著者
藤田 淳 稲垣 恭孝 米井 嘉一 大塚 征爾 中澤 敦 塚田 信廣 鈴木 修 桐生 恭好 水野 嘉夫
出版者
The Japanese Society of Gastroenterology
雑誌
日本消化器病學會雜誌 = The Japanese journal of gastro-enterology (ISSN:04466586)
巻号頁・発行日
vol.97, no.4, pp.472-477, 2000-04-05
被引用文献数
2

症例は45歳男性の特発性ヘモクロマトーシス.皮膚色素沈着,糖尿病,肝線維化,下垂体性腺機能低下を呈しHLAはA11,A31(19),B46,B60(40),Cw1,Cw7でHFE遺伝子変異(C282Y,H63D)を認めなかった.更にHLAの記載のある本邦報告25例につき文献的に検討した結果欧米症例で高率なHLAA3,B7,B14の頻度は本邦症例では極めてまれであり人種差が認められた.
著者
松崎 達 中澤 敦 大塚 征爾 前田 憲男 米井 嘉一 稲垣 恭孝 鈴木 修 桐生 恭好 水野 嘉夫 小川 健二
出版者
一般財団法人 日本消化器病学会
雑誌
日本消化器病学会雑誌 (ISSN:04466586)
巻号頁・発行日
vol.98, no.3, pp.300-306, 2001 (Released:2008-02-26)
参考文献数
20
被引用文献数
3 3

症例は47歳男性,直腸炎型の潰瘍性大腸炎(以下UC)で通院中に突然,右下肢腫脹・疼痛を認めて入院,ドプラエコーで下大静脈から膝窩静脈におよぶ広汎な静脈血栓症と診断.本邦のUC患者ではこれまで18例の深部静脈血栓症合併例が報告されているが,検索しえた限りでは直腸炎型での合併は初めてであった.抗凝固療法と血栓溶解療法の併用により深部静脈血栓症にともなう症状のみならず,UCの臨床症状の改善を認めた.