著者
名畑 理津子 小川 健二
出版者
公益社団法人 日本心理学会
雑誌
心理学研究 (ISSN:00215236)
巻号頁・発行日
pp.88.16315, (Released:2017-05-10)
参考文献数
23

Eidetic imagery is a kind of mental visual imagery that is externally localized and literally “seen” by the eidetiker. Previous studies have not clarified whether eidetikers have enhanced visuo-spatial memory abilities. This study compared visuo-spatial short-term memory capacities between eidetikers and non-eidetikers who were matched in terms of age, gender, and visual imagery ability. We measured the memory capacity of nine eidetikers and 18 non-eidetikers in two memory tasks (Visual Pattern Test and Corsi Block Test) that differed in the mode of presentation of visual stimuli (simultaneous and sequential, respectively). Eidetikers performed better than non-eidetikers on simultaneous tasks but performed similarly to non-eidetikers on sequential tasks. This study suggests that eidetikers are better at retaining stimuli presented simultaneously.
著者
名畑 理津子 小川 健二
出版者
公益社団法人 日本心理学会
雑誌
心理学研究 (ISSN:00215236)
巻号頁・発行日
vol.88, no.3, pp.260-266, 2017 (Released:2017-08-25)
参考文献数
23

Eidetic imagery is a kind of mental visual imagery that is externally localized and literally “seen” by the eidetiker. Previous studies have not clarified whether eidetikers have enhanced visuo-spatial memory abilities. This study compared visuo-spatial short-term memory capacities between eidetikers and non-eidetikers who were matched in terms of age, gender, and visual imagery ability. We measured the memory capacity of nine eidetikers and 18 non-eidetikers in two memory tasks (Visual Pattern Test and Corsi Block Test) that differed in the mode of presentation of visual stimuli (simultaneous and sequential, respectively). Eidetikers performed better than non-eidetikers on simultaneous tasks but performed similarly to non-eidetikers on sequential tasks. This study suggests that eidetikers are better at retaining stimuli presented simultaneously.
著者
小川 健二郎 原 英彰 オガワ ケンジロウ ハラ ヒデアキ Kenjiro OGAWA Hideaki HARA
雑誌
岐阜薬科大学紀要 = The annual proceedings of Gifu Pharmaceutical University
巻号頁・発行日
vol.65, pp.20-27, 2016-06-30

わたし達の目は、日常的に太陽の紫外線や酸素などの影響を受けている。加えて、スマートフォンやパソコンなど電子端末機器の普及が進む現代社会において、目に関するトラブルの増加が懸念される。視機能の維持は我々のQOLに大きく関わるため、薬剤による治療や進行の抑制とともに、食品の機能性による予防も重要である。健康食品素材として広く利用されるビルベリーは、ブルーベリーの近縁種にあたる果実であり、果皮および果実内部にポリフェノールの一種であるアントシアニン色素を多く含んでいる。ビルベリー由来アントシアニンが目に与える機能性としては、in vitroおよびin vivo 試験において、網膜神経節細胞保護作用や光刺激に対する網膜視細胞保護作用、血管新生抑制作用、網膜炎症の軽減による視機能低下抑制作用などが報告されている。一方で、ヒト臨床試験の報告が少ないことが課題とされていたが、2015 年4 月より新たな食品表示基準として機能性表示食品制度が施行されたことにより、ヒト臨床試験の報告が増えてきている。ビルベリーエキスに含まれるアントシアニン(以下、ビルベリー由来アントシアニン)においても新たな報告がなされている。ビルベリー由来アントシアニンを健常人が接種することで得られる機能性として、物の遠近を見る近見視力や毛様体筋の緊張状態、眼精疲労の客観的指標であるフリッカー値、および目の疲労感の主観的指標であるvisual analogue scale(VAS)スコアや自覚症状アンケートにおいて、プラセボ接種群と比較して有意な改善が示されている。そのため、機能性表示食品として、目のピント調節力を改善すること、目の疲労感を和らげることが表示されている。今後もさらにヒト臨床試験が実施されることで、新たな機能性が明らかになることが予想される。
著者
高橋 康介 小川 健二 北川 智利 金子 沙永
出版者
立命館大学
雑誌
基盤研究(A)
巻号頁・発行日
2023-04-01

本研究では知覚像が従来考えられているよりも自由に制御できる可能性について実証研究を進める。構造化を抑制して未統合の感覚信号にアクセスし高感度の知覚像を得る脱構造化現象と、心的イメージと知覚像を合成する信念可視化現象という2種類の知覚像制御過程の解明を目指す。前半は熟達者を対象とした知覚心理学・脳科学研究により知覚像制御の現象理解、心的過程と神経基盤の解明、予測符号化の枠組みでの理論化を行う。後半は非熟達者を対象に知覚像制御の熟達過程や個人差・適性を検討する。以上の研究を通して「不自由でままならぬ」という従来の知覚観から脱却し、ある程度まで自由に制御できる知覚像という新しい知覚観を提案する。
著者
乾 敏郎 小川 健二
出版者
日本認知心理学会
雑誌
日本認知心理学会発表論文集 日本認知心理学会第6回大会
巻号頁・発行日
pp.35, 2008 (Released:2008-11-10)

