともなう大脳皮質の興奮性変化を明らかにする。【方法】BAFME患者の脳波記録を解析し、てんかん性放電の睡眠・覚醒時の変化を検討した。【結果】時間当たりのてんかん性放電は軽睡眠・徐波睡眠・REM睡眠時では覚醒時に比べ減少した。【結論】BAFMEは、皮質興奮性の覚醒睡眠時の変容に関してBAFMEは進行性ミオクローヌスてんかんの一部と類似の挙動を示した。
著者
陳 和夫 坪井 知正 大井 元晴
出版者
一般社団法人 日本呼吸ケア・リハビリテーション学会
雑誌
日本呼吸ケア・リハビリテーション学会誌 (ISSN:18817319)
巻号頁・発行日
vol.8, no.2, pp.129-132, 1998

<p>慢性肺疾患の急性増悪における非侵襲的呼吸管理としては,酸素療法(低流量法,高流量法)と,諸種病態に対する薬物療法が主であったが,近年,鼻マスク,またはフルフェイスマスクを使用した非挿管下補助呼吸(noninvasive positive pressure ventilation: NPPV)が普及しつつある.また,睡眠呼吸障害として,閉塞性睡眠時無呼吸症候群(OSAS)の頻度が高いので,特に肥満例においてはOSAS合併を考慮すべきである.</p>
著者
鈴木 眞知子 陳 和夫 玉木 彰 清川 加奈子 野口 裕子 森友 和仁 上田 真由美 田中 優子
出版者
京都大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2005

本研究の目的は、超重症児の在宅療養支援プログラムの開発であり、先行研究で作成したプログラムモデル(案)の効果を検証することである。研究方法は、アクションリサーチであり、(1)個別支援、(2)地域を対象とした事業を主軸とした実践を試みた。その結果、本モデルは(1)個を中心につなぐ役割の効果(窓口に働きかけ、橋渡しをする、当事者と関係者との隙間を埋める)、(2)医療依存度の高い重度障害児の発達を促し、自律(から自立)を支え、社会参加の促進に向けた「子育て」とその支援を強化することが確認された。