なぞりと模写のfMRI実験の結果から、これらのメカニズムに関するモデルを提案し、動作模倣との関連性についても考察する。乾(2007)では、左頭頂葉と右頭頂葉において、対象が自己中心座標と対象中心(または環境中心)座標でそれぞれ表現されていると仮定している。言い換えると、左頭頂葉は、主に外界の時空間的な変化を身体運動に変換するという意味で、情報の流れが「他者→自己」であり、右頭頂葉は自己の運動を他者(物体)に投影して、外界にある他者(物体)のイメージを作り、操作するという意味で、情報の流れは「自己→他者」であると言える。なぞりは、対象中心座標の表現のみでカーソルの軌道を制御できるのに対し、模写は、曲線を一旦自己中心表現に変換して再生しなければならない。しかも、自己中心座標と対象中心座標の変換を行い、部分の確認がなされる必要がある。このモデルによって、closing-in現象も説明可能である。
著者
今井 史 小川 健二
出版者
日本認知心理学会
雑誌
日本認知心理学会発表論文集
巻号頁・発行日
vol.2019, 2019

<p>物の動きを描く動的視覚イメージには,身体運動の結果を心的に予測するための運動シミュレーションが関わるといわれている。しかし,たとえば機械を操作するとボールが飛ぶという身体的要素の少ない内容や,ボールが空の彼方まで飛ぶという身体運動では実現できない内容のイメージにも運動シミュレーションが関わるかは,定かではない。そこで本研究では,運動シミュレーションの妨害課題の有無を参加者間要因,イメージ内容の身体的要素の多寡,身体運動による実現可能性の二つを参加者内要因として参加者に飛翔するボールをイメージさせ,その鮮明性を調べた。実験の結果,運動シミュレーションの妨害との交互作用は身体的要素の多寡についてのみ検出され,妨害のない群では身体的要素の多い内容のイメージがより鮮明化したが,妨害のある群ではその効果はなかった。これは動的視覚イメージの身体的要素に運動シミュレーションが関わっていることを示唆する。</p>
著者
小川 健二
出版者
株式会社国際電気通信基礎技術研究所
雑誌
特別研究員奨励費
巻号頁・発行日
2011

ヒトは,自らの身体状態のイメージ(身体像)を脳内で動的に推定しており,さらに自己の身体像は他者認知の基盤ともなっていると考えられる(ミラーニューロンシステム仮説).また身体像は,日々変化する環境,あるいは身体や道具の特性に適応する必要があり,このためには運動指令や環境変化を予測可能な脳内の内部モデルの学習が不可欠である.そこで本研究は,このような身体像の基盤となる内部モデルの神経表象を明らかにするため,ヒトが2種類の感覚運動変換に適応した後の脳活動を機能的磁気共鳴画像法(functional MRI)で計測し,それぞれの変換条件を表象する脳部位の特定を試みた.先行研究から,ヒトは複数の運動スキルを同時並行的に学習可能な点が示されているが,これは個々のスキルに対応した複数の内部モデルが脳内に獲得されているものと考えられる.実験ではジョイスティックを使った視覚トラッキングを用い,実験参加者は2種類の相反する回転変換(+90度または-90度)に同時適応した.そして,運動中のfMRI活動に対してマルチボクセルパターン分析(MVPA)を用い,変換条件が識別可能か検討した.また回転変換条件と,低次の運動キネマティクスとの違いを明示的に区別するため,2種類のターゲット軌跡パターンを設け,異なる変換条件と軌跡パターンの組合せに対する識別器の汎化精度を調べた.結果から,感覚運動野,補足運動野,および小脳前部の活動パターンを使って回転変換の識別が可能であった.本研究から,感覚運動関連野および小脳で異なる感覚運動マッピングが表象されていることが明らかとなった.
著者
松崎 達 中澤 敦 大塚 征爾 前田 憲男 米井 嘉一 稲垣 恭孝 鈴木 修 桐生 恭好 水野 嘉夫 小川 健二
出版者
一般財団法人 日本消化器病学会
雑誌
日本消化器病学会雑誌 (ISSN:04466586)
巻号頁・発行日
vol.98, no.3, pp.300-306, 2001 (Released:2008-02-26)
参考文献数
20
被引用文献数
3 3

症例は47歳男性,直腸炎型の潰瘍性大腸炎(以下UC)で通院中に突然,右下肢腫脹・疼痛を認めて入院,ドプラエコーで下大静脈から膝窩静脈におよぶ広汎な静脈血栓症と診断.本邦のUC患者ではこれまで18例の深部静脈血栓症合併例が報告されているが,検索しえた限りでは直腸炎型での合併は初めてであった.抗凝固療法と血栓溶解療法の併用により深部静脈血栓症にともなう症状のみならず,UCの臨床症状の改善を認めた